駒澤大学 来年度の箱根駅伝(2022)へ向けて

2022年3月5日

経験値

続いては箱根で13年ぶりの優勝を果たした駒澤大学について見ていきます。3大駅伝経験者は14人いますが、来年度には9人に減ることとなります。最後の箱根こそ1人しか出場していない学年ですが、下級生の頃から主力として活躍した選手も多く、5人全員が箱根を含む複数駅伝に出場、やはりこの学年が抜けることによる影響は小さくありません。


箱根優勝メンバーが9人残っているのは、駒澤の大きな強みでしょう。他に3大駅伝経験者もいないですし、まずはこの9人が中心となってくるかなあ。3大駅伝の好走経験となると、、、箱根で5区4位の鈴木芽吹、6区区間賞の花崎、7区4位の花尾、8区4位の佃、10区区間賞の石川の5人が区間5位以内で走っています。区間賞が2人いること、5,6区の好走者がいるのは心強い限りかな。


全日本では5区2位の酒井、6区4位の山野、8区区間賞の田澤がいずれも区間5位以内となっており、9人中8人は3大駅伝で好走経験があるというのは頼もしいです。3年生が箱根で揃って結果を残せるほどに力をつけたこともあり、1~3年は3人ずつの経験者となりました。持ちタイムでは1年生がずば抜けてはいますが、特定の学年に頼りすぎなくなり、さらにいわゆる谷間の学年も無くなったことで、チームバランスも良くなりました。

新戦力

3大駅伝のエントリー経験者となると、一気に増えて17人となります。これは全大学を見渡しても東海と並んで最多タイとなります。最も多いのは2年生なんですよね。最多の7人がおり、エントリーのみの選手も中島、小野、皆木、円と揃っています。いずれも持ちタイムは悪くはないのですが、まだ安定感に欠けるという印象。ここから、抜け出す選手が出てきて欲しいですね。


ルーキーは、1万で28分20秒を持つ青柿、28分30秒を持つ赤津に、全日本、箱根ともにエントリーされた唐澤がおり、3大駅伝出場に近いと思われる選手が揃っています。特に青柿、赤津は持ちタイムでチーム上位の選手ですし。3年生は蓮沼が唯一全日本に果たしていますが、短い距離に強い選手ですし、箱根に向けては厳しそうかな。


新入生は、13分59秒のベストを持つ佐藤が唯一持ちタイムでトップ10に入ってはいますが、現1年は別格として、現4年と比べてもやや劣る印象かなあ。都道府県対抗が無かった今年度は都大路の成績が大きな指標となり、1,3,4区で上位で走った選手、特に1区で上位の選手が即戦力となることが多いのですが、1,3,4区で好走した選手はいなそう。1区を走った亘理は33位でしたし…


2区5位の吉本や11位の小牧といった持ちタイム上位の選手が最短区間の2区を走っているのも気になるところ。むしろ、7区7位で走っている宮川や2年時に6区4位で走っている庭瀬の方が現時点ではロードで力があるのかも。吉本はU20日本クロカンで15位と上々の走りを見せているのは良いですね。即戦力となる選手は少ないかもしれませんが、特にルーキーに頼らないといけない状況ではないので、問題は無さそう。

展望

箱根連覇への道が険しいことは間違いないでしょう。まず、往路は区間配置にもよりますが、現状は田澤と芽吹が走る区間以外は不安は拭えません。最大のカギは1区でしょう。中村が卒業後の6年間で満足のいく結果だったのは片西が3年時に3位で走ったときくらいかな。この際は1区にエースを起用した結果、総合12位とシード落ちになってしまうわけですが…


少なくとも、来年度の1区にエース級を起用することはないでしょうから、1区を安心して任せられる選手が出てくるかは駒澤の成績に大きく影響を及ぼしそう。1区を走った白鳥に再度託すのか、箱根経験者に任せるのか、新戦力に託すのか・・・新たな候補がいなければ、準エース級に任せるのが良さそう。さらに、2区、5区をを再度田澤、芽吹に任せるのかも気になります。


田澤はやはり上りが得意とは言えず、3区が合っていそう。監督の采配としては、再び2区を任せる気もしますが・・・芽吹も正直5区を他に任せられる選手がいれば、2区か4区を任せたい気もします。往路の2大重要区間にダブルエースを起用するのは至極当然なのですが、もったいなさも感じます。他の往路候補としては、経験者である酒井の他、復路を走った花尾や山野も候補になってくるのかな。個人的に3年生トリオはそのまま復路が良いかなあと思うので。


もちろん、往路を任せられるような新戦力の台頭があれば、チームにとって非常に大きな存在となります。特に田澤・芽吹に次ぐエースの存在は、来年度の3大駅伝優勝を狙うチームにとっては必須かと。出雲、全日本のいずれも3本柱がいるチームが強いですから。往路には不安が多い一方で、復路は心配は無さそうです。まず、今年度の経験者は全員残りますからね。


6区は区間賞を獲得した花崎が健在で不安は無し、佃も5区を任されない限りは引き続き8区で良さそう。石川が10区はもったいない気がするので、個人的には9区が良さそうかなあ。花尾か山野のいずれかは往路を走れるようになってほしいかなあと。空いたところに新戦力が入ってくるというのが自然なように思えます。


経験者が9人残る来年度は箱根でも優勝候補の1校となることは間違いないでしょう。それでも、この3年は連覇を達成する大学が出ておらず、2度目の連覇というのは非常に困難なのもまた事実です。平成で一時代を築いた駒澤が、令和でもまた時代を作ることが出来るのか。今年度の箱根は正直展開に恵まれた部分がありましたし、来年度は今回の経験を活かし、また優勝を狙えるチーム、連覇を達成できるチームを作り上げていってほしいです。

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