東京五輪 男子マラソン振り返り ~大迫が6位入賞で有終の美を飾る~

東京五輪の振り返り、最後は男子マラソンを振り返ります。レース結果はこのようになっております。男子マラソンは急遽1時間前倒しとなった女子と異なって当初の予定通り7時スタート、札幌といえども蒸し暑いコンディションとなりました。中村、勇馬、大迫の3人が出場しましたが、決してハイペースでは無かった先頭集団に中村は序盤からついていかず…正確にはついていけなかったということですよね。


その後もペースアップするには至らず、落ちてきた選手を拾うのが精一杯という状況で、2時間22分23秒の62位という結果に終わりました。中村も2年前のMGCでは圧巻の2段スパートで見事に優勝を果たしましたが、その後は故障に悩まされることも多かったですからね。今年行われたニューイヤー駅伝では最長区間の4区で好走を見せて優勝に貢献したため、その時点では期待は高まったのですが、5月に行われた札幌マラソンフェスティバルに故障で参加出来なかった時点で、8月8日に万全の状態で臨むのは正直厳しいと思っていました。


女子のときにも触れましたが、やはりMGCで五輪を決めて2年間、五輪代表として過ごすのは精神的にも大変ですよね。今年に入ってからの故障はさすがに厳しすぎますよね。何とか42km走れる状態には合わせたものの、勝負できる状態にはまだ遠かったですね。


勇馬は20kmまではしっかりと先頭集団についていったものの、一度遅れるとその後は大きくペースダウンしてしまい、熱中症となってしまうことに。さらに足も痛めてしまって最後はもうジョグのようなペースになってしまったのは、見ていても辛かったですね。何とか完走こそ果たしましたが、2時間30分8秒で73位という結果に終わっています。レース後は車椅子でしたが無事な姿を見せてくれて一安心…


あのような状況になってまで完走すべきだったのかという議論は当然あるかと思います。実際、今回も3割近い30人もの選手が途中棄権をしているわけですし、服部のラストを見ていたら、棄権しても仕方ない状況だったと思いますし。もちろん、最後まで走るかどうかは本人が決めることで他人が色々言うことではないですが…今回、最後まで走りきったことで肉体的ダメージがあまりにも大きくなりすぎていないかだけは本当に心配です。中村、勇馬ともにまた元気な姿を見せてくれれば。


今回を最後に引退を発表していた大迫は唯一終盤まで先頭集団に喰らいつくことに。世界記録保持者でダントツの優勝候補と見られていたキプチョゲの抜け出し&2位集団のペースアップにはついていけませんでしたが、その後も下がるのではなく前を追い続ける積極的な走りを披露、集団に離された時点では8位でしたが、そこから2つ順位を上げて6位、一時は2位集団にも迫るなど大いに見せ場を作ってくれました。


最終的には2時間10分41秒で6位入賞、金メダルを獲得したキプチョゲは別次元の走りで2分3秒差をつけられましたが、2位とは43秒差でしたからね。素晴らしい結果だったと思います。そして、入賞後のインタビューも良かったですね。大迫が自分の走りを100点満点というのも聞いたことが無かったですし、インタビューを見ているこちらもウルっときてしまいました。


今回のレースに限らず、MGC以降もかっこよかったですよね。MGCではまさかの3位で五輪代表を決められず、他の選手の走り次第では代表の座を逃す可能性もありましたが、大迫の持つ日本記録を更新するのは容易ではなく、他の選手の結果を待つ選択肢も当然あったはずです。それが自らの手で日本記録を更新する文句なしの走りで代表を決め、最後のレースで有終の美を飾る…


佐久長聖時代から都大路で1区区間賞を獲得するなど世代トップの走りを続け、早稲田大学では3大駅伝で3冠を達成、個人でも日本選手権で五輪代表を最後まで争うまでの力を身につけ、卒業後はアメリカに拠点を移して、日本人トップの選手として世界と戦い続ける…その実績は言うまでもなく素晴らしいですし、他の選手たちに与えた影響も非常に大きかったでしょう。今回のような走りを見せられると、引退はもったいないとついつい思ってしまいますが、次の世代の選手たちの活躍を楽しみにしたいです!!

9月17日に「大学駅伝2021夏秋号」が発売されました。早速、読み漁っています。選手一覧が私は一番の目当てですが、各選手、大学の特集も読み応え抜群です。


大学駅伝2021夏秋号(陸上競技マガジン 2021年 10 月号増刊 )[雑誌]