第99回(2023年)箱根予選 戦力分析 その2(神大、日体、専修、城西)
箱根予選のエントリー校の戦力分析を以下の4つの観点を中心に行います。続いては箱根12位の神奈川大学、17位に日本体育大学、20位の専修大学、箱根予選で15位の城西大学についてです。
①エース力・・・トップ3の稼ぐ力
②選手層・・・8~12番手の層の厚さ
③予選会力・・・箱根予選を得意としているか
④持ちタイム・・・1万の平均タイム順位(全員、箱根予選)
エース力は他の上位通過候補と比べるとやや物足りないかなあ。前回の箱根予選でチームトップの巻田もいませんし、トップ3となると山崎、宇津野に小林篤とかになるのかな?50位以内に入ってくる選手は何人もいそうですし、30位以内に入ってくる選手もいるとしても日本人トップ争いとなると厳しそう。
エース力にやや不安がある一方で選手層は心配無いでしょう。先述の巻田以外に高橋も外れてはいますが、全日本予選トップ通過メンバーは巻田と島崎以外はエントリー、島崎は先日1万で28分台のべすとをマークしており、長い距離となると他の選手の方が上ということかな。箱根では区間中位で走った選手が多かったですが、こちらも巻田以外は揃っています。2年前の箱根予選で結果を残している佐々木や鈴木も入っていますし、戦力はだいぶ整ってきた印象。
2年の石口や1年の酒井、山田あたりはまだ未知数な部分もありますが、メンバーに入ってくるだけの力があるわけですし、チームの好調さを見るとむしろ楽しみです。予選会力も不安は無いですね。この10年で9度予選会に出場していますが、ギリギリになることもなく悪くても中位で通過を果たしています。本戦でシードを獲得出来ていないという事実もありますが、予選会での安定感は抜群です。
持ちタイムは29分10秒で8位となっており、通過圏内となります。28分58⇒29分10秒とタイムは下がっており、28分台の巻田、高橋がいない影響を受けていますね。神大は元々記録会に積極的に出場する大学では無く、持ちタイム以上の力がある選手が多いですが、それでも通過圏内というのは安心感がありますね。上位通過候補の1校であり、悪くても前回と同じ5位では通過してくるのではないでしょうか。
エース力は前回箱根出場校の中では正直最も低くなっているかも。。。日本人トップ争いを期待された藤本が故障から回復せずに欠場…一気に暗雲が立ち込めてきました。現状のトップ3だと盛本、名村、分須とかになるのかな?分須もグッと力をつけていますが、それでも3人揃って50位以内で走ってくるのもなかなかに厳しそうな気が…
となると選手層でカバーしたいところですが、前回の箱根1区を走った高津、5区を走った吉富、7区を走った漆畑らもいないんですよね。全日本予選も15位と目立った活躍は見せられずに新戦力の台頭とはいかなかったですし、選手層が厚いとは言えないかなあ。そんな中でルーキーの山崎、平島、田島が揃って29分32秒で1万を走り、箱根予選に向けて期待が出来そうなのは大きいです。ルーキーがチームを救ってくれるかも。
予選会力は最も心配がいらない大学の1校です。予選会で下位通過することもなく、2年前の6位通過が最も悪い順位ですし、出場すれば大体上位か悪くても中位で通過しています。戦力的に少し苦しいかも?と思うときでもボーダー争いに巻き込まれることなく通過している強さは圧倒的です。初出場から74年連続箱根出場という伝統を誇りますし、これがかつての中央のようにプレッシャーとならなければ良いのですが…
持ちタイムは29分7秒で6位となっており通過圏内となっています。藤本らを欠いたことで28分52⇒29分7秒と15秒もタイムは落としていますが、それでもタイムは問題無いんですよね。ただ、日体大の場合は日体大記録会という素晴らしい記録会を自前で持っていて、タイムを出しやすい大学であるということには注意が必要かな。戦力的に厳しいのは事実ですが、それを予選会力で上回ることが出来るか…他大学との相対的にギリギリ通過圏内とは思っているのですが、予選落ちも十分あり得るかと。。。
エース力は決して悪くは無いですね。キサイサ、高瀬、木村という3本柱が揃って順当にエントリー、3人とも箱根予選で好走しているのが心強いですね。さすがに高瀬が2年連続10位というのは難しいかもしれませんが、3人揃って上位に入ってきてもおかしくない力がありますよね。エース力は専修の最も大きな強みと言えるでしょう。
選手層は厚いとは言えないですが、徐々に改善されてきているようには思えます。3本柱に続く実力者である国増が外れてしまったのはかなり痛いですが…水谷、野下、吉岡ら前回の箱根予選でチーム上位で走っている選手はきっちりとエントリー。前回は欠場した箱根経験者である成島も入っていますし、現状のチームにおいてはかなりベストに近い布陣を組めているのも強み
予選会力は…正直良く分からないですね。ここ2年は戦力的に厳しいと言われながらも通過を果たしているのであるとも言えますし、それまでは何とかボーダー争いに加わったと思っても、徐々にボーダーから遠ざかってしまって予選落ちが続いていたのも事実なので。。。エースに頼るだけではなく、予選会で結果を残せる選手が増えてきたのは大きいかなあ。本戦はともかく予選会は苦手ということは無いでしょう。
持ちタイムは29分32秒で15位ということでタイム上はやはり通過圏外となっていますね。まあ、それはもう2年前から変わっていないですからね。むしろ、これでもタイムを伸ばしてきた方ですし…ただ、29分29⇒29分32秒とタイムは3秒しか下がっていないんですよね。それだけ持ちタイム上はベストに近いエントリーが出来ているということになります。過去2年に比べると最も通過する可能性は高いと思いますが、それでも戦力的にはやはりギリギリ通過という印象。
エース力はまずまずといったところかなあ。初留学生であるキムタイは貯金を稼いではくれるでしょうが、他の留学生についていけるかはまだ未知数なんですよね。全日本予選でも遅れてしまいましたし、オーバーペースで突っ込んでの失速がちょっと心配。残るトップ3は山本唯、野村の箱根山好走コンビになるのかなあ。全日本予選でも良い走りを見せていましたし、箱根予選でも前回はチーム上位です。ただ、山本唯が81位、野村が108位ですから…ここから大きく順位を上げてきてくれないと困りますね。
選手層もまずまずかなあ。木村や片渕、成田ら前回の箱根予選出場者が何人か外れてしまっていますが、前回チーム3番手の山中など主力は大体エントリーされていますからね。そして松尾が入ってきたのにもびっくりしました。2年時の状態に戻っているのであれば大きな戦力となりますし注目です。ルーキーも斎藤は順当ですが、さらに大沼と桜井もメンバーに入ってきました。3000m障害に強い大沼は密かに注目しています。
予選会力はやや劣るかなあというのが正直な印象。箱根予選の過去5回は12→8→15→3→15となっており、3度予選落ち…箱根シードだった翌年度に予選落ちであったり、予選3位からの15位となかなか成績が安定しないんですよね。予選会を通過するときも下位が多いですからね。今回取り上げた神奈川、日体、専修らと比べると特に予選会は苦手としているかなあ。そこは不安なところです。
持ちタイムは29分13秒で10位とまさにタイム上はボーダーの大学となっています。29分5→29分13秒とタイムは8秒ダウンということで28分台を持つ木村らトップ10から複数外れているもののそこまで大きなダウンでは無いですね。まさに持ちタイム通りにボーダーを争う1校となるのではないかと私も思っています。留学生の加入や今年度の走りを見ると、その中でも通過圏内に入ってきそうな大学かなあ。箱根予選に合わせられれば強さは見せていますし、期待と不安が半々。