第98回(2022年)箱根駅伝 往路レース結果 ~青学が完璧なレースで往路制覇~

箱根駅伝の往路が終わってしまいました。大波乱となった前回の往路に比べると、ある程度順当だったかなあ。2強と言われた大学は青学が往路優勝、駒澤が3位に入り、続く2チームと言われた國學院、順大がそれぞれ4,5位に入ってきています。往路公式結果(PDF)はこのようになっております。大学ごとに往路の走りを簡単に振り返ります。

※背景青色はシード校、赤色は予選会校

1位:青山学院大学

完璧なレースと言ってよいでしょう。1区の志貴が区間5位と好スタート、全日本に続いてトップと離されない走りは強いです。2区の近藤も区間7位、日本人3位の走りで総合2位に浮上しています。エースが2区にしっかりとハマりました。そして、3区を走ったルーキーの太田がすごすぎました。丹所のハイペースに当然のようについていき、終盤に丹所を引き離してトップでの襷リレー、丹所と5秒差は凄すぎます。


4区のキャプテン飯田も積極的な走りで区間3位の好走、2位以下を大きく引き離しました。2年前に好走している飯田を4区に起用してまで5区に抜擢されたルーキーの若林も区間3位の素晴らしい走りでさらに後続と差を広げての往路優勝となりました。区間賞こそありませんでしたが、5区間すべてで区間7位以内、3~5区はいずれも区間3位という抜群の安定感を見せての往路優勝、2位に2分37秒差は復路の選手層を考えても総合優勝はかなり濃厚と言えそう。

2位:帝京大学

帝京がまさか往路2位に入るとは思いませんでした。これまで1区で苦戦続きだった小野が区間8位とついに好スタート、任され続けた1区で結果を残しました。2区の中村は区間8位、67分10秒というタイムも素晴らしいです。2区終了時で5位ならば3、5区に切り札がいる帝京は強いです。3区の遠藤は積極的に前を追っていって区間4位、総合3位に浮上と前評判通りの強さを見せています。


4区の寺嶌が区間14位も4位でしのぎ、5区の細谷が2年連続区間賞の快走、あの柏原以降は5区の連続区間賞は出ていませんでしたが、細谷がついに成し遂げての往路2位、軽やかな走りで山を登っていき、2年連続5区区間賞は凄すぎます。復路も非常に楽しみになってきました。

3位:駒澤大学

1区の唐澤が区間2位の好スタート、今回のハイペースにもしっかりと対応して3本柱の1人である走りを見せました。好位置でタスキをもらった2区の田澤は圧巻の走り、Y・ヴィンセントも含めた留学生を全て抑えての区間賞、2位に28秒差というのも素晴らしいです。しかし、3区の安原がまさかの区間16位に沈んでしまい、総合でも5位に後退。ここだけで青学と3分差をつけられたのはあまりにも痛すぎました。


4区の花尾も序盤ペースが上がらずに後半巻き返すも区間9位止まり、さらに1つ順位を下げてしまいました。しかし、5区の金子が細谷についていく積極的な走りで区間4位と会心の走り、3つ順位を上げての往路3位となりました。復路に向けても選手は残せていますが、さすがに青学までは厳しすぎますね。。。

4位:國學院大學

1区の藤木が区間6位の好スタート、3年時から3大駅伝は苦戦が続きましたが、最後の箱根でエースの役割を果たしてくれました。2区の伊地知は区間12位、67分台で走っても区間12位というハイレベルさですよね。よく走ったと思います。3区の山本は区間5位と素晴らしい走り、最高の3大駅伝デビューとなりました。


4区の中西大も区間4位と素晴らしい走り、中西も前回は苦戦しましたが藤木とともにダブルエースが躍動しました。総合でも3位に浮上することに。激坂王で学生トップだった國學院の殿地は区間9位、決して悪くはないですがその実績を考えるとやや物足りなかったかなあ。それでも崩れる区間がなく総合4位は上々の走り、復路も実力者が残るだけに非常に楽しみです。

5位:順天堂大学

1区を任された平が区間18位と非常に苦しい走り、野村を往路に起用出来なかった影響が大きかったかなあ…さらに、エース区間の2区に起用されたエースの三浦も区間11位、力を発揮したとは言えなかったですね。しかし、3区の伊豫田が区間3位の走りで17→10位と7つ順位を上げて一気に立て直してきたのが大きかったですね。


全日本で苦しんだ4区の石井も区間2位と会心の走りで10→7位と3つ順位を上げてきました。3,4区で一気に立て直してきたのは順大の底力を感じました。5区の四釜も区間5位の走りで総合でも5位に浮上、18位から13も順位を上げてきました。順大も復路の選手は揃っていますね。

6位:中央大学

予選会校で唯一往路をシード圏内で終えたのが中央大学、1句のエース吉居がハイペースでそのまま1人抜け出し、1時間0分40秒という区間記録を26秒も更新する驚異的な走りで区間新&区間賞、最高のスタートを切りました。2区の手嶋は区間15位、今回は耐える区間で誰が走っても苦しかったでしょうし、よく走ってくれました。3区を走った三浦が区間7位で総合でも11→7位と4つ順位を上げています。ここですぐに建て直せたのは大きかったです。


4区の中野も1つ総合順位を下げたものの、区間5位の走りでしっかりとシード圏内をキープ、中野の躍進もチームにとって頼もしいです。そして、5区に抜擢されたルーキーの阿部が区間6位と素晴らしい走りで総合6位に浮上、ルーキーがいきなり山で好走を見せましたね。全日本シードに続いて箱根シードもはっきりと見えてきました。

7位:東京国際大学

1区の山谷が区間7位と上々のスタート、ヴィンセントが2区にいることを考えるとしっかりとスターターの役割を果たしてくれました。しかし、ヴィンセントは区間5位と5度目の3大駅伝で初めて区間賞を逃すこととなりました。7→4位と3つ順位を上げるにとどまりました。3区の丹所は区間賞の走りで総合2位に浮上、ただ区間2位に5秒差しかつけられなかったのがむしろ悔しいと思えるほどに力をつけています。


4区の堀畑は区間12位も何とか総合2位は維持しました。5区のルーキー倉掛は区間14位で2→7位と5つ順位を落としてしまうことに。ちょっと往路7位というのは今年度の東国大としてはちょっと物足りないかなあ。ただ、前回よりも復路の選手は揃っていますから、シード争いに巻き込まれたとしても、シード落ちの可能性は低そうかな。

8位:創価大学

1区の葛西が区間15位とやや出遅れてしまうことに。復活は果たしたもののハーフの距離となるとまだ厳しかったかなあ。2区のムルワは区間2位の走りで一気に巻き返し、15→6と9つ順位を上げてきました。しかし、3区に抜擢された2年の桑田が区間17位に沈んでしまい、6→11位とまた1つ下げてしまうことに。


しかし4区の嶋津が区間賞の走りで11→5位と6つ順位を上げることに。チームとしては凸凹の区間順位となっていますが、嶋津の勝負強さは別格です。2年時から3年連続区間2位以内はすごいです。5区の三上は区間12位と前回の2位からは順位を下げてしまうことに。前年度に比べるとちょっと激坂王も苦戦しましたし、力を発揮しきれなかったかなあ…それでも往路8位としっかりとシード圏内で終えました。ただ、このままだと復路はシード争いに巻き込まれてしまう可能性が大きいです。

9位:東洋大学

1区の児玉が区間12位、前回よりも順位は下げてしまいましたが、それでもスターターの役割は果たしてくれました。2区の松山は区間5位、日本人2位と素晴らしい走りで12→8位と順位を上げることに。全日本は苦しみましたが、箱根2区での強さが光ります。3区の佐藤は区間8位で総合6位と2つ順位を上げることに。佐藤も全日本から立て直してきましたね。


4区の木本は前半突っ込みすぎたのが響いたのか区間18位に沈んでしまうことに。総合でも12位とシード圏外に下がってしまいました。ここは痛かったですね。。。5区の宮下は区間8位で往路9位という結果に。もちろん、これまでの実績を考えれば物足りないのですが、それでも故障に苦しんだ今年度、最後の箱根でも3つ順位を上げてシード圏内に入ってきました。復路は選手が揃っていますが、当日変更が気になるところです。

10位:東海大学

1区の市村が区間3位の好走、今年度は出雲も全日本も苦しんだエースの1人が素晴らしい走りを最後の箱根で見せてくれました。しかし、2区の松崎がまさかの区間17位に沈んでしまい、3→16位と13も順位を下げてしまうことに。復活した松崎ですが、いきなり箱根2区は厳しかったか。3区の神薗も区間15位で総合17位にまで下がることに。出雲、全日本ともに好走した神薗でも箱根は苦しかった。


4区の本間も区間13位で総合順位は変わらず…4区終了時ではもうシード争いに加わるのも難しいかと思いましたが、ルーキーの吉田が区間2位の素晴らしい走りで総合10位とシード圏内にまで浮上してきました。5区のために1年準備してきたという話でしたが、大学でほぼレースに出ていないルーキーがこの走りは正直びっくりしました。復路も選手は残せていますから、十分シードの可能性もありますね。

11位:早稲田大学

1区の井川が区間16位とまさかの出遅れとなってしまうことに。2年以降は安定した結果を残していましたが、ハイペースとなった今回の箱根は苦しい走りとなりました。2区の中谷も区間14位で3つ順位を上げるに留まりました。3区の太田は区間6位と軽い故障もあったことを考えると、よく走ってくれたかなあ。ただ、27分台トリオを起用しての総合13位はさすがに想定外だったでしょうね。


4区のルーキー石塚は区間6位で総合10位とシード圏内に復帰、3大駅伝すべてで崩れない走り、さっそく長い距離にも対応してくる適応力の高さも素晴らしい。5区もルーキーの伊藤でしたが区間11位でまとめて総合でも11位、ただ10位とは1秒差ですし主力が復路も起用できるのであればシードは問題ないはず・・・

12位:神奈川大学

1区の巻田が区間11位、しっかりとスターターの役割を果たしています。頼りになるエースの1人ですね。2区の西方は区間13位とよく粘ってくれました。西方もずっと崩れない走りを見せてくれました。3区に起用された宇津野は区間13位も総合15位まで順位を下げることに。1~3区のいずれも決して悪い走りではなかったですね。


4区の小林政が区間10位で走ったのも収穫ですね。往路で10位で走れる選手というのがシード獲得には大事になってきますし。それでも総合15位は変わらずだったのですが・・5区の山崎が区間7位の走りで総合12位に浮上、これまで目立たなかった3年生が頼もしい走りをみせてくれました。シードとはまだ12秒差ですし、復路で巻き返していきたいところ。

13位:法政大学

1区の内田が区間9位と1桁順位、内田がいるからこそ安心して鎌田を2区に残せますね。大きすぎる存在です。2区の鎌田も区間9位でまとめて総合9位は変わらず、監督の持つ法政記録も大きく更新する67分11秒をたたき出し、エースの走りを見せてくれました。3区のルーキー小泉も区間11位とまずまずの走り、しっかりとまとめてくれました。ルーキー離れした安心感があります。


4区の河田も区間8位ということで1~4区までずっと区間10位前後でまとめています。5区の細迫は区間16位、途中までは良い走りだったのですが、最後はちょっとペースダウンしてしまい、順位を落とすことに。それでも総合13位でシードラインとは22秒差ですし、ここまでがシード争いに現実的に加われそうかなあ。

14位:国士舘大学

1区の木榑が区間10位と素晴らしい走り、ここ数年も住吉以外は出遅れていた1区ですがついに中位でまとめてくれました。2区のヴィンセントは区間2位タイとさすがの走り、10→3位まで順位を上げる理想的な展開となりました。3区の荻原は区間18位と鬼門の3区でまたしても崩れてしまい、9位まで下げることに。


しかし、4区からは違いました。三代が区間11位で粘りの走り、総合でも11位で踏みとどまっています。5区の山本雷も区間13位と上々の走り、これまでのチーム状況を考えれば、往路14位は上出来と言ってよいでしょう。10位とは35秒差となっており、タイム上はまだ狙える位置となっています。復路でどれだけ粘れるかに注目です。

15位:山梨学院大学

1区の木山が区間14位、よくまとめてくれたと思います。2区のオニエゴが区間4位とエース区間でも強さを見せ、14→7位まで順位を上げています。本当に4年間で強くなりましたね。。。3区の高田は区間19位と非常に苦しい走りで7→12位と下げてしまうことに。松倉を起用出来なかった影響が大きく出る区間となってしまいました。


4区の伊東は区間16位とこちらも下位に沈んでしまうことに…5区の成毛は区間17位ということで1,2区以外は苦しい走りとなってしまいましたね。前回もですが今回もベストメンバーを組めないというのは苦しいです。往路14位とも1分53秒も離れており、シード争いに加わるのは難しそうなだけに、何とか1つでも上の順位を目指したいところ。

16位:日本体育大学

1区に抜擢された高津が区間19位と非常に苦しい走りに…3大駅伝未経験者の高津にさすがに今回のハイペースは難しかったですね。2区のエース藤本は区間10位、物足りないかもしれませんが総合順位を考えればよく走ってくれましたよね。18→14位に順位を上げています。3区の大畑も区間9位と上々の走り、藤本に次ぐエース格がその役割を果たしてくれました。


4区のルーキー分須は区間15位と最低限の走りは見せてくれたかなあ。全日本でもエース区間の7区に抜擢されていますし、期待の大きさがわかります。5区の吉冨は激坂王で素晴らしい走りを見せており、箱根5区も楽しみだったのですが区間15位と今回は苦しい走りに…全体的に激坂王で好走した選手がやや苦戦気味のような…

17位:明治大学

往路のポジティブサプライズが帝京ならば、ネガティブサプライズはこの明治でしょう。1区からエースを並べる盤石の布陣に思えたのですが…手嶋が区間13位とやや出遅れてしまうことに。そこまで悪くはないのですが、手嶋を起用したことを考えると物足りないですよね。2区のエース鈴木は区間16位とまさかの順位に…このダブルエースを起用して2区終了時で15位は厳しすぎます。


3区の児玉も区間14位、総合16位とさらに順位を落とす結果は、前回の悪夢の再現となってしまいました。。。4区の小澤は区間7位で一矢報いる走りを見せてくれましたが…5区の下條は区間18位に沈んでしまいました。前回をさらに下回る往路17位…下位校の中では最も選手は揃っていますし、復路で順位を上げてくるでしょうが、シード争いまで3分以上ということ、7チーム抜かないといけないという条件はさすがに厳しすぎますね。

18位:中央学院大学

箱根予選で日本人トップだった1区の栗原がまさかの最初に出遅れてしまうことに…区間最下位で19位とも49秒離されてしまう非常に苦しいスタートとなりました。2区に起用されたルーキーの吉田礼は区間18位、単独最下位ということを考えるとこの走りも仕方ないです。3区の武川は区間10位と19位と最下位を脱出することに。よくこの状況で中位で走ってきましたね。


4区の伊藤は区間19位と再び厳しい走りになってしまいました。往路はこれで3区間目の区間18位以下ですから厳しすぎます。5区の吉本は区間10位とさすがの走りを見せましたが、往路順位は18位…17位とも3分44秒離れていますし、一斉スタートの復路で1つ順位を上げるのも用意ではないですね。

19位:専修大学

1区の木村が区間4位と最高のスタート、故障に苦しんだ今年度、初の箱根でこの走りは凄まじいですね。しかし、2区の高瀬が区間最下位に沈んでしまうことに。4→18位まで順位を下げています。箱根予選では日本人3位の走りを見せているのですが、厳しい2区となりました。3区のキサイサも区間最下位に沈んだのは意外でした。初の箱根は苦すぎる走りとなってしまいました。


4区の水谷は区間17位、総合19位と最下位は脱出したものの、チームは今回も苦しい状況となってしまいましたね。5区の野下は2年連続での出場となりましたが、区間19位と今回も下位に沈んでしまうことに。18位とも2分42秒ということで、20位との差も考えるとこの順位を維持というのが現実的かなあ。

20位:駿河台大学

1区の清野は区間17位、チームとして初の箱根路を走り切りました。2区のエースブヌカが奮わずに区間19位、今回は初の箱根出場となった留学生が苦しんでいますね、コンディションも影響したでしょうか。3区の町田は区間12位、総合18位に浮上することに。町田はよく走ってくれましたね。往路でチームベストの走りと言ってよいでしょう。


4区の今井は区間最下位、それも19位と2分以上の大差をつけられてしまいました。中学教師からの箱根出場という異色の経歴を持ちますが、最初で最後の箱根は苦しい結果となりました。その今井の教え子として注目を集めた永井も区間最下位、往路でも最下位となりました。やはり箱根初出場で爪痕を残すのは容易ではないですね。19位とは2分25秒離れており、目標は最下位脱出となるでしょうか。

15位相当:関東学生連合

1区の中山が区間7位相当と見事な走り、チームNo.1と目される実力者を1区に起用したことで好スタートを切りました。2区の並木も区間13位相当でまとめてきました。特に1,2区で出遅れることが多いのが関東連合ですが、いい出だしとなりました。3区の斎藤は区間16位相当、やや苦しい走りとなりましたがしっかりと走ってくれたかなあ。立教が強化を始める前の世代で最後の箱根出場者となりそうかな。


4区の村上は区間14位タイ相当となりました。前回の箱根は関東連合で出場予定も故障で欠場となりましたが、今回は1年越しの箱根出場を果たしました。5区の福谷は区間10位相当と見事な走り、今回は大きく崩れる区間が無かったのがよかったですね。15位相当でまとめたのは上出来といって良いでしょう。復路は相対的に強いですし、ここから1つでも上を目指してくれれば!!

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