第34回(2022年)出雲駅伝 レース結果 ~駒澤が完璧なレースで9年ぶり4度目の優勝~

2022年10月22日

暑かった前年度と違って気温は低かったですがその分風が強かった今回の出雲駅伝、大会記録や区間記録が出るなどハイスピードなレースとなった一方で向かい風となった4,5区は選手も明らかに走りにくそうでした。レース結果(PDF)はこのようになっております。上位10校+関東勢のレース結果を大学ごとに見ていきます。

優勝: 駒澤大学

区間賞が3つ、区間2位が3つとちょうど9年前に優勝した時と全く同じ区間順位という素晴らしいレースでした。1区花尾が2位と好スタート、2区圭汰が高校の先輩である三浦を上回って区間賞を獲得したことで一気に駒澤が有利な展開となりました。田澤は万全では無いながらも区間2位でまとめるのはさすがの走りでした。


ここでタイム差を広げられなかったことで4区以降はどうかと思いましたが、山野が区間2位、5区の安原が前半詰められながらも後半引き離して区間賞、故障明けで不安もあって6区の芽吹が区間賞の走りで完全復活、2位に52秒もの差をつけて栄冠を勝ち取りました。1年以上故障に苦しんできた芽吹の涙にはグッとくるものがありました。最も苦手な出雲を制覇したのは得意な全日本に向けて好材料ですね。

2位:國學院大學

1区に抜擢された青木瑠が区間7位とスターターの役割を果たしたのが大きかったですね。2区の山本、3区の平林とともに区間6位でまとめて前との差を詰めました。こうなると、4区にエースの1人である中西大を起用したのがハマって区間賞、2位に19秒も差をつけて2位に浮上しました。藤本が区間4位と初の駅伝ながら高順位でまとめ、伊地知が中央との2位争いを制して総合2位と新戦力の起用も区間配置も見事だった國學院が強さを見せました。

3位:中央大学

9年ぶりの出雲となった中央ですが、1区の大和が箱根を思い出させる一人抜け出す走り、その後はまだ万全では無かったこともあったかなかなか差を広げられずに終盤には差を詰められましたが、ラストは意地を見せての区間賞を獲得、1区大和の安心感は別格です。2区の千守も区間3位と見事な走り、故障などもあってもう駅伝で見るのは難しいかもと思っていただけに、この復活の走りは感慨深いものがあります。


3区中野が区間7位、4区阿部も区間3位と上々の走りで総合3位でルーキーの待つ5,6区に繋ぎましたが…ここで溜池が区間2位と見事な走り、ルーキー離れしたスピードと安定感を誇ります。6区の駿恭も2位争いこそ遅れてしまったものの、29分台での区間4位は上出来と言って良いでしょう。2012年以来10年ぶりに総合3位に入りました。

4位:青山学院大学

1区の目片が区間3位と好スタート、1区は誰が走っても外さない安定感がありますね。2区の横田も区間4位でまとめ、エースの近藤も区間3位で総合2位に浮上とここまでは良いレースが出来ていたのですが…4区の志貴、5区の田中がともに区間6位で優勝争いどころか3位争いからも大きく遅れてしまいました。6区の中村が区間3位でまとめて総合4位となりましたが、青学としては当然物足りない結果となってしまいましたよね。今回は前回走った一世や若林に岸本、鶴川などあまりにも主力を多く欠きすぎましたね。人数や距離が増えるごとに青学の強さは増していくことでしょう。

5位:順天堂大学

1区の野村が区間5位と上々のスタート、野村が主要区間で上位で走れるまでに戻してきたのは今後を見据えても大きいです。三浦は2区2位ということで洛南高校の後輩である駒澤の圭汰に負けたのは残念だったか。世界陸上に出場した影響も田澤同様にあったことでしょう。3区の伊豫田が区間8位ともう一歩という走りだったかなあ。抜群の安定感を誇る実力者ですが、やや前と離されることとなってしまいました。


4区油谷が区間5位で走ったのは3大駅伝デビュー戦としては上々の走りで2年生以下が走ったのも大きいです。ただ、5区の西澤は区間7位で総合6位に後退、アンカーの四釜は区間5位の走りでラストの激しい5位争いを制して総合5位、ちょっと物足りない区間もあったものの、全体としては何とかまとめてきた感じかな。

6位:創価大学

1区に新家が区間10位と出遅れてしまったのがまず苦しかったですね。それでも戻ってきた葛西が区間5位でまとめて7位に浮上、葛西が出雲から走れているのは収穫です。ムルワはさすがの走りで区間賞&区間新、5位にまで浮上しました。4区の石丸が区間7位、5区の石井も区間5位で初駅伝を走ったのはチームとしても収穫だったのでは。6区の嶋津も区間5位でまとめて総合6位、2区以降は全て区間7位と崩れることなく走り切りました。

7位:法政大学

1区の松本が区間6位と好スタート、2区の松永は区間9位ともう一歩な3大駅伝デビューでしたが、3区内田が区間4位と素晴らしい走り、さらに4区の扇が区間4位とこちらも見事な走りを見せました。扇は全日本予選で結果を残しながらなかなか3大駅伝出場を果たせていませんでしたが、4年目での初出場は嬉しいですね。


故障明けとなった小泉も5区3位とさすがの走りで総合5位とここまではほぼ完璧なレースでしたが…6区に抜擢された稲毛が区間10位と苦しい走りになってしまい、2つ順位を下げて総合7位となりました。7位というのは過去最高順位タイなだけに更新出来ず惜しかったですが、各選手が良く走ってくれましたよね。これだけの戦力なのに、全日本で見られないのが残念です。

8位:東京国際大学

前回王者の東京国際ですが…優勝メンバーのうち、エントリーで山谷、佐藤、宗像の3人を欠き、さらに故障でヴィンセントもいない状況では当然苦しいですよね。1区の冨永は一時は単独走になるなど積極的な走りで区間8位、こちらはまずまずですが2区の白井も8位というのはちょっと物足りないかなあ。3区の丹所も区間5位ではまとめたものの、去年のような圧倒的な走りとはならず…今年度はなかなかコンディションが整わない印象です。


4区の川畑、5区の堀端は揃って区間8位で総合でも8位と順位は変わらず、6区の村松が区間7位でそのまま総合8位ということに…前回の出雲優勝時は来年度全員残る東国大の連覇濃厚かと思いましたが、2年連続で同じ戦力を揃えてくるのがいかに大変か…全日本からの立て直しに期待です。

9位:東洋大学

東国大と並んで戦前の予想から非常に苦しい走りとなったのが東洋大学、1区の児玉が区間13位とまさかの走りで大きく出遅れてしまうことに。これまで1区は外すことはなく、今年度はトラックでも好調だっただけに、残念な結果となってしまいました。2区の甲木は区間7位で3つ順位を上げるも、3区の石田が区間9位とこちらも苦しい走り…1,3区はむしろ最も心配いらない区間だと思っていたのですが、この2区間で揃って崩れてしまったんですよね。


こうなるとこの悪い流れから抜け出すのは難しく…4区の佐藤が区間11位、5区の前田も区間9位と実力者がいずれも下位に沈んでしまい、6区の吉田は区間8位で総合9位…総合順位よりも区間6位以内が1区間も無かったのが心配ですね。全日本からは立て直してくるとは思いますが、東洋がここまで苦戦するとは思いませんでした。

10位:関西学院大学

ここ最近は関東勢がトップ10を独占する状況が続いていましたが、そこに割って入ってきたのが関西学院、1区守屋が区間4位と素晴らしいスタート、力のあるのは知っていましたが、ここまで高順位で来るとは思いませんでした。さらに2区の井手も区間9位で走って総合6位で耐えたのも大きかったですね。エース格の1人である3区上田が区間12位だったのはもう一歩かもしれませんが…4区佐藤、5区今井はともに区間10位、6区の中尾も区間11位と区間12位以下が1区間しかない見事な走りで総合10位に入りました。

11位:帝京大学

小野、西脇を欠いた時点で厳しい戦いになることは分かっていましたが…1区の藤本が区間15位と大きく出遅れてしまうことに…期待のルーキーとはいえさすがに1区は荷が重かったかなあ。2区の吉岡が11位、3区の福島が区間10位となかなか巻き返すには至らずこの時点でも総合13位、4区福田の区間9位の走りで総合11位に浮上しましたが、5区山中が区間11位、6区末次が区間9位で順位は変わらず総合11位、区間8位以内が1区間も無いという苦しい結果となりました。全日本は予選落ちとなってしまったので次は箱根となりますが、箱根までにどれだけ戦力を整えることが出来るのか不安になってしまいました。

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