2022年度 高校特集 ~大分東明高校~
続いては前回の都大路で4位だった大分東明について見ていきます。都大路ではアンカー勝負で同タイムの接戦を制しての4位でした。留学生を起用したのは2016年から…それまでの3年間は31→46→35位といずれも30位以下と低迷していましたが…留学生起用後は4→4→15→6→9→4位と表彰台こそありませんが、6年間のうち4位が3度とやはり一気に成績が向上しています。
前回の都大路ではディリツの3区2位の走りも大きかったですが、それ以上に1区15位の柴戸、4区5位の岩下と長距離区間で揃って好結果を残したのが大きかったです。ともに2年時から長距離区間を担った二人は卒業、さらに2区20位の大戸、6区24位の二瓶も含めて4人が抜けることとなります。戦力ダウンは当然大きいのですが…
ディリツは今年度も健在であり留学生の3年生は高いレベルで安定していることが多いです。その中でもディリツはすでに5千で13分18秒75という日本人高校記録どころか大学記録さえも上回る圧倒的なベストを有しており、インターハイ5000mでも見事に優勝を果たしています。持ちタイム、実績ともに高校トップの1人です。再びの3区となれば前回以上の走りが期待出来そう。
留学生は何の心配もいらないとして…都大路経験者の日本人選手としては、前回5区25位の有田、7区13位の松井と2年生コンビに加え、前々回の2区24位の荒尾も含めて3人いますね。なかでも注目は5km区間を13位で走っている松井です。14分26秒という持ちタイムは日本人トップ、さらにインターハイにも5000mで出場を果たしています。今年度日本人エースとして期待される選手ですね。
持ちタイムを見ると、13分台はおろか14分1桁も10秒台もいないというのはちょっと寂しいですよね。松井は持ちタイム以上の力はあるでしょうが…さらに14分30秒台もおらず、14分40秒台で有田、荒尾という都大路経験者コンビに束木が続く形です。15分切りもここまでのはず…これから駅伝シーズンになってどれだけ伸びてくる選手が出てくるかが大事になってきますね。
インターハイ予選で5000mに出場していたのはディリツ、松井の他は束木だったので1区松井、3区ディリツとすると4区は現状は束木が候補になってくるのかなあ?元々、大分東明は選手層が厚いという印象は無いですが、今年度はその中でもちょっと選手層が薄そうな気がして心配なところです。まずは15分切りを7人はまずは揃えてきたいところですよね。駅伝シーズンにベストを出してくることも多いですし、徐々に戦力を整えていってくれれば。
大分東明も伊那駅伝には出場していないので新戦力におけるロードでの走りというのもなかなか分からないかなあ。持ちタイムがすべてではもちろん無いですが、現状の戦力を見ると都大路でもかなり苦戦を強いられそうな気が…過去6年間でのワースト順位は2018年の15位ですが、そこが一つのターゲットになってきそうな気が。1区で粘って3区で大きく順位を上げたとして、4~7区でどこまで粘れるかという展開になってしまいそうな気がします。
最近は6,7区のどちらかは上位で走れる選手を起用出来ていますし、もう1人長距離区間を上位とは言わないまでも中位くらいでまとめられるような選手が出てくるとグッと成績が良くなりそうです。入賞争いに加わるのは厳しいかもしれませんが、駅伝シーズンに入ってどれだけチーム力を高めていくことが出来るのかに期待したいです!