2021年度 数字で振り返るトラックシーズン ~東海大学~

続いては東海大学について、トラックシーズンの結果を5千、1万で自己ベストを出した選手を中心に振り返ります。チームとしてはエースの台頭もありましたし、底上げも出来たトラックシーズンと言えるのではないでしょうか。ルーキーはもう一歩だったかなあという気もしますが、1年目から活躍するに越したことは無いですが、徐々に戦力となっていってくれれば。

※2021/1/1以降の自己ベスト更新を以下のルールでポイント化しております。更新した順位と人数(1,2位・・・5pt、3,4位・・・4pt、、、9,10位・・・1pt)から算出され、各部門ごとに30点満点になります。

5000m:17点(1、2、4、7、10位)

石原が13分30秒を叩き出し、ベストを21秒も更新してのチームトップタイムとなりました。1年目も大活躍でしたが、2年になってさらに強さを増しているような…大学トップクラスの1人に数えられるまでになっています。市村も13分37秒をマークしチーム2番手に。石原とは対象的に前年度は苦しみましたが、今年度の充実ぶりは目覚ましいものがあります。この二人がダブルエースとなっていますね。


さらに、溝口が13分49秒をマークしてチーム4番手、短い距離に強いですが2年生になって長い距離にも対応してくればますます楽しみになります。同じく2年の喜早が13分53秒でチーム7番手となっています。溝口も喜早もすでに複数回の13分台をマークしていますね。佐藤も13分55秒をマークしてこちらが10番手となっています。


トップ10のうち5人がベストを更新して17点となっていますが、特徴として前回の箱根に出場したのが石原しかいないことが挙げられます。市村は故障が無ければ出場していたはずですし、佐藤も出場まであと一歩だった選手ではありますが、新戦力の台頭という点では良い傾向ですよね。さらに、今年度一気に台頭しそうなのが13分57秒でチーム12番手のタイムをマークしている松尾、3部門全てで結果を残しており、3大駅伝デビューも近そうです。


他のトップ10圏外でも、箱根8区を走った濱地が14分1秒、入田が14分4秒でベストをマークしています。東海も13人も13分台のベストを持つ選手がいますからね。入田も個人的に期待している2年生の1人、石原がずば抜けていますが東海の2年生も粒ぞろいです。今年度はさらに存在感を増してきそう。

10000m:16点(1~3、9、10位 )

1万はトップ3が揃ってのベスト更新となっています。まずは市村が28分3秒でベストを2分25秒も更新してきました。元々のタイムは全く実力に追いついていないものでしたが、一気に27分台に迫るタイムをマークしています。短い距離の方が強い選手という印象でしたが、今の市村ならば距離に関わらずに活躍してくれそう。


エースの石原が28分5秒で続きます。このタイムは関東インカレ1部1万mで2位に入ったときのものですね。純粋に記録を狙うチャンスがあればさらにタイムを更新してくれそうです。勝負レースで全く外さない安定感が頼もしすぎます。まさにエースにふさわしい走りを続けています。


28分21秒をマークして3番手に入ったのが松尾、1分32秒もベストを更新しています。松尾がここまでのタイムをマークしたのはびっくりしました。こんな走りを見せられると、3大駅伝でも主要区間で見たくなってしまいますよね。関東インカレは苦しい走りになってしまいましたが、後は勝負レースで結果を残すだけかなあと。


さらに、29分1秒をマークした竹村が9番手、29分2秒をマークした入田が10番手ということで、5千同様に1万でも5人がベストを更新しています。竹村は箱根10区を走っている選手ですし、28分台も間近です。入田は5千とともにベストを更新しているのが良いですね。トップ10圏外では、主将の本間が29分14秒のベストをマーク、同じく4年の中嶋も29分23秒で走っています。また、入学前ですが1月にルーキーの徳丸が29分24秒をマークしています。


5千同様に1万も自己ベストを更新する選手が多く現れました。5千、1万で揃ってベストを更新しているのが石原、市村、松尾の1万トップ3に入田と1万のトップ10だけで4人もいるんですよね。もちろん良いことではあるのですが、トラックシーズンで結果を残した選手と苦戦した選手で明暗がはっきりと分かれてしまった気も…

総評

関東インカレでは5千で市村が5位入賞、1万で石原が2位とダブルエースが揃って結果を残しました。石原はロードで抜群の強さを見せていましたが、トラックでもやはり強い。市村も4年生になって安定感がグッと増してきました。一方で気になるのはハーフで苦戦したところかなあ。竹村、入田、松尾というまさに今年度駅伝メンバーで活躍してほしい3人が起用されましたが、最も良かった竹村でも16位ということで全体的に奮わず…駅伝シーズンに向けてやや不安の残る走りだったかなあ。


5千の17点は9位タイとなっています。ちょうど前回取り上げた国士舘大学と一緒ですね。トップ2を含む5人ベスト更新は決して悪くはないですが、5千は20点を超える大学も多かったですから。タイムは13分52→13分49秒と3秒縮めて5位は変わらず。13分40秒台でも5位というのが恐ろしいです。


1万の16点は単独5位となっています。好条件の記録会が少なかった1万でトップ3が揃ってベスト更新というのは大きく、やはり上位にきますね。タイムも29分0→28分40秒と20秒も縮めており、7→5位と2つ順位を上げています。5千も1万もだいぶ4位以内と差が縮まってきていますが、ここからさらにタイムを縮めるのは容易ではないですね。合計の33得点は6位タイとなっており、5千も1万も上位陣の自己ベスト更新が目立つ結果となりました。


3大駅伝に向けては、石原、市村に続くエースが台頭するかどうかが大きく成績を左右することになるでしょう。箱根終了時は石原が抜け出た絶対的エースになりそうかと思っていましたが、市村が一気にエースの仲間入りを果たしたのは非常に大きいです。しかし、出雲も全日本も3本柱がとにかく大事になってきますからね。もう1人抜け出てくる選手がいれば、選手層は厚くなっているだけに楽しみな存在となりそうです。トラックシーズンは目立った走りを見せられなかったルーキーも駅伝シーズンで1人でも戦力となってくれれば。また上位戦線を賑わせて欲しいです。

9月17日に「大学駅伝2021夏秋号」が発売されました。早速、読み漁っています。選手一覧が私は一番の目当てですが、各選手、大学の特集も読み応え抜群です。


大学駅伝2021夏秋号(陸上競技マガジン 2021年 10 月号増刊 )[雑誌]