第98回(2022年)箱根予選結果 ~明治がトップ通過、駿河台が悲願の初出場~

雨が降る超高速レースだった前回とは異なり、多少暑さを感じ風もある状況でのレースとなった箱根予選、全体としては1分~1分半は前回よりもタイムを落としています。前回通過校からは拓殖と城西が予選落ち、中央学院と駿河台が出場を果たしました。駿河台は悲願の初出場を果たすこととなりました。各大学ごとにレース結果を振り返ります。

1位:明治大学

2位に4分16秒もの大差をつける圧倒的な走りでトップ通過を果たした明治大学、チーム7番手でも26位というのが凄まじいですね。ダブルエースの聖人、手嶋がしっかりとまとめたのはもちろん、1年の箱根2区以来なかなか目立たなかった加藤が日本人2位の9位と快走は大きく、さらに故障で苦しんだ櫛田、小澤や肺気胸となった児玉、4年になって大躍進を遂げた橋本とここまでズバッとハマるのは素晴らしい。


杉本、杉の3大駅伝・予選会初出場組も70位台でまとめていますし、10番手のルーキー尾崎も今年度初レースで114位ならばまずまずでしょう。ここに富田らが加わるとなればまさに戦力は強大、予選会校では抜けていてシード校とも互角以上に渡り合えることでしょう。その一方で漆畑、丸山は下位に沈んでしまったのはちょっと気がかりで、箱根に向けてはさらなる選手層の厚さが求められることになりそう。前回3位の全日本、どれだけチームとして合わせられるかも楽しみです。

2位:中央大学

エースの吉居がチームトップ、無事に復活を遂げたのは嬉しい限り。駅伝でもエースとしてチームを牽引してほしい。さらに、期待のルーキー阿部がチーム2番手というのも凄いですね。高校時代の実績では劣る相手をどんどん上回っています。手島、中澤ら箱根で好走している選手が上位を占め、10番手でも107位という数値だけを見ると盤石のように思えるのですが…


気になるのはその10番手がエース格の森凪也であり、9番手に今年度のエースとして期待される中野翔、11番手もエース格の三浦と本来であれば稼いでほしい選手が下位に沈んでしまったんですよね。中野翔は序盤の留学生集団に積極的について行って影響もあったかなあ。高校時代に実績豊富な山平は283位と撃沈してしまうことに…それでも2位ということは選手層の厚さを証明したとも言えますが、前回大きく出遅れた往路に向けて不安の残る結果とも言えるかな。

3位:日本体育大学

エースの藤本が故障明けで万全ではない中、15位とチームトップの走り…完治していないということなので、正確には故障中なのかな?それでこの走りが出来るのはまさにエースですよね。この後は箱根に向けて無理せずに合わせてくれれば。さらに、盛本、佐藤、名村ら前回の箱根予選で苦戦した選手や出場していない選手がチーム上位に入ってきたのは良い傾向ですね。総合力が上がってきています。


100位以内には9人を揃え、12番手でも157位というのが魅力的。今回は上位校も200位オーバーに沈むことが多かったのですが、12番手の順位としては全大学でNo.1です。誰一人として大崩しなかったのは、さすが最多箱根連続出場を続ける日体大ですね。数少ない不安要素としては、エースの1人と期待される大畑がチーム8番手にとどまったことと、12人中10人が上級生と下級生の出場が少なかったことくらいかなあ。この選手層は箱根でも存分に活かされそう。

4位:山梨学院大学

オニエゴが7位と好走、もう他大の留学生とも互角に渡り合えるまでに成長しましたね。一度先頭集団を抜け出したときはグッと来ました。さらに松倉、木山と日本人エースたちが20位台と好走するのも狙い通りでしょう。4番手は83位と間は相手しましたが、ルーキーの高田が入ってきたのにはびっくり。今後が楽しみです。復活した新本も97位でまとめているのも良いですね~


ただ、主力の1人である坪井は150位と復活にはまだ遠く、箱根経験者の篠原が178位と苦しい走り、11番手の川口は258位と大きく間が空いていることからも、4位通過とはいえ上位3校と比べるとまだ差は大きいかな。トップと2位が4分差と話しましたが、2位と3位も1分54秒、3位と4位も1分43秒と上位陣はかなり差があるんですよね。橘田がいないなどまだ戦力アップの余地もありますし、前回のように故障者続出は避けたいところ。

5位:神奈川大学

箱根予選初出場の巻田が29位のチームトップとさすがの走り、今年度エース級の走りを見せていますが、頼もしすぎる存在です。西方が続いたのも予想通りですが、3番手の53位に山崎が入ってきたのにびっくり。3年生は他の学年に比べて苦戦気味でしたが、この走りを見せられると箱根も楽しみになります。宇津野、横澤、落合と6番手までが100位以内で走り、小林篤&小林政コンビが120位前後でまとめているのも良いですね♪


その一方で前回好走している高橋銀は132位ともう一歩、期待のルーキー中原は199位、3年連続箱根出場を果たしている安田響が301位に沈んだのは心配です。主力をエントリーで複数欠いて、さらに佐々木も出場せずに不安になりましたが、さすがは予選巧者の神奈川大学、しっかりと合わせてきてくれました。本戦では故障者も戻ってベストに近い布陣で臨んでほしいですね。呑村、川口ら往路の好走経験者がいないとさすがに厳しいでしょうから。

6位:法政大学

エースの鎌田がいきなり転倒してしまい、さらに河田が足の違和感で欠場というアクシデントに見舞われた法政ですが、鎌田は31位としっかりとチームトップで走り、ルーキーの小泉が38位と素晴らしい走り、全日本予選に続いての好走はエース候補として期待大です。清家、内田の主力も3,4番手とチーム上位でまとめ、5番手で94位の宗像までが100位以内。ここまでは順調なのですが気になる要素もちらほら…


川上、中園といった中堅どころは120位台ということでもう少し走ってほしかったところですし、全日本予選で好走した細迫の131位ももの足りないかなあ。10番手が147位というのはまずまずなのですが、エースの1人である松本は240位とまだ完全復調とはいかず、4年の守角は286位と11番手は苦しい走りになったのも箱根に向けては不安かなあ。全日本は実績のある選手よりも調子の良い選手を起用して経験を積ませることを優先、そして箱根に合わせていく形になるのかなあ。

7位:中央学院大学

前回まさかの予選落ちとなった中央学院が1年で復活を果たしました。武川がエントリー漏れ、小島が出場出来ないとなったときはどうなるかと思いましたが…エースの栗原が最後は苦しそうな走りになりながらも譲らずに8位で日本人トップの走り、吉本、川田と3年生が続きました。100位以内はわずかに4人しかいませんが、9番手の吉田礼でも130位としっかりと集団でのゴールとなりました。吉田礼はもっと行けると思うのですが、チーム戦略の影響なのかなあ?トラックシーズンは最も活躍したルーキーでしたからね。


ただ、10番手の堀田晟は離されて186位、さらに工藤と糸井はともに260位以下ですから、主力を複数欠いた影響は大きく、結構ギリギリという状況だったかなあ。夏合宿でも故障者が多くて大変だったようですし…それでも、1年で箱根復帰を果たしたことに何よりも価値があります。全日本はある程度経験を積ませることになるかもしれませんが、箱根にはしっかりとベストの布陣で臨んでほしいところ。

8位:駿河台大学

今回初出場を果たすのならば駿河台だと思っていましたが、見事に通過を果たしました。ギリギリの10位ではなく8位通過というのも良いですね。エースのブヌカが6位と大きく稼ぎ、日本人エースの清野、町田が続くのは計算通り。さらに2年の新山、4年の田尻も100位以内で走っていますし、小泉が101位、永井が103位と7番手の順位としては十分過ぎますね。


8番手は190位と大きく間が空いてしまいましたが、10番手の今井も205位でまとめてくれました。11番手だった出仙が230位というのも決して悪くないですし、全日本予選で通過まであと一歩の8位となって大きく期待値を高め、箱根予選も他大学のエントリー漏れが目立つ中ほぼベストのエントリーを果たしたのが大きかったですね。悲願の初出場となった箱根路、かつて箱根を湧かした徳本監督の元、新しい旋風を巻き起こしてほしいです!!

9位:専修大学

通過した10校で最もびっくりだったのはこの専修大学でした。日本人エースの木村を筆頭に主力を複数欠いて厳しいかと思いましたが、復活を果たしたエースの高瀬が10位、日本人3番手という会心の走りを見せることに。久しぶりのレースでこれだけの走りが出来るのは力が抜けていますね。留学生のキサイサも23位とまずまずの走りを見せています。100位以内はこの2人だけだったのですが、まずはこの貯金が大きかった。


さらに、107位の水谷、117位の野下といった2年生も踏ん張りましたし、10番手の服部も171位で粘ったんですよね。100以内が少ないのであれば、崩れる選手がいると厳しいですが、10番手までしっかりとまとめ、11番手の小島も208位で凌いでいます。箱根に向けて主力が戻ってくれば、なすすべがなかった前回よりは戦えそうですし、前回の経験を活かしてほしい。

10位:国士舘大学

最後にギリギリでの通過となったのが国士舘大学、ヴィンセントが4位で走り、荻原、木榑が30位、41位で走ったまでは良かったのですが…4番手の福井が97位はまずまずも主力の1人である三代が5番手の100位ともう一歩、そして6番手は151位の清水拓まで空いてしまうんですよね。101~150位と通過に大事になってくる順位の先取が誰もいないというのは痛かったですね。


それでも、8番手の175位だった山本龍までは何とかなったのですが…9番手の中西が215位、10番手の長谷川は255位と大きく遅れてしまったことで終盤に順位を落とし、ギリギリでの通過となってしまいました。直近の記録会は上手く集団で走れていたのですが、箱根予選に合わせきれなかったのかなあ?それでも何とか連続出場は果たしましたし、箱根では修正してきてくれれば。

11位:拓殖大学

まさかの予選落ちとなってしまったのが拓殖大学、個人的には通過が有力視されている6校の1つだと思っていたのですが…拓殖も記録会にしっかりと合わせた分、箱根予選に合わせきれなかったのか…駅伝シーズンに好走していると評価は高まるものですが、どれだけ箱根予選に合わせるだけの余力を残せるかというのも大事になるわけですから、難しいです。


エースのデレセは5位でしたが、前回よりもタイムは大きく落としてしまい思うように貯金が出来ないことに。37位の合田、79位の桐山と主力たちがしっかりと走ってくれたのは良かったのですが、100以内はわずかに3人のみ。山田が118位で走ったのはまずまずも、150位以内も他に新井が走っただけで5人しかいませんからね。さらに大事な151~200位も竹蓋、冨永の2人のみで吉村、佐藤ら実績のある選手が200位オーバーも厳しかったです。タイムは伸ばしたものの、勝負レースでの強さがもう一歩だったのかな。

12位:大東文化大学

ここ2年は15位以内にも入れなかったことを考えると、12位は上出来と言えるでしょう。大野が46位で走ったのも谷口の70位も上出来過ぎる結果です。主力の1人である木山が110位、久保田が119位と日本人エース格の2人が100位オーバーだったのはもう一歩だったかなあ。同じく主力の倉田も189位に沈んでいますし、これで12位というのもなかなかにびっくり。


蟹江が95位、塩田が113位と中堅どころが100位前後でまとめてくれたのも大きかったですね。ここ2年では見られなかった走りです。ただ9番手の北川が192位、10番手の大谷が213位と大きく稼ぐ選手がいない一方で10番手も200位オーバーと耐えきれなかったのがもう一歩届かなったかなあ。一番は留学生のワンジルが大きく失速してしまい、チーム最下位の231位となってしまったことですね。全日本予選に続いての苦しい走り…結果を残せない日々が悩ましいです。

その他大学

筑波が13位だったのは十分健闘したと言えるでしょう。福谷が16位とエースが他大の日本人エースと毎年渡り合えるのが素晴らしい。5番手の69位というのは十分過ぎる結果ですよね。その一方で7番手は182位…選手層が薄い大学で前年度は小林、今年度は岩佐と主力を欠いたのが痛すぎました。筑波の育成力、特にエース育成力は素晴らしいのですが…


14位の上武はもうここら辺の順位で安定してしまっていますね。以前の専修のように…エースの村上が復活してしかも24位とよく走ってくれたのですが、3番手の92位に対して4番手が144位と大きく空いてしまいました。2~6番手がいずれも4年生ということで、また来年度に向けても厳しい戦いとなりそう。


城西が15位に沈んだのもびっくりしました。エースの砂岡は33位も続く山本唯が81位で100位以内は2人だけ…山中、野村が102位、108位と最低限の走りも7番手で193位ですから、出場争いに加わるのは難しいですよね。11番手も202位ということでこの集団がもっと上位で走ってくれないと・・・厳しすぎました。


立教は16位と大きく順位アップを果たし、いよいよ来年度は通過を現実的に狙える戦力を揃えてくるかも…4年で唯一出場の斎藤が19位とチームトップで関東連合のメンバー入りを果たしたのも来年度以降に繋がりそうです。中山以外にもルーキーの安藤、2年の関口が100位以内で走っていますし、箱根復活も近そうです。


流経大もディランゴの2位の走りに宮下も57位で走って17位とグッと順位を上げてきました。東農大は18位、慶應は19位ということで前回よりも順位は上げられず…東農大ならば高槻、並木、慶應ならば田島、杉浦ら力のある選手が稼いでくれるのですが、100位台で続く選手が少なかったかなあ。


前回18位の日大は21位とさらに順位を下げてしまうことに…ドゥングが11位で走ったものの、100位以内は他に若山のみ、200位以内でさえ西村、濱田も含めて4人しかいませんでした。300位以内も8人ですから大惨敗すぎますよね。。。日大が再び箱根に復帰出来る日は来るのか…この2年で箱根はあまりにも遠い存在となってしまいました。

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