2020年度 1万m持ちタイム遷移 ~その2~

続いては1万mで来年度の順位が9~16位の8校について、2020年4月1日(今年度開始)、2020年3月28日(今年度最終版予定)、2021年4月1日(来年度開始)の3つのポイントで持ちタイム遷移を振り返りつつ、来年度の戦力を見ていきます。新入生を全員把握しているわけではないので、多少は誤差があるかもしれません。

大学名 20/04/01 21/03/28 21/04/01
神奈川大学17位29:19.2916位29:01.299位29:06.10
東洋大学13位29:11.9513位28:56.6610位29:06.53
國學院大學18位29:22.0712位28:55.9011位29:06.55
大東文化大学21位29:29.6220位29:11.7212位29:07.06
中央学院大学7位29:03.8114位28:57.8013位29:07.72
日本大学5位29:02.3610位28:55.1314位29:09.00
拓殖大学19位29:23.0519位29:05.0715位29:10.94
創価大学14位29:13.5111位28:55.6316位29:12.24
9位:神奈川大学

今年度開始時点では17位、現時点では16位と1つ順位を上げてきました。タイムも18秒縮めているのでまずまずですかね。28分台のベストを出したのは西方だけですが、29分1桁で宇津野、島崎、落合らがタイムを縮め、29分前半のベストを出す選手も多かったです。28分台が4人いて、10番手でも29分17秒ですからレベルは高いです。


来年度は9位ということで7つも順位を上げることになります。トップ10のうち、28分台のベストを持つ北崎、小笠原が抜けるのですが、エースの井手はトップ10外だったこと、新たにトップ10に入る選手も29分前半のベストを持っていることもあってダウンは5秒に留まっています。トップ10は新2,4年生が9人を占めることになりますが、新入生もすでに園田、小原が29分台のベストを持っていますし、箱根で快走した佐々木はまだトップ10に入っていませんからね。下級生を中心にまだタイムを伸ばす余地は大きそうで楽しみです。

10位:東洋大学

今年度開始時点でも現時点でも13位と他の箱根上位校に比べても持ちタイムは決して良くは無いんですよね。今年度も15秒タイムを縮めたに留まります。西山が28分3秒をマークし、29分1桁のベストを出す選手も清野、町、九嶋、小田と多かったのですが、他の上位校に比べてもタイムはやはり物足りない…もちろん、持ちタイム以上に力のある選手が多かったのも事実なのですが。


来年度は3つ順位を上げて10位とトップ10には戻っていました。トップ4のうち西山、吉川、野口と3人が抜けるのですが、新入生の石田が28分37秒でいきなり2番手に入ることに加え、29分10秒台、20秒台の選手が多いこともあって、来年度も10番手は29分23秒と現時点と大きく変わらず、持ちタイムも10秒下がるのみです。さらに、東洋はタイム上昇の余地が非常に大きいチームです。


箱根2区を快走した松山はまだ大学で1万を走っていませんし、1区で好走した児玉もギリギリ30分切りという状況。全日本で好走した腰塚、箱根で好走している蝦夷森もトップ10に入っていませんし、主力どころがどれだけ1万でタイムを縮めるかにも注目です。

11位:國學院大學

今年度開始時点では18位だったのですが、現時点では12位ということで6つも順位を上げてきました。タイムも27秒縮めていますから大きいです。中西大、藤木、河東、木付と28分30秒切りのベストを出した選手が4人もいてトップ4を占めているわけですから、当然タイムは縮まりますよね。その一方で他のトップ10は臼井がベストを更新したくらいで、10番手も29分31秒に留まっています。それでいて、これだけタイムも順位も縮めるのは凄いですが。


来年度は11位ということで1つ順位を下げることになります。トップ10のうち河東を含め3人が抜けますからね。29分30秒台の選手は多く、10番手でも29分35秒では留まりますが、11秒タイムは下がることになります。エース級は順当にタイムを伸ばしているのですが、箱根で好走している殿地や1年ながら活躍した伊地知はトップ10に入っていません。


そして、國學院史上最強と言われる新入生も1万のタイムは持っていませんからね。5千のベストからすれば1万も一気にタイムを伸ばしてきてもおかしくないですし、4番手の島崎と5番手の藤本が40秒も空いているというのも、タイム上昇の余地が大きいです。来年度、どれだけタイムを伸ばせるか楽しみ。

12位:大東文化大学

今年度開始時点では21位、現時点では20位と1つ順位を上げています。18秒タイムを縮めているのでまずまずというところかな。28分台のベストをマークした倉田を始め、2~6番手の選手が揃ってベストを更新していますからね。ただ、その中で箱根予選でしっかりと走れたのが4年の三ツ星だけというのもまた厳しい事実ではありますが…29分10秒台のベストを出す選手は何人もいるのですが、勝負レースとなるとまだまだ苦しかった印象。


来年度は12位ということで順位を8つも上げることになります。そもそも、現時点で29分11秒というタイムが来年度は29分7秒ですから4秒逆に上げることになるんですよね。トップ10のうち、抜ける4年生が三ツ星、吉井の二人だけというのもありますが、大東大史上初の留学生が加わり、28分25秒と早速チームトップのタイムを有していることが大きいです。10番手も29分32秒ということで今年度とあまり変わらないですしね。


三ツ星、吉井と箱根予選で好走している選手が抜けるのはタイム以上に痛いですが、それ以上に新留学生の存在は大きいでしょう。この2年はあまりにも箱根は遠いものになってしまっていますが、新2,3年生を中心に選手は揃っていますし、次はタイム通りの走りを箱根予選でも見せられるかどうかですね。

13位:中央学院大学

今年度開始時点では7位だったのですが、現時点では14位ということで7つも順位を下げてしまいました。タイムもわずか6秒しか更新出来ておらず、これは全大学を見渡してもワースト3に入るくらい更新出来ていないことに…高橋、武川が28分台のベスト、松島、畝らも29分1桁のベストはマークしているのですが、元々がハイレベルですから、平均タイムを大きく縮めるには至らずでした。


来年度は13位ということで1つ順位を上げることになります。トップ10のうち4人が抜けることになるのですが、うち3人はチーム7~9番手で来年度も10番手は29分30秒ですからね。持ちタイムのダウンも10秒にとどまっています。持ちタイムを見る限りはやはり箱根予選落ちする戦力では無いですよね、今年度も来年度も…ただ、来年度もタイムの伸びしろとなると、堀田兄弟や吉田ら新入生以外はある程度タイムをマークしている印象…新戦力の台頭も待たれるところです。

14位:日本大学

今年度開始時点では5位だったものの、現時点では10位ということで5つ順位を下げています。タイムも7秒しか縮められていませんし、中央学院同様に箱根予選で苦しんだ大学は1万のタイムをあまり伸ばせていないという傾向も…樋口、松岡、小坂と28分台のベストをマークした選手はいるのですが、続く選手たちは29分30秒台まで見ても自己ベストを伸ばせていないんですよね。一部の主力を除いて全体的に奮わなかった印象。


来年度は14位ということで4つ順位を下げることになります。横山、武田らトップ10のうち4人が抜けますし、タイムも14秒下がることに。10番手は29分41秒でそれほど悪くはないのですが、今年度タイムを伸ばせていないのは気になりますよね。4番手の小坂と5番手の若山は30秒近いタイム差があり、ドゥング、樋口、小坂、松岡の4本柱と続く選手の戦力差が持ちタイム上からも伺えます。下級生はまだ1万をほとんど走っていませんし、中間層の戦力アップに下からの突き上げも必須かなあ。

15位:拓殖大学

今年度開始時点では19位、現時点でも19位と順位は変わらず。タイムは18秒縮めています。今年度は吉原、合田が28分台のベストをマークしたり、29分台前半のベストを出す選手も多かったですからね。10番手が29分25秒というのはこれまでの拓殖ではなかなか考えられなかったことでは。個人的には記録会に出場して自信を得るのも大事ですし、どんどん記録会に出場して欲しいという思いもあります。


来年度は15位ということで4つ順位を上げることに。タイムも5秒しか落ちません。トップ10の4年生は吉原、石川と2人しかいませんし、2,3年生が着実にタイムを縮めていますからね。10番手も29分43秒、29分30秒切りも9人残ります。トップ10外でも竹蓋や桐山ら新4年生はタイムを伸ばせそうですよね。気になるのは新2年生ですかね。トップ10も3大駅伝・予選会にエントリーされる選手も出てきておらず…新入生も含めた下級生の台頭は今後を見据えても大事になりそう。

16位:創価大学

今年度開始時点では14位、現時点では11位と3つ順位を上げています。箱根で大活躍を見せた創価も持ちタイムは目立ったいませんが、非公式で28分台のベストを出した選手が何人もいますし、箱根を見ても持ちタイム以上に力のある選手は非常に多かった。27分台をマークしたムルワ、28分台の福田、右田に29分前半のベストを出す選手も多く、10番手でも29分21秒です。1年が3人トップ10に入ってきたのも来年度に向けては大きいかなあ。


来年度は16位ということで5つ順位を下げることになります。トップ10のうち4人が抜けますし、さらに箱根9区区間賞の石津もいなくなるわけですから、戦力ダウンは大きい。持ちタイムでも17秒下げることになります。チーム2~4番手がいずれも4年生だったこともあり、来年度は28分台がいないんですよね。2番手は29分1秒を持つ嶋津です。ただ、タイムを伸ばす余地としては非常に大きく、トップ10の嶋津、葛西は公式の28分台もすぐにマーク出来るでしょうし、トップ10圏外にも山を走った三上、濱野らがいますし、さらに新潟ハーフで好走した緒方はまだ1万は30分台です。


主力どころが軒並み実力に持ちタイムが追いついていないですし、主力の自己ベストラッシュも見てみたいです。来年度の箱根に向けては、今年の箱根を走った選手以外の台頭ももちろん必須ですが。

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