日本体育大学 来年度の箱根駅伝(2022)へ向けて

経験値

続いては箱根では14位、来年度は箱根予選からとなる日本体育大学について見ていきます。3大駅伝経験者は16人いますが、来年度は5人になってしまいます。4年生の3大駅伝経験者が11人…抜ける穴の大きさを改めて感じます。5人というのは、今年箱根出場した20大学の中でも最小ですからね。2番目に少ない大学でも7人ですから、3大駅伝の経験値という点ではかなり厳しい状況。


また、箱根で好走経験があるのも、1区8位だった藤本くらいということで、新エース藤本に次ぐ選手が待たれるところ。3大駅伝の経験では、ともに28分台のベストを持つ大内宏が3度の3大駅伝、名村が2度の出場を果たしており、準エースとなってくれれば。村越も箱根で山登りの5区を任されており、走りは苦しかったものの5区経験者がいるのは大きいです。


箱根予選の経験者となると、岡嶋、佐藤、盛本の3人がいますが、佐藤は前年度にチーム11番手、今年度は岡嶋が9番手、盛本が12番手ということでいずれもチーム下位だったのは気になるところ。ただ、盛本は前年度の箱根予選は6番手の66位で走っているんですよね。今年度はやや奮いませんでしたが、チームに3人しかいない箱根予選を2度経験している選手ですし、来年度に期待したいところ。

新戦力

3大駅伝・予選会にエントリー経験がある選手を見ていくと、まず期待したいのは1年生ですね。3大駅伝・予選会に誰も出場出来なかったのは残念ですが、水金は5千、1万と着実にタイムを縮め全日本でメンバー入り、この学年で最も高校ベストの良い漆畑も同様に全日本でメンバー入りとなっています。箱根予選・箱根ともにエントリーされていないところを見ると、長い距離はまだ厳しかったのでしょうが、来年度はエントリーだけではなく出場も果たして欲しいところ。


4年生の抜ける穴が大きい一方、新入生は楽しみな選手が揃いました。持ちタイムを見ても、14分5秒を持つ植松、14分8秒を持つ田中、14分13秒の西槇、14分14秒の渡野といきなり4人が5千の持ちタイムでトップ10に入ってきています。これは箱根に出場した大学で最多タイとなっています。田中は都大路で6区5位、植松も6区7位とともに一桁順位の好走を見せています。


また、西槇は5区15位、渡野は3区28位と4人とも今年度の都大路に出場しているのも頼もしいですね。また、田中、植松、渡野はいずれも1万で29分40秒前後のベストを既にマークしているのも心強い。さらに持ちタイムでは4人に劣るものの、分須は3区20位、杉本は2年時に3区43位とともに長距離区間を走っている選手もいます。来年度に向けては大エースよりも人数が必要という状況でしたから、現4年生と入れ替わりで入る学年としてはかなり理想的と言えるのでは。


もちろん、来年度の命運を下級生に任せるわけにもいきませんし、現2,3年生から戦力となる選手が1人でも多く出て欲しいところ。持ちタイムをどんどん伸ばしている選手では、3年の齋藤、續木、2年の九嶋らが29分30秒切りのベストを出していますし、来年度メンバー入り、3大駅伝を狙う選手は多いんですよね。4年生の抜ける穴が最も大きい大学の1つである日体大にとってこれは頼もしいです。

展望

初出場から最も長い間連続出場を続けている日体大、この20年間で8度箱根予選に出場していますがいずれも6位以内と全く危なげなく通過を果たしています。日体大の箱根予選への安心感はずば抜けたものがありますが、やはり不安なのは何度も記載しているとおり、4年生が抜ける影響です。エースの藤本は2年連続で好走しているので何も心配いらないとして、続く選手たちですよね。


箱根予選で2桁順位で走っている大内宏や盛本はさらに順位を上げてほしいですし、箱根を経験している村越、名村もチーム上位で計算したい選手たちです。まずは、3大駅伝経験者が中心に活躍してもらわないことには始まりません。さらに岡嶋、佐藤ら経験者にも続いてもらうとしても…やはり新戦力の台頭は必須です。


新入生は楽しみですが、少なくとも箱根予選でいきなりルーキーに頼るのは危険ですからね。多くても2,3人走るのが良いかなあと。ここに持ちタイムを伸ばすなど力をつけてきている2~4年生が選手層を厚くしてくれるのが理想かなあ。例年に比べると箱根予選は万全とは言えないと思いますが…連続出場を止めるわけにもいきませんし、日体大のことですからまたしっかりと中位以上で通過してくれるのでは。


箱根では藤本が今度はエース区間の2区を担うことになるのかなあ。というか、現状は他に任せられそうな選手がいませんからね…そして、5区に経験者の村越というのが基本となるか。往路の2大重要区間をまずは決めるのが大事ですし。他に往路候補となると難しいです。そもそもこの3年間、往路で1桁順位で走ったのは池田と藤本だけですからね。それが、日体大が3年連続でシードを逃す原因にもなっている。


往路で出遅れて、復路で多少巻き返すもののシード争いには加われないという状況が続いています。そのためにも、往路を区間中位、出来れば1桁で走れる選手が1人でも出てきて欲しいところ。ただ、箱根経験者の大内宏や名村は復路でも苦戦していますし、往路となるとさらに厳しい戦いになる可能性は高いですから、相当力をつけてくれないと厳しいかと。それは箱根に出場出来ていない他の選手も同様です。新戦力、特にルーキーから往路を走れる選手が台頭してくれれば非常に大きいです。


復路も経験者は大内宏と名村の2人のみ。こちらも新戦力の台頭は必須。ルーキーは1人は走ってもらうとして、やはり最上級生が大事になりますよね。3大駅伝の中でも特に箱根は4年生の力が大事になってきますし。全日本経験のある加藤や齋藤、續木、山下ら持ちタイム上位勢、岡嶋、佐藤ら箱根予選経験者らが選手層をグッと厚くしながら、複数人が出場を果たしてくれれば。


現状では箱根予選から簡単にはいかないであろうという状況で、箱根出場を果たしたとしても4年ぶりのシード獲得はまだまだ険しい状況となりそう。しかし、ようやく監督問題も落ち着き、自己ベストを連発するなどチームとしては今年度もしっかりと力をつけてきていますし、日体大は一気に成績を伸ばしてくることが何度もありましたからね。来年度、4年生が抜けた穴を感じないどころか、さらに強いチームを作って箱根でも結果を残してほしいです。

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