区間歴代トップ5の遷移(2014→2022) ~箱根駅伝1区~
2014年に箱根駅伝の区間記録トップ5を取り上げたのですが、そこから高速化もあってどの区間も区間記録が更新されているため、久しぶりに区間歴代トップ5を見ていきます。上部に現時点でのトップ5、下部に2014年時点でのトップ5を表にしています。最初は1区から見ていきます。8年間でトップ5のうち3人が入れ替わっています。2014年の記事はこちら。
順位 | タイム | 氏名 | 大学 | 学年 | 年 |
1位 | 1時間00分40秒 | 吉居大和 | 中央大学 | 2年 | 2022年 |
2位 | 1時間01分06秒 | 佐藤悠基 | 東海大学 | 2年 | 2007年 |
3位 | 1時間01分13秒 | 渡辺康幸 | 早稲田大学 | 2年 | 1994年 |
3位 | 1時間1分13秒 | 米満怜 | 創価大学 | 4年 | 2020年 |
5位 | 1時間1分18秒 | 藤木宏太 | 國學院大學 | 2年 | 2020年 |
順位 | タイム | 氏名 | 大学 | 学年 | 年 |
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1位 | 1時間01分06秒 | 佐藤悠基 | 東海大学 | 2年 | 2007年 |
2位 | 1時間01分13秒 | 渡辺康幸 | 早稲田大学 | 2年 | 1994年 |
3位 | 1時間01分25秒 | 山中秀仁 | 日本体育大学 | 2年 | 2014年 |
4位 | 1時間01分32秒 | 中村祐二 | 山梨学院大学 | 2年 | 1995年 |
5位 | 1時間01分36秒 | 中村匠吾 | 駒澤大学 | 3年 | 2014年 |
記憶に新しい今年の箱根で区間記録をマークしたのが中央の吉居、一人集団から抜け出しそのままハイペースで押し切って1時間0分40秒とこれまでの記録を26秒も更新、15年ぶりに1区の区間記録が更新されました。1区はレース展開にも左右されるのでなかなか記録を狙うチャンスは無いのですが…それを独走で達成したこともさらに価値がありますね。
この区間記録も長く残る可能性は十分にあるかなあ。大学を代表するようなエース級が1区に起用され、さらにレース展開に恵まれることはもはや最低条件でしょうがそもそも優勝候補と言われる大学は絶対的エースを1区には基本起用しないですからね…
1,3,7区で区間記録保持者となった東海の悠基ですが、残っていた1時間1分6秒という1区の区間記録も更新され、ついに保持している区間記録は無くなってしまいました。3年連続異なる区間で区間記録をマークしているだけでとんでもないんですけどね。悠基も独走でマークした記録であり、迫られることはあっても守り続けていた区間記録が一気に更新されることになりました。
ただ、区間2位に4分1秒差をつけるというのは今後はもう起きないかもしれませんね。一人抜け出したとしても、高速化となっている現在、あそこまで牽制することも無いでしょうし…ちなみに、吉居の区間記録でも2位とは39秒差に留まっています。
タイ記録とはなりましたが、早稲田の渡辺が1994年にマークした1時間1分13秒はいまだに3位となっています。トップ3はまさに大学を代表するエースが起用されてマークした驚異的なタイムであり、いずれも2年生の時に叩き出した記録です。吉居や悠基はあまり2区タイプでは無いのかもしれませんが、渡辺は2区でも66分台を2度マークするなどエース区間でも活躍を見せています。エースを1区に起用するのはスローペースになったり、ついてこられるリスクもあるだけに難しいですよね…今後も優勝を狙う大学のNo.1エースが1区起用されることはあまり無さそう。
2020年に創価の米満がマークした1時間1分13秒が区間歴代3位タイということになります。2020年は高速レースとなっただけではなく、最後まで競り合いとなったため、トップ5に2人、トップ10にも4人とどちらも同一年として最多人数がランクインしています。区間8位ともわずかに18秒差しか開いていませんからそのハイレベルさが分かります。
そんな中で米満が区間賞を獲得したのは衝撃的でした。確かに箱根予選ではチームトップの7位と快走を見せてはいたものの、チームとしても3年ぶりの箱根で1区には有力選手がズラッと揃っていましたからね。そんな中最後までハイペースについていき、最後に抜け出しての見事な区間賞でした。創価のその後の大躍進は米満の1区区間賞から始まったと言っても過言では無いでしょう。
同じく2020年に國學院の藤木がマークした1時間1分18秒が歴代5位となります。トップ5では唯一区間賞では無く米満についで区間2位ということに。藤木も2年の時にマークした記録であり、トップ5のうち4人が2年生の記録となっています。藤木も2年時は日本インカレで入賞するなど活躍を見せていましたが、全日本では3区12位と苦しい走りでしたからね。
前年度の1区10位でも十分好走だと思っていましたが、まさか2度目の1区でここまでの快走を見せるとは思いませんでした。大学におけるベストレースと言って良い会心のレースでしたね。チームも最高のスタートを切った勢いそのままに歴代最高となる総合3位に入っています。