第98回(2022年)箱根駅伝 1区振り返り ~区間賞:吉居 大和(中央)~
今日からは箱根駅伝における各区間ごとにおける選手の走りを振り返っていきます。まずは1区から・・・ 1区結果はこのようになっております。 最初はスローペースになりそうかなあと思ったのですが…すぐに吉居が先頭を引っ張る展開に。スローになって一番困るのは中央だったと思いますが、それでもすぐに引っ張るメンタルの強さですよね。さらにそのままハイペースでレースを進め、集団から抜け出す別格の走力・・・
あれだけ選手が揃った中で一人で抜け出し、10kmを27分台のペースで進め、最後まで押し切って区間賞&区間新記録を26秒も更新してしまうのですから凄いの一言です。流れが大事と言われる1区で最高の流れを作りました。それが中央の躍進に繋がりましたよね。
2位争いを制したのは駒澤の唐澤、出雲はまさかの苦戦でしたが3本柱の1人である走りをロード、それもハーフで見せてくれたのは大きいです。後続に5秒差をつけたのも2区の田澤を走りやすくしましたね。3位に東海の市村、4位に専修の木村が入ってきたのはややびっくりしました。市村はトラックの強さはトップクラスも3大駅伝では苦戦が続いていましたからね。最後の箱根でついにエースの役割を果たしてくれました。
木村も今年度は箱根予選を欠場するなどなかなか万全で臨めませんでしたが…初の箱根で素晴らしい走り、ここまでの強さを身に着けていたとは…来年度のエースは木村となるかも。区間5~7位には青学の志貴、國學院の藤木、東京国際の山谷と実力者が揃いました。藤木は急遽の1区だったようですが、それでも結果を残すのはさすがですね。志貴、山谷も2区以降を考えると十分な走りでした。
その間に割って入ってきたのが関東学連の中山、エースの中山を1区に起用する戦略がハイペースに上手くはまりましたね。ここで区間7位相当で走ったことで2区以降の選手も走りやすくなったことでしょう。その一方で苦戦する実力者もいるわけで…エースの1人である手嶋を起用した明治は区間13位、2位とも48秒離される苦しいスタートとなりました。手嶋を起用したのであればもっと上位で走ることを期待していたでしょうし…
前回の箱根で総合2位の立役者になった創価の葛西は一時集団を引っ張るも遅れてしまっての15位、故障から復活して1万でも問題ない走りを見せていましたが、ハーフの距離である箱根はやはり違うのか…前回の好走の再現とはいきませんでした。早稲田の27分台トリオの1人である井川は区間16位…集団のペースアップについていけず、大きく出遅れることになってしまいました。状態も上がりきっていなかったようですし、この高速1区は厳しかったですね。
上位候補の1校だった順大も平が18位、トップと3分12秒もの大差をつけられてしまいました。正直、この時点では非常に厳しいと思っていましたが、ここからの巻き返しが凄かったですね。。。最も意外だったのは中央学院の栗原が早い段階で遅れてしまい、トップと4分7秒差をつけられてしまいました。箱根予選で日本人トップの選手がここまで苦しい走りになってしまうのが、箱根の怖さです。。。
1区で出遅れたくないのはどの大学も当然ですが、上位候補と言われる大学以外は即シード落ちが近づいてしまうことも多いです。そんな中で区間8~10位に入ったのが帝京の小野、法政の内田、国士舘の木榑の3人。帝京、法政ともに1区が鬼門となっていましたが、帝京は小野がついに1桁でまとめて往路2位に繋げましたし、内田も1区を1桁で走ったことで2区の鎌田を活かすことが出来ました。国士舘も箱根復帰後の最高順位を成し遂げたのはこの木榑の走りが大きかったです。
神奈川の巻田が区間11位、東洋の児玉が12位で続いています。ともに区間中位でまとめてくれたかなあ。エースとなった巻田を1区に起用したのは神奈川としては上手くいったと思いますし、児玉も崩れない走りでした。しいて言えば、1桁で走ってくれればさらに良かったかな。山梨学院の木山が区間14位、2区にオニエゴがいることを考えると決して悪くはないですが、松倉を1区に起用出来なかったのはやはり痛かったですよね…特に3区に大きく響きました。
駿河台の清野が区間17位、3本柱の1人ですがそれでも今回のハイペースについていくのは厳しいですよね。よく走ってくれたと思います。区間19位に日体大の高津…自己ベスト連発の選手ですが、これまで3大駅伝・予選会に一度もエントリー経験さえ無かった選手を起用したのはさすがにリスクが高すぎたのでは。。。2区の藤本を活かすことができませんでしたね。。。
最高のスタートを切ったのが中央、東海、専修、良かったのが帝京、法政、国士館あたり…順当だったのが駒澤、青学、國學院、東京国際かなあ。最も予想外に苦しかったのは中央学院…苦しいスタートとなってしまった有力校は明治、創価、早稲田、順天堂かなあ。特に明治、早稲田は1区の出遅れから立て直せずにシード落ちとなってしまいましたから。。。
ディスカッション
コメント一覧
明治1区は児玉くんじゃなく手嶋くんですよ
知ってます。全て間違っていたわけではないですし、
もう修正しているのにいちいち記載不要です
追加コメント失礼します。
早稲田の井川選手は前から調子が落としていたのですね。全日本を好走して流れが来ていたのにもったいない。早稲田スポーツを見たら、1週間前の時点では山口選手が1区を走ることになっていたようで、目標を優勝と言い続けていたけど実はドタバタだったと。
私も記事は読みましたが・・・かなりギリギリなチーム状況だったようですね。
シード落ちもやむなしかと。3大駅伝は全てかみ合わずで残念でした。
吉居君を観て早稲田の大迫君を思い出しました。たしかこんなふうな時があったかなぁと。吉居君の力走で、シード権内を大切にキープしながらゴールに至ったように見えました。2位の唐澤君も素晴らしかった。2区に廉君ですから優勝は駒澤かも?と、この時は思いましたね。
東洋は二桁発進。残念な気持ちと柏原が加わる以前の東洋はこんなかんじだったなぁ~と…なんか懐かしさを感じる1区でした。
中央学院の栗原君も予選会日本人1位で楽しみにしていましたが、早い段階で離れてしまって これもまた残念。何が起こるかわかりませんね。
吉居の走りは素晴らしかったですね。大迫はすぐに抜け出しましたが、
吉居はついてこられてからの抜け出しですからまた違った強さがあるかなと。
唐澤は万全であったならば吉居を追ってほしかったかなあ。。。
前回も10位前後でしたし、東洋はそれほど悪くなかったような。。。
中央学院は残念でした
吉居の走りは凄まじかったですね~
ペースを作り始めたときはこれ多分使われちゃうなぁと思ったのですが、途中から誰もついていけないくらいのハイペースで押し切るとは相当な覚悟がないとできないですよね。ハーフ以上の距離を10km27分台で走られてはそれはついていけないかと。
というか、21.3㎞を60分40秒ですからハーフ換算なら日本記録レベルでは…?
一方で栗原はまさかの走りでしたね…箱根前に内臓疲労をしていたらしく、それが回復しきらないままの出走だったようで、エースがどんどん離されていくのは見ていて辛かったです。
本人も辛いでしょうが、栗原のおかげで再びチームが帰ってこられたのですから、本当にお疲れさまでした!
覚悟ももちろんですが、圧倒的な走力があってこそですね。
吉居の走りは素晴らしかったです。
なかなか、箱根に合わせるのはどのチームも容易では無いです。。。
栗原の箱根予選の走りはチームを救いましたよねー
明治、早稲田のことを思うと、順大のリカバリーの凄さに改めて驚かされます。
3区伊豫田が素晴らしかったです。往路の3~5区はほぼ完璧でしたからね
中央学院の栗原選手は本調子ではなかったという監督コメントがありました。昨年のように牽制しあう可能性にかけていたみたいですが、早々に吉居選手が仕掛けてしまって残念ながら・・・ 小島選手の回避も決まっていたでしょうし、これ以上主力を外せないという苦しい状況だったのでしょうね。
順天堂もスロー展開を期待していた大学かもしれません。
藤木選手は急遽だったのですか。順当な配置で、結果も期待通りでしたから。復路になって実は國學院は順調ではなかったと気付いたわけですが、藤木選手は予定通りだったのかと思っていました。
まあ、そうでしょうね。万全であればあんなに早く遅れるわけないですし。
スロー期待はリスクが高いですよね。
國學院は島崎が1区予定だったと本人がツイートしていました