山梨学院大学 来年度の箱根駅伝(2022)へ向けて

経験値

続いては箱根では19位、来年度は箱根予選からとなる山梨学院大学について見ていきます。3大駅伝経験者は15人おり、来年度は10人となりますから5人が抜けることとなります。それでも、3大駅伝経験者が10人というのは全大学を見渡してもトップクラスの人数となっています。ただ、これは必ずしも良いデータというわけではなく、松倉、坪井、橘田といった箱根予選でチーム上位に入った主力たちが全日本に出場しながら、箱根には故障まって出場出来なかったことから、駅伝経験者が増えているというのが実情です。


さらに、シードを狙うとなると区間中位で走れる選手をどれだけ揃えられるかというのが大事になってきます。区間中位というのは、9~12位くらいかなと定義します。このくらいの順位で走れれば、少なくともシード争いにおいて差をつけられるというケースは少ないですからね。しかし、箱根で区間中位以内で走っているのは、4区区間賞だったオニエゴと4年生で6区を走った日影だけ…箱根での好走という経験値はほぼ無いことがデータ上は伺えます。


さらに区間下位を17~20位と定義すると、区間下位で走るとシード争いからは遅れてしまい、この順位が続くと総合でも17位以下に沈みやすいですが…10区間中6区間で18位以下に沈んでいます。さすがに、これだけ区間下位となる区間が多くなってしまうと、総合19位というのもやむなしかな。全日本でも一桁順位で走った選手はオニエゴを除くと4年の瀬戸、森山だけですからね。


しかし、箱根予選まで広げるとまた話は違ってきます。今年度の箱根予選で山梨学院は通過が厳しいかなと思った一番の理由は箱根予選で二桁順位で走った経験のある選手が誰もいなかったから。箱根通過を目指すには、まずは稼ぐべき選手がしっかりと貯金を作ること、1人でも多く二桁順位で走ること。10番手が100位以内ならば予選落ちする可能性はほぼ無いと言って良いでしょう。そして、151位以下をいかに少なくするかの3つが大事になってくるかと。


これまでの傾向を見ても、150位以下の選手が3人以上いると相当通過は厳しくなる印象。大きく稼ぐ選手が複数いればまた話は変わってきますけどね。200位オーバーが複数いると、よほど他の選手が良くない限り、ボーダーからも離されることが多いです。今年度の山梨学院は8人が100位以内というのは前年度を考えれば見事な走り、うち4人が来年度も残ることとなります。箱根予選経験者も9人残り、来年度に向けても頼もしいデータでは。

新戦力

3大駅伝・予選会に出場経験のある選手は12人、それ以外の選手を見ていくと…3年の矢島や2年の伊東が今年の箱根16人に入っている選手、ともに1万のベストは29分台で今回の箱根が初エントリーとなりましたが、長い距離はまだ未知数な部分が多いですが、まずは箱根予選から走って欲しいところです。


他にも、全日本・箱根予選でメンバー入を果たした小野寺や全日本でメンバー入りを果たした北村がいます。特に北村は1年ながら29分39秒までベストを縮め、新本・島津という往路を担った2人に続いて欲しいところ。持ちタイムでは、1万で29分35秒をマークした岩谷がぐっとタイムを縮めてきました。一気にタイムを伸ばしてくる選手も最近は出てきていますし、メンバー争いも楽しみです。


持ちタイムでトップ10に入る選手はいませんが、新入生は14分20秒台が5人と例年と同様かやや多めかなあ。14分30秒台も6人と既に判明している選手だけでも14分40秒切りが11人となっています。今年度台頭してきたルーキーでも新本は14分30秒台、島津と北村は14分20秒台のベストですし、新入生も1年目から台頭する選手が複数出てきて欲しいところ。村上、橘田ら都大路を経験している新入生に特に期待かな。

展望

まずは2年連続の箱根予選突破を狙うこととなります。オニエゴも箱根4区区間賞を獲得するまでになりましたし、ムルアとどちらがきても大きく稼いでくれることになりそう。となると、日本人選手が今年度と同じように上位でこれるかが鍵になります。松倉、橘田といった50位以内に入った選手、坪井や新本にも今年度以上の走りが期待されます。


ただ、箱根予選を走った12人中6人が抜けることもあり、少しでも噛み合わないと再び箱根予選落ちという可能性もあり得るかと。万全であれば主力の1人である渡邊や箱根予選を走らずに箱根出場を果たした星野、篠原、島津といった下級生が箱根予選でどれだけ走れるかも気になります。今年度の箱根予選はやや出来すぎかなという気もしてしまって、全日本や箱根の走りを見ていると、現状からすると来年度の箱根予選もボーダーを争う1校という印象です。ここから、また一気に戦力アップする可能性ももちろんありますが。


箱根出場を果たしたとなると、留学生は素直に2区を任せたほうが良さそうかなあ。正直4区に温存しても18位と大差の19位では、良い位置で走るというアドバンテージをチームにもたらすことが今年度は出来ませんでしたし。となると、大事になるのは前後の1,3区を走る選手ですよね。揃ってルーキーに任せざるを得ない状況では、正直1月2日を迎えた状況で勝負にはならなかったかなと。


新本や島津ら今回悔しい思いをした選手、松倉、橘田、坪井といった箱根に出場出来なくて悔しい思いをした選手たちが往路でも中位で走れるようになると、もう少し勝負出来る位置でレースを進められると思うのですが…また、これまでの実績からしても、5区15位だった星野はそれほど悪く無いと思うんですよね。今回の経験を活かしてさらに走力アップすれば、区間中位で山をまとめられそうな気も…


現状、箱根に連続出場出来たとしても過去3大会でいずれもワースト3から抜け出せていない状況を考えると、そうそう状況を好転させるのは容易では無いでしょうが…まずは箱根連続出場を続けることが大事になりますからね。箱根出場を逃してしまうと、どうしても負のサイクルに陥りやすくなりますし。1年で箱根復帰出来たのは大きな収穫だと思いますし、まずは箱根予選を連続で突破を果たし、徐々に力を蓄えていってほしいです。

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