2021年度 箱根予選、全日本結果&来年度に向けて ~拓殖大学~

続いては拓殖大学について、箱根予選の結果を振り返りつつ、来年度への展望も書いていきます。箱根予選結果はこのようになっております。今回箱根予選落ちした大学の中で最も意外だったのがこの拓殖大学でしょう。全日本予選では誰も崩れることのない安定した走りで4位通過、自己ベストを更新する選手が多く、駅伝シーズンに入ってからも1万でビシッと結果を残したことで上位通過もあり得ると思っていたのですが…箱根予選にピークを合わせきれず、11位でまさかの予選落ちとなってしまいました。

箱根予選振り返り

エースのラジニは5位とさすがの走りを見せましたが、今回は風や日差しの影響もあって前回ほどのハイペースとならず、稼ぎきれなかったとも言えるんですよね。2番手の37位に日本人エースの合田が入り、ここまでは順当かなあ。前回箱根予選を走っていない合田の好走はチームに貯金をもたらしましたし、さすがの走りでしたね。


ちなみに前回も日本人トップは37位と同順位で桐山が走っていますが、前回はラジニと2分25秒もの大差がついていますが、今回は1分39秒差しかついていません。3番手の79位に桐山で100位以内は3人のみとなっています。桐山もトラックシーズンに姿を見せない状況から、駅伝シーズンに1度1万を走ってよく箱根予選に間に合わせ、そしてこの順位で走りましたよね。現状の持てる力は出してくれたのでは無いでしょうか。


4番手の118位に山田、5番手の137位に江口、6番手の145位に新井と101~150位で走っているのも3人に留まっています。山田は3大駅伝・予選会通じて初出場ということから考えても上出来でしょうが、前回の箱根で8区13位で走っている江口や、3区18位で走っている新井は持ちタイムも良いですし、もう少し上位で走ってほしかったかなあ。


さらに今回苦しかったのは151~200位も160位だった竹蓋、176位の富永と2人しかいないんですよね。竹蓋は前回の231位から順位こそ上げてきましたが、これまでの実績を考えればまだまだ走れる選手だったかなあと。ルーキーの富永はチーム8番手ということを考えても最低限は走ってくれたかなあと。


9番手の217位に吉村、10番手の236位に佐藤、11番手の251位に小山、12番手の280位に根岸となっており、前回同様に下位も苦しい走りとなっています。特に吉村は全日本予選で最終組を任されているほどの選手ですし、佐藤も前回の箱根で4区16位、全日本予選も3組を走っていますからね。この2人が下位に沈んでしまったのが箱根予選通過を目指すうえでは非常に痛かったかなあ。ルーキーの小山はまだ未知数でしたし、2年の根岸もまだ目立った実績は無いだけに仕方ない部分はあったので。


前回と比べても比較的順位構成は似ているんですよね。ただ、前回は卒業した吉原が42位で走っておりその貯金が大きかった。今回はもう1人貯金を稼ぐ選手がいれば通過ができていたはずで、前回の箱根予選上位10人のうち9人が残るのは大きいと以前も記事にしましたが…奇しくも吉原の抜けた穴の大きさを感じる結果となってしまいました。

全日本振り返り

1区の工藤が区間13位とまずまずのスタート、トップと29秒差というのは決して悪くは無かったかなあと。日本人エースの合田が区間12位で続き、箱根予選を走ったことと主力が揃っていたことを考えてもまずまずかなあ。3区のラジニが区間2位の走りで一気に総合5位とシード権内にまで浮上、ここまではある程度計算通りのレースが出来たのではないでしょうか?


しかし、4区の山田が区間16位に沈むと、5区の新井も区間15位と下位に沈んでしまうことに。そんな中、箱根予選も走ったルーキーの小山が6区10位と日本人選手の中で最も良い区間順位で走ったのは今後に向けての収穫だったのでは。7区を走った山崎が区間17位、8区を走ったエース格の桐山も区間16位と長距離区間も下位に沈んでしまい総合14位、関東勢最下位こそ免れましたが4区以降は厳しいレースとなりました。

来年度に向けて

今年度箱根予選落ちをした全大学の中では、来年度も戦力は充実している大学の1校ではあるのですが、不安な点ももちろんあります。今回の箱根予選に出場した12人のうち5人が2年生、チーム2,3番手の合田、桐山に新井、竹蓋、佐藤といずれも経験豊富な選手たちや持ちタイムの良い選手がごそっと抜けてしまうんですよね。来年度の日本人エースは○○とはまだ言えない状況で、ラジニが残るとはいえ稼ぐ選手が出てくるのかは不安になるところ。


チームの中心になるのは箱根予選に4人が出場した3年生、ラジニはもちろん山田、江口、吉村らが出場しており、さらに全日本予選も前回の箱根も出場している工藤、今年度は3大駅伝・予選会を走れていませんが、4度の3大駅伝出場を誇る佐々木、前年度の箱根予選を経験している関根もいます。来年度の箱根予選を半分はこの学年が占めそうなほどですし、日本人エースの台頭が待たれます。


現状最も厳しい状況なのは2年生かなあ。3大駅伝・予選会の経験者は箱根予選でチーム最下位だった根岸のみ、そしてエントリーまで広げても他に1人もいません。根岸の成長も待たれるところですが、他の選手も誰かは出てこないと困りますね。1万で30分台のベストを持つ秋吉、奥村、正田、吉田あたりに期待かなあ。


ルーキーは箱根予選に出場した富永、小山が持ちタイムを見ても抜けており、さらに小山は全日本で6区10位と見事な走りを見せてくれました。ロードの強さは高校時代からありますし、エース候補として期待したい選手ですね。富永とともに切磋琢磨していってくれれば。さらに小林、藤原とともに高校ベストで14分20秒台のベストを持つ2人もいますし、1万で30分17秒を持つ強矢もいます。2年生となった小山、富永以外に戦力となる選手が1人でも多く出てきてほしいですね。


来年度も箱根出場を争う大学の1校であることは間違いないですが、今年度の戦力で箱根予選を逃してしまったのは勿体ないですよね。今回の反省を来年度に活かしてほしいところ。積極的に記録会に出場して自己ベストを更新した選手が多かったのは良いことだと思いますし、チーム力はありますからね。2009年の箱根以降、2年連続で箱根出場を逃したことは無いですし、また粘り強い走りで予選会を突破し、1年で箱根に戻ってきて欲しいです!!

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