第53回(2021年)全日本大学駅伝 ~区間別展望~

2022年11月4日

いよいよ明日、全日本大学駅伝が行われます。今日は関東15校における優勝候補、有力選手を中心に1~8区の展望を見ていきます。当日変更が3人もあるので現状では読みづらいですが…ある程度、当日変更も考慮に入れていきます。優勝候補と言われる大学に主力のエントリー漏れが多く、今回は本当に予想がしづらいですね。前回は青学、東海、駒澤が抜けていると言われていて、実際にアンカーまで3チームで優勝を争いましたからね。前回以上の混戦もあるかもしれません。

1区:9.5km

最短区間ながら大事な1区は各大学によって戦略が分かれるところです。出遅れないことを重視するか、凌ぐ1区とするかです。明確にエース級をエントリーしてきたのは、明治の手嶋、中央の吉居という箱根予選で1,2位だった大学、手嶋はダブルエースの1人、吉居はチームNo.1と呼べる選手ですし、出遅れは絶対にしたくないというのが伺えます。


1区で経験豊富な選手を起用してきたのが東洋の児玉、帝京の小野、國學院の島崎あたりですね~3人とも出雲でも1区を走っていますし、児玉は安定感があり、小野も出雲はまずまず、島崎は前回の全日本でも好走している選手です。こういった大学はエース級の起用では無いものの、経験もあって出遅れる可能性は低そう。


ルーキーに託す大学は昨年度も複数校あり、前回王者の駒澤が佐藤、出雲王者の東国大も佐藤、早稲田は伊藤を起用していますね。伊藤だけは出雲の走りと区間配置を見る限りは当日変更の可能性もありそうですが、最短区間で出遅れてもそこまで致命傷になりにくいこともあり、期待のルーキー抜擢もありますね。もちろん、ダブル佐藤に伊藤と力のある選手ではありますが。


優勝候補では、青学が志貴を起用しており、このままなのか当日変更なのか悩ましいところ、順大は出雲好走の平を起用しており、1区は大学によって大きく選手起用が分かれています。

2区:11.1km

2番目に距離が短いながらも重要視する大学が多い区間、優勝を狙う大学は3区重視が多く、シードを狙う大学は2区重視の方が多い印象です。2,3区はセットで考えられることも多いですね。ここに明確にエースを起用したのは順大の三浦、東国大の山谷、法政の鎌田、拓殖の合田、中央学院の栗原あたりですね。特に順大、法政、中央学院は明確にチームNo.1を起用してきています。


1区で苦戦すればここで復活、好走ならばさらに上位を狙うという戦略ですね。エースたちがどんな走りを見せてくれるのか、楽しみです。2区は相当ハイレベルになりそうですね。前回のように優勝候補が揃ってシード圏外に押し出されるなんて展開もあるかも…


中央は阿部、日体大は盛本のように箱根予選で好走した選手を起用するというのもありますね、國學院も出雲で好走した木付、早稲田は井川、東洋は前田とこちらも実力者を起用しています。駒澤は円、青学は中村を起用していますが、ここらへんは当日変更もありそうかなあ。もちろん、青学は中村が万全ならば何も心配いりませんが…

3区:11.9km

前半では最も距離の長い区間、3本柱を有している大学はこの区間に1人起用してくることも多いです。前回も優勝を狙う大学はエース級を起用してきました。東海はエースの1人である市村を起用、前回も塩澤を起用していますし、かなり重視している大学です。青学は復活した岸本を起用してきており、どんな走りを見せてくれるのか楽しみです。


早稲田は前回区間賞を獲得しているエースの中谷を4年連続で起用しており、ここで前回同様に抜け出せるのが理想です。東洋も出雲で好走した九嶋、中央もエース格の中野と実力者を起用しています。その一方で当日変更する可能性が高い大学も多いですね。駒澤も唐澤や佃あたりの起用がありそうですし、國學院も中西大や藤木のエース格、帝京は遠藤、順大は伊豫田あたりの起用もあるのかなあ。


当日変更でガラッと状況が変わるかもしれませんね。東京国際も1~6区にヴィンセントの起用を示唆しており、3区に入ってくれば一気にここでトップに立ちそうです。この区間は他大の出方を見ての選手起用もあるのかなあ。まだ7,8区に比べると3区がエース区間とは言えないだけに、戦略が問われることになりそう。

4区:11.8km

4区は前半3区間に比べるとエース級が起用されることは少ないですね。東洋はスーパールーキーの石田を起用してきました。また出雲に続いて驚かせる走りを見せてほしい。中央学院もルーキーの吉田礼、東国大も白井を起用しておりしており、ルーキー対決も楽しみです。前回は東海のルーキー石原が区間新の圧倒的な走りで優勝争いの戦線に復帰しました。


また、青学は副主将の高橋、明治は復活を果たした小澤、帝京は出雲で好走した森田と駅伝経験はそれほどないけれど、力のある選手を起用してきています。順大はここにい駅伝で外さない石井を起用してきており、選手層の厚さを感じます。当日変更の可能性がある大学も3区同様に多いですね。駒澤もここに唐澤や佃の起用が有り得そうですし、早稲田も前回区間2位で走っている太田の起用があるのかなあ?3区中谷、4区太田という前回大量リードを築いた布陣はまた見てみたいですが。

5区:12.4km

比較的繋ぎ区間という位置づけでチーム6~8番手の選手が起用されることも多いです。そんな中で明確にエース級を起用したのは青学の佐藤くらいかなあ。前回区間新で走っている区間でさらに万全の状態ということであれば、ここで一気に青学が有利になるかもしれません。他にエース級を起用しているのは順大の野村、中央の三浦らがいるのですが…野村は出雲で非常に苦しい走り、中央の三浦も箱根予選で下位に沈んでおり、攻める区間配置という感じでは無さそうですよね。最悪、当日変更もあるかと。


現時点でルーキーをエントリーしている大学も多いですね。明治の尾崎、東洋の梅崎、國學院の沼井、法政の武田らがエントリーされています。いずれもそのまま出場してもおかしくない選手たちですね。箱根予選を走っている尾崎、武田に高校時代に実績のある梅崎、自己ベスト連発の沼井と…補員を考えると東洋や國學院の当日変更はあるかもしれません。

6区:12.8km

距離は3番目に長い区間ですが、チーム8番手の選手が起用されることも多いです。繋ぎ区間ではありますが、7,8区のエースへつなぐ大事な区間でもあります。さすがにエース級を起用してくる大学は無いですね。駒澤は出雲で好走した安原、青学は西久保と実力者を起用、帝京も主力の1人である中村を6区に起用してきましたが、これはちょっと意外かなあ。7,8区を走ってもおかしくない選手ですし。


明治は杉本が故障中ということで当日変更となりそうですが、児玉や富田といった主力を起用出来る選手層があります。東洋も当日変更で及川や柏あたりの起用がありそうですし、当日変更も気になるところです。前回の全日本は6区でもまだ団子状態で優勝争いは混沌としていましたが、今回も6区までに抜け出すのはどの大学も簡単では無さそうです。

7区:17.6km

7,8区は距離が長くエース級が起用されることが多いですが、その中でも大きく2つに分かれますね。明確にエースを起用するのかそれともハーフに強い選手を起用してくるのか。エースを起用したのは駒澤の田澤、東洋の松山くらいかなあ。どちらかと言えば長い距離に強い選手が起用されている印象。東海の本間や明治の橋本、法政の清家、中央の中澤らはエース級というよりはハーフに強い実力者ですよね。


出雲で6区を走った選手が全日本の7区に起用されるパターンもあり、青学の横田、國學院の平林らが当てはまります。平林はルーキーで出雲6区、全日本7区とは…法政の河田もルーキーで同じ起用のされ方をしましたが、相当な走力と長い距離の強さが無いと起用されないですよね。ルーキーは他にも帝京の小林、日体大の分須らが起用されていますが、このまま走る可能性はかなり低そうかなあ。7,8区はルーキーにはかなり負担の大きい区間かと。


当日変更では、拓殖がエースのラジニを起用してきそうで、そうならば一気に区間賞候補筆頭となります。優勝候補では、早稲田も実力者の鈴木を2年連続でエントリーしています。順大は近藤がそのまま走るのかそれとも吉岡あたりと当日変更になるのかは悩ましいところですが…7区終了時となると、相当優勝争いの行方は見えてきますよね。また、前回のように優勝の可能性が複数校にあると面白いですが。

8区:19.7km

8区もエースより長い距離に強い選手を起用している大学が多いです。それだけ、前半に主力を投入しているということかなあ。駒澤は出雲でも好走した花尾、明治は箱根予選で日本人2位の加藤、青学は2年前に8区を走っている飯田、東洋も3年連続の8区となる宮下と実力者揃いです。


早稲田は山口、東海は竹村と箱根でアンカーを走っている選手を起用してきていますね。山口は全日本でもアンカーを担っていますが。順大は出雲6区で好走した四釜ですし、帝京も前回走って箱根5区区間賞の細谷と前回シード校はさすがにどこも実力者を起用していますね。これで当日変更があるようだと、ちょっと万全ではないのかなあという気がしてしまいます。


予選会校では、東国大は出雲でも好走した宗像、國學院が主力の1人になった伊地知を最長区間に抜擢、法政の河田は走れるのであれば頼もしいですが、箱根予選で当日急遽走れなかった影響はどれほどなのか。拓殖は桐山、中央は手島、中央学院は吉本、日体は岡嶋といずれも箱根予選でしっかりと走れている選手たちを起用とどの大学も8区を重視していることが分かります。

優勝・シード争い

優勝争いは本当にわからないですね、混沌としてきています。青学が強いとは思うのですが…さらに東洋や順大が対抗として続きそうかなあ。万全であれば優勝候補だった駒澤と早稲田は一歩後退してしまったかなあ。特に駒澤はエース級も中堅どころもエントリー漏れが多すぎてかなりチーム状況は厳しそう。早稲田も千明以外に主力が走れないとなると厳しいですね。


國學院も下級生に託した7,8区がしっかりと走ってくれれば上位戦線に加わってきそうですし、箱根予選に出場したとはいえ、明治の総合力は非常に高いです。箱根予選をトップ通過した大学は、この数年でも駒澤や東国大が4位に入っていますが、明治も目標は5位以内ということでそのくらいがターゲットになりそうかなあ。箱根予選があっても今年の明治はやってくれそうな気がします。


東国大は区間、距離が増えるほどに苦しくなるチームだと思うので…全日本はかなり苦戦しそうな気も。丹所が走れるかどうかも心配です。出雲の走りを見ていても、さすがに全日本でシード落ちということは無さそうですが、上位争いに加わるのは容易では無いかと。ここに名前が挙がっただけでも、すでに8校ありますからね…中央も区間配置がビシッと決まったように見えて、9年ぶりの出場で即シード獲得という可能性もあります。


全日本予選会校からシード争いに加われそうなのは、前述の東国大、國學院、中央くらいかなあと思いますが…シード校で苦しそうなのは東海と帝京かなあ。東海は前回最後まで優勝を争って4年連続2位以内の実績を誇りますが、大エース石原がいないことでチームとしてもかなり苦しい状況かなあと。チームとしてまだ噛み合っていない印象なんですよね。帝京は前回からの戦力ダウンは大きいですが、それでも徐々に戦力は整ってきている印象です。


いよいよ明日に迫った全日本大学駅伝、どこも万全とは言えない状況なのがもどかしいですが…前回の全日本は道中の展開も最後まで優勝が分からない争いも非常に見応えがありましたし、今回もまずは各大学、選手が持てる力を発揮し、最後まで優勝もシードも分からないハイレベルなレースを期待したいです!!

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