第99回(2023年)箱根予選 戦力分析 その1(東海、山学、駿河、立教)

箱根予選のエントリー校の戦力分析を以下の4つの観点を中心に4,5校ずつ行います。

①エース力・・・トップ3の稼ぐ力
②選手層・・・8~12番手の層の厚さ
③予選会力・・・箱根予選を得意としているか
④持ちタイム・・・1万の平均タイム順位(全員、箱根予選)

合計タイムで競うわけですから、大きな貯金を稼ぐことは大事、上位が稼いでも下位が崩れてはタイムは伸びないので選手層も同様に大事です。全員が一斉に走る予選会は3大駅伝と異なり、集団走も出来る予選会は戦略も大事になります。タイムが全てでは無いですが良いに越したことはありません。最初は箱根11位の東海大学、18位の山梨学院大学、19位の駿河台大学、箱根予選で16位の立教大学についてです。

東海大学

エース力は問題無いでしょう。石原は箱根予選日本人トップの有力候補、松崎と吉田がトップ3かと思いますが、いずれも大きな貯金を稼げる実力者ばかりです。何も心配はいりませんね。特に石原の復活の走りは楽しみです。また1年時のような圧倒的な走りを見せて欲しい。。。松崎も箱根2区を任されるほどの選手ですし、吉田も箱根5区2位の快走に全日本予選での圧巻の走りなど勝負レースで結果を残し続けていますからね。


選手層も本来ならトップクラスなのですが、あまりにも中間層のエントリー漏れが多いんですよね。松尾、梶谷、越、竹村らが揃っていないのはさすがに8~12番手の選手層が薄くなってしまうのでは。日本インカレで快走した花岡は外れ、竹割、鈴木、中井、湯野川と大学ではまだ目立った走りをしていないルーキーが4人エントリー、最低2人は走るというのも気になるところ。それだけ力をつけているということなのでしょうが。。。


予選会力は正直未知数ですね。予選会を最後に走ったのは2014年なので8年前、最も予選会を経験していないチームとなっています。それだけ箱根シードを獲得し続けていたとも言えますが、予選会に出場する際には経験不足というデメリットとなりますからね。圧倒的な走力でカバーすると思いますが、慣れない予選会で各選手がどれだけ力を発揮できるか。


持ちタイムも上位ですね。箱根予選の上位10人平均が28分49秒で明治についで2位、主力を複数欠いたことで28分35⇒28分49と14秒も平均タイムは下がっていますが、それでも28分台を8人揃えていますし、ルーキーはまだ1万でタイムを狙っていませんからね。やや選手層と予選会力に不安はあるものの、総合力では上位通過候補であることに変わりはありません。

山梨学院大学

エース力は留学生のムルア、ムトゥクはどちらも大きな貯金を作るでしょうが続く日本人選手がやや気になるところ。木山、伊東がトップ3ということになるでしょうが、二人とも今年度の走りはもう一歩という状況なんですよね。特に前回27位の木山にかかる期待は大きいのですし、前回同様に上位で走ってくれれば。


選手層は元々薄くも厚くもないという印象だったのですが…新本、砂川、橘田大らが外れた影響でちょっと薄くなってしまった印象があります。新本も橘田大も本来であれば主力となって欲しい選手なのですが、故障に悩まされることが非常に多いですね。。。箱根予選未経験ながら28分台のベストをマークした北村やハーフで持ちタイムを伸ばしている横山あたりが個人的には期待かな。12人はともかく10人までは何とか揃えてきたかなあ。


予選会は今回で6連続出場となりますが、過去5回は4→10⇒17→7→4位となっており、17位になったときはどうなるかと思いましたが、そこからは戦力的に不安視されるときでも中位で通過を果たしており、予選会が苦手ということも無いかなあ。むしろ、予選会にはしっかりと合わせてきている印象で、予想外の好走を見せる選手も複数人出てきています。


持ちタイムは29分9秒で7位となっており通過圏内ということになります。中堅どころを欠いたことで29分2→29分9秒と7秒タイムは下げているものの、下げ幅は少ないです。他にも石部、篠原、高田ら箱根経験者が何人もいますし、通過する可能性は十分ありますが通過有力とまでは言えないかなあ…長い距離で実績のある選手がやや不足しているのもちょっと心配しています。

駿河台大学

エース力について…ゴッドフリーは他の留学生に負けない走りをしてくれそうかな。関東インカレ、全日本予選ともに上位でまとめていますから、心配はいらなそう。続く町田、清野がトップ3としてチームを牽引していくこととなりますが、全日本予選は今年度もやや物足りない走り…前年度同様に箱根予選は問題無いと思いますが、前回54位の清野、85位の町田ともに前回から順位を上げてきてほしいところ。


さらに、新山、小泉という箱根予選で2人を上回ってもおかしくない選手たちがいるのも大きいです。新山は全日本予選でも結果を残して安定感のある選手、小泉は箱根6区3位の快走が印象的ですが、箱根予選でも2年連続で安定した走りを見せています。トップ5が心配が揃ってエントリーしたのは大きいです。一方で選手層となると不安は否めないかなあ…


13分台を持つ期待のルーキーである東泉や2年連続全日本予選出場の池原は外れています。特に東泉は1年目から活躍してくれると期待していたのですが…箱根予選で3大駅伝・予選会初エントリーを果たした賀来、大道、小江、沖らがどこまで成長しているかが選手層において重要になってきますね。持ちタイムはいずれも30分30秒オーバーと目立ちませんが、エントリーされるだけの力があるわけですし。


予選会が得意かは正直分からないかなあ…現実的に通過を狙えそうとなったのは前回からですし、そのチャンスをしっかりモノにした強さはあるのでしょうが…過去4回は18→12→15→8位となっています。持ちタイムは29分31秒で14位とタイム上は通過圏外となっています。それは前回が箱根初出場ということからも仕方ないですね。


東泉、池原の2人がトップ10で外れただけですが、29分19→29分31秒と12秒もタイムを下げています。元々30分切りが10人しかいない中、10番手が30分38秒まで下がってしまいますから…2年連続で通過する可能性もありますが、前年度よりは戦力的に厳しそうな気がします。ボーダーを争う1校という印象ですが、創価や東国大でさえ達成できていない初出場からの連続出場が果たせるか要注目です。

立教大学

前回の予選会は16位ながら、戦力はさらに大幅にアップしておりいよいよ本格的に箱根返り咲きを狙う立教大学、エース力としては他の通過候補と比べると正直落ちますね。現状の3本柱が誰になるのかも悩ましいところで…中山、関口は確定的かなあ。中山は2年連続で箱根予選好走、関口は前回の箱根予選に続いて全日本予選も4組15位と結果を残しています。


全日本予選では3組7位と快走を見せた林の走りが光りましたし、前回の箱根予選結果を見ればチーム3番手で走った安藤が強かったです。ルーキーながら全日本予選に抜擢された國安もいますし、貯金を稼ぐことを期待される選手の人数は多いですね。ここからさらに2桁順位ではなく50位以内、さらに上位で走れる選手が1人でも出てきてほしいところ。


エース力がやや劣る分、選手層は大きく改善されました。本格的に強化を初めてから3度新入生を迎えたことで1~3年生にいずれも実力者が複数揃うようになりましたからね。エントリーメンバーを見ても28分台が4人、10番手でも29分51秒となっています。11番手となる安藤も含めて11人が全日本予選、箱根予選のいずれかを経験しているというのも大きいです。全日本予選を走った馬場や前回の箱根予選を走った岸本、市川が外れていてこれだけ選手が揃っているとなると箱根通過を狙う大学と比べても遜色ない選手層なのでは。


予選会力も立教は未知数かなあ。前々回は28位、前回が16位となっており、前回はある程度持てる力は発揮出来たと思いますが、現実的に通過を狙う状況で予選会を走ったことは無いわけで、経験不足というのは否めず…前回はもう6番手で200位オーバーとなってしまいましたが、ここら辺の選手がどれだけ順位を上げてこられるか、箱根予選初出場となる1年生が1年時の中山や安藤のように結果を残せるかかなあ。前回期待された1年生も安藤以外は軒並み苦戦でしたし…4人エントリーされた1年生は最低でも2人走るわけで、箱根予選初出場の選手の走りというのは大事になってきます。


持ちタイムは29分15秒で11位、10位とは2秒差ですしもうタイム上は現実的にボーダー争いに絡むところまできているんですよね。29分10→29分15秒と上位10人との差はわずかに5秒しかなく、エントリーも比較的順調なことが分かります。個人的には箱根予選初エントリーとなった服部が気になります。2年の全日本予選は素晴らしい走りでしたから。前回の16位よりは順位を上げてくるでしょうが、通過となるともう一歩戦力的に厳しそうな気も…前回からどこまで順位を上げてくるか、通過圏内の10位まで上がってくるのか要注目です。

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