帝京大学　来年度の箱根駅伝（２０２３年）に向けて

続いては箱根では９位、５年連続でシード権を獲得した帝京大学について見ていきます。今年度の箱根結果はこのようになっています。今年度の３大駅伝経験者は１２人いますが、来年度は５人まで減ってしまうことに。これは今年度の箱根に出場した２０大学の中で最も人数が少ないです。この３年間、中止となった出雲を除いて８度３大駅伝に出場していますからね。それが箱根に１度出場したのみの駿河台よりも少ないというのは、なかなかに衝撃的な数字なのでは。


エースの遠藤に箱根５区２年連続区間賞、東京マラソンでも快走して市民ランナーとしてMGC出場を狙う細谷や中村、橋本などチームの中心選手が揃っていましたからね。何度も記事にしていますが、このデータからも４年生が抜けることの影響が分かります。来年度は３大駅伝の経験値が相当少ない状況で臨むことになりますね。逆に言えば、それだけ多くの選手にチャンスがあるとも言えます。


今年度の箱根経験者は４人、１０位以内で走ったのは１区８位の小野、１０区１０位の西脇となります。小野は３大駅伝で苦しい走りが続きながらも、箱根では見事にスターターの役割を果たして往路２位に貢献しましたし、西脇も９区終了時で１０位とギリギリシード圏内の状況から、しっかりとシードを守る走りを見せました。６区を走った北野、７区を走った福島が残る箱根経験者となり、ここに全日本でエース区間の７区を走った小林が３大駅伝経験者となります。

３大駅伝経験者が少ないとなると、新戦力が多く出てきてもらわないと困ります。帝京は育成力に定評がありますし、来年度には現時点で予想外の選手が何人も出てきそうですが…３大駅伝エントリー経験者となると、一気に１５人に増えることになります。箱根エントリーだけを見ても、２９分台のベストをマークした山田、末次、元永、大吉に３年連続のエントリーとなった新井がいます。


特に新井はハーフで６３分３０秒のベストに１年時は３大駅伝フルエントリーを果たし、いつ出番があるかと思いきやもう最終学年ですからね。山田、元永とともに新４年生には複数人が３大駅伝を走ってほしいですし、最上級生の意地を見せてほしいところ。今年度１万でベストを伸ばしている選手たちが一つのきっかけで一気に主力の仲間入りを果たしそうな期待感があります。


新入生は私が把握している限りでは柴戸、山口の２人が早速持ちタイムでもトップ１０入りを果たしていますね。特に柴戸は５千で１４分６秒という持ちタイムもですが、都大路で１区１５位で走っている実績が魅力的です。箱根シード校では比較的スカウトで苦戦気味の帝京ですが、シード常連校となり、徐々にスカウトも良くなってきているかなあ。山口も都大路では１区２７位と最長区間を走っていますし。チーム状況も加味すると、１年目から箱根を走る選手が複数出てきても全然おかしくないですね。

往路経験者は１区を走った小野しかいませんので、ガラッとチーム状況は変わることになりますね。１区で出遅れるわけにはいかないことを考えると、再び小野に任せるのが安心ではありますが。。。２～５区を全て新戦力に託すのはなかなかに大変ですよね。２区で力を発揮できるとしていた西脇、同様に５区を挙げていた新井、全日本でエース区間の７区を走った小林、箱根７区を走った福島らが往路候補となってくるのかなあ。新入生が１人でも往路メンバーに入ってくれるとチームとしても非常にありがたいところ。


特に２区を任せられるエース級の台頭は必須かなあ。今回の箱根を見ても２区で苦戦してしまうと、有力校であってもなかなか巻き返すのに苦労していましたからね。逆に帝京は２区の中村が見事な走りで８→５位と３つ順位を上げたのが往路での躍進につながりました。３区も４年連続区間４位以内で遠藤がいたことの圧倒的な安心感がありましたし、５区は２年連続区間賞の細谷…いかにこの穴を埋めるのかが大変か分かりますが、それでも帝京ならば往路を好走する選手が新たに出てくるのでは？とも期待してしまいます。


復路は６区経験者の北野がいますからここはひとまず安心だとすると…まずは最上級生が複数人は走ってほしいですよね。先ほど名前を挙げた元永、山田以外にも全日本にエントリーされた大花や藤尾もいます。２年生も日高・大類、近田らが全日本でメンバー入りを果たしており、全日本エントリーメンバーがどれだけ箱根出場を争う選手たちの中に割った入ってこれるかというのが、帝京の選手層を大きく左右することになりそう。新入生ももちろん楽しみです。


現時点での箱根戦力予想をするのであれば、どうしてもシードは厳しそうかなあというのが正直な印象であり、前回の箱根後にも何度か記事にしていますが…逆に９か月後に最も総合力がアップする可能性があるのも帝京なのではないか？と思っているんですよねー。チームの中心だった学年が抜けることによって、続く選手たちが一気に躍進を果たすというのは実際にあることですし…来年度の箱根ではまた帝京の育成力を見せつけるような走りを見せてほしいです！！