東海大学 来年度の箱根駅伝(2022)へ向けて

経験値

続いては箱根で5位となった東海大学について見ていきます。3大駅伝経験者は12人、来年度は9人残ることとなります。数字だけ見ると3人抜けるだけかと思いますが…塩澤、名取、西田の3本柱が抜けるわけですから人数以上にその影響は甚大。全日本で主要区間の3,7,8区を、箱根で1,2,5区を走った選手が抜ける影響は新しくチームを作り直す必要があるほどです。


3大駅伝で好走経験者となると、まずは来年度のエースとなるであろう石原が全日本・箱根ともに区間賞という圧巻の走りを披露、最も計算出来る選手です。さらに、川上が6区5位で走っていますね。前年度は市村が出雲で4区2位、箱根では松崎咲が7区3位で走っており、復活が待たれる選手です。全日本では本間が5区4位、長田が6区区間賞を獲得しており、6人が3大駅伝で5位以内で走っているのは心強いですね。


さらに、箱根4区を走った佐伯、8区を走った濱地、10区8位の竹村らがいるわけですから、3大駅伝の経験者は十分揃っているんですよね。ただ、今年度の箱根で5位だったこと、4位以内の大学がいずれも戦力ダウンが東海ほどではなく、更に6位の早稲田、7位の順大も同様であることから、相対的に東海の評価がやや下がってしまっているという状況かなあ。それだけ、黄金世代、3本柱が偉大な存在だったとも言えます。

新戦力

まずは新入生が非常に強力なのが頼もしい。持ちタイムでトップ10に入ってくるのは13分48秒を持つ徳丸、13分53秒を持つ越の2人。徳丸は都大路で1区4位の好走、越も3区6位で走っており、長距離区間を好走しているのも強みで、即戦力として期待されます。もちろん、2人だけではありません。


持ちタイムを見ると、14分0秒を持つ五十嵐、14分5秒の梶谷、14分8秒を持つ水野と13分台が2人に14分1桁が3人もいます。特に梶谷は都大路で1区6位と素晴らしい走りを見せており、1万でも29分32秒を出すなど徳丸、越に持ちタイムで劣るものの、1年目から活躍出来るのでは…現1年生も力のある選手が揃いますが、新入生はさらに上回る世代となるかもしれません。


3大駅伝のエントリー経験者は17人と非常に多いです。中嶋は持ちタイムをグッと伸ばして箱根にエントリーされましたし、最後の箱根で出場する可能性もありそうですし、全日本・箱根ともにエントリーされた佐藤は3大駅伝未経験者の中で最も出場が近い選手なのでは。1年生では、全日本にエントリーされた喜早、入田が特に2年目に期待かなあ。喜早は高校時代の実績が豊富で5千で13分台、1万で28分台のベストをマークしていますし、入田も条件の悪かった東海大記録会で29分9秒を出しているんですよね。石原に続く選手もどんどん出てきそうです。


さらに持ちタイムでは溝口が5千で13分54秒、宇留田が1万で28分47秒、神薗が28分42秒とともに28分台のベストを出している選手もいますし、3大駅伝未エントリーながらタイムを伸ばす選手がどれだけメンバー争いに加わってくるかも東海大の選手層を左右しそうです。エース力は今年度に及ばなくても、総合力では上回ってきてもおかしくないかなと。

展望

箱根に向けての課題は明確で、往路をどうするかということになります。経験者は石原と佐伯の2人残っていますが、区間19位だった佐伯を再びの往路は相当結果を残さない限り、正直怖い…仮に石原が2区を走るとすれば、1,3,4,5区は全て未定という状況ですからね。箱根で7位以内だった大学は最低でも3区間は好走者が残るという状況ですし、往路を安心して任せられる選手がどれだけ育成出来るかが東海の成績に直結することでしょう。


まず候補として挙がってくるのは当初1区予定だったという市村になるでしょうか。本人は単独走の方が得意という話をしていましたし、全日本の走りを見る限りはちょっと不安な気もするのですが、それだけ信頼もあるということでしょうし、箱根までの走りも大事になってくるでしょう。もちろん、1区を任せられるのであれば心強いです。復活が待たれるのは松崎咲ですね。ロードでは高校でも大学でも強さを既に見せており、万全であれば往路を走ってもらわないと困る選手。下りが強い石原が2区以外ならば、松崎に任せるのもありかなあと思ってしまうほどです。


現3年生では本間、長田らが強さがありますが、どちらかといえば復路の方が良さそうな気が…一人でも長い距離を淡々と走れる印象なので。となると、現1年生と新入生から往路を走れる選手の台頭が学年バランスを見ても理想的かなあ。個人的に1年で最も期待しているのは入田、ついで喜早かなあ。石原というエースの存在がこの学年のレベルを高めていってくれそうなんですよね。往路を走った佐伯が悔しさをバネにさらに飛躍してくれれば、再度の往路もあるでしょうし。


新入生は徳丸、越、梶谷あたりは1年目から箱根を走ってもおかしくないでしょうし、往路に抜擢されることもあるかも。1,2区はルーキーに任せるのはリスクが高いと思っているので、3,4区を担えれば…そして、往路の中でも不安なのは5区ですね。西田が3年連続担っていた区間、誰に任せるのか…新戦力に任せるのか、よくある8区→5区コースで濱地というのもありえますし、今年度の主力では明確に5区を希望していた選手はいなかったようですが、出来れば主力級から選びたいところではあります。


復路は往路と比べて大きな不安はないかなあ。前回の復路経験者が残りますので同じ布陣で臨むことも可能ですし、6区で好走している川上の存在は大きいです。本間、長田らが再び復路となると、今回走った濱地、竹村らに先述の入田・喜早・佐伯ら現1年生、越、徳丸、梶谷ら新入生も往路が無理なら当然復路での出場を狙ってくるでしょうし、選手層の厚さという点では心配はいらなそうです。


復路に心配がないとなると、往路でどれだけ粘れるかが箱根の成績に直結することになります。箱根では7年連続シード、うち6回は6位以内で走り、優勝1度、準優勝1度と着実に力をつけてきました。現実的に狙うのは今回の箱根順位である5位以内ということになるかなあ。来年度、チーム力がさらに上がってくれば前回以上の結果も狙えるでしょうが、戦力ダウンが相対的に大きいことを考えると、現状では前回と同じ順位ならば上出来だと思います。下級生を中心に楽しみな選手がずらっと揃っていますし、3本柱が抜けてもやはり東海は強いという結果を残してくれれば。

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