駒澤13年ぶり箱根優勝までの軌跡 ~その3~

2016年

2015年度は優勝争いというよりも、過去5年間の3大駅伝で1度しか逃していない3位以内を守れるかどうかが焦点だったように思えます。出雲は5区終了時ではトップでしたが、一色を擁する青学、ニャイロを擁する山梨学院に逆転されたの3位…中谷がエースになったとはいえ、総合力ではやはりここ数年と比べて劣る印象だったかなあ。青学が箱根に続いて強さを見せての優勝でした。


駒澤は苦戦しましたが、個人的におおっと思ったのが全日本、優勝候補の大本命だった青学を抑えて東洋が優勝を果たしたんですよね。1区から勇馬、弾馬、口町の3連続区間賞に最後は上村が逃げ切っての優勝…ミスさえしなければ、あの圧倒的な戦力を誇る青学にも勝つ可能性はあると希望を与えてくれたような気が…


東洋黄金時代には嫌というほど箱根でやられた相手ですが、青学という更に強大な敵が現れると、ともに強敵に挑む東洋は良きライバルみたいな印象に(笑)今年の往路が終わった後も駒澤が勝てないなら東洋に勝ってほしいと思ったくらいです。


東洋が初優勝した後に酒井監督が嬉し泣きをしていたのもグッときました。東洋と駒澤で覇権を争っていた時、極論を言えば東洋は全日本は負けても箱根で勝てれば良いんだろうなあと勝手に思っていたので…それだけ、全日本で勝ちたかったんだなあと何だか嬉しくなりました。


一方の駒澤は区間8位以下が3区間あるなどまとめきれなかった印象です。特に西山が3区10位だったところで優勝争いからは脱落してしまったかなあ。中谷、西山、大塚の3年生トリオに2年の工藤が中心なだけに、主力が一人でも崩れると厳しい。。。それでも、8区大塚の好走で何とか3秒差で3位は死守しました。


2016年の箱根は…1区から1度もトップを譲らない青学の完全優勝でしたね。。。6区間で区間賞、9区間で区間3位以内という完璧なレースに他大は打つ手なしという感じ…2位の東洋ですら7分以上の大差をつけられてしまいました。駒澤は1区の其田が区間13位と出遅れていしまう苦しい展開、2区工藤、3区中谷で巻き返したものの、区間賞はなく区間2位が3区間、東洋と3分半近い差をつけられる一方、4位の早稲田には4分近い差をつけるという前後が離れた3位となりました。


ただ、個人的に嬉しい区間がいくつもありました。エース区間の2区を2年の工藤が好走したのは今後に向けて期待が高まりましたし、前回5区で苦しんだ馬場が8区2位の好走で笑顔のタスキリレーはグッとくるものがありました。9区の二岡は故障明けの12月に5千を走って箱根は厳しいかもと思いきや9区2位の好走、4年生二人の好走には助けられましたが、優勝はさらに遠ざかったかなあと。。。

2017年

2016年度は青学が3冠を達成して栄華を極める中、駒澤はずっと守っていた3位以内からも遠ざかることとなります。駒澤が箱根で初優勝を果たして以降、3大駅伝全てで3位以内に入れなかったのが初めてのはず…そしてその状況は3年間続くこととなります。この頃になると、もう優勝というのはなかなか期待出来なくなりますよね。中谷を欠いた出雲は1区から9位と遅れてしまうと、大きな見せ場もなく総合5位…下が4区2位で走ったのが唯一の救いだったかなあ。


全日本では1区工藤、8区大塚以外の2~7区はどこも耐える区間かもと思いましたが、6区の片西や7区の伊勢といった3大駅伝デビューの2年生が粘ってくれたこともあり、総合4位というのは個人的に上出来だったと思います。得意の全日本で4位が上出来というのはこれまでのことを考えると寂しいですが、現状を考えると仕方ないかと…全日本は出雲に続いてアンカー一色を起用した青学が早稲田を逆転しての優勝、2冠を達成することとなりました。


2017年の箱根は過去2年に比べれば青学にも多少のスキはあったんですよね。5区は区間8位に留まっていますし、復路も田村が終盤ペースダウンして区間11位というのもありました。しかし、3区、8区できっちりと区間賞を獲得、特に8区に下田を起用できるのが強すぎましたよね。区間2位にも2分以上の大差をつけています。これで青学が3冠&3連覇という偉業を達成することとなりました。初優勝を果たしてからの無敵ぶりが凄かったです。


一方の駒澤は3区までは決して悪いレースではなかったのですが、故障明けとなった4区中谷が区間18位に沈んでしまい、6区を担った物江も同様に区間18位と2区間で大きく崩れたことでシード争いに巻き込まれてしまうことに…それでも、5区区間賞を獲得した大塚の好走や、今後エースとなる片西の9区4位の好走もあり、なんとか総合9位でシード権は確保しました。ただ、優勝は無いながらも7年連続で守っていた箱根3位以内も遠く霞んでしまうことに…


このあたりから以前ほど緊張しながら3大駅伝を見ることも正直なくなった気がします。特に箱根は優勝を狙える戦力でありながら、全日本を勝ちながら勝てないということが続いていたので、落胆も大きかったですが、現状は優勝争いをできるだけの戦力とは言えない状況になっていたので、逆に冷静に以前よりも楽しめるようになっていたかなあ。それは、もちろん寂しいことではあるんですけどね。

2018年

2017年度は箱根優勝を果たして以降、今年までで最も厳しい1年間となりました。出雲では1区で加藤が区間13位と出遅れると、区間3位以内は2区3位の下だけ…エースの工藤も3区7位に留まり、アンカーの片西も6区7位で総合7位…出雲で6位以下に沈むのは出雲&箱根予選が連戦となって出雲を捨てて10位になったのを除けば、2000年以降ワーストですからね。この出雲は館澤、鬼塚、關ら黄金世代が6区間中5人出場した東海が優勝を果たし、青学の3大駅伝連勝を4で止めた時でした。


全日本では前半重視の大学が多い中、優勝を狙える大学としては唯一と言っていいほど絶対的エースを8区に温存した神奈川大が優勝を果たすこととなりました。8区間中7区間で5位以内という見事なレースでしたね。アンカーの鈴木健が2冠を狙った東海を逆転しての優勝となりました。一方の駒澤も8区間全てで区間7位以内と崩れることの無い走りで総合4位は上出来かなあ。やはり、全日本は安定していますよね。8区に抜擢された山下の区間7位という走りも光りました。ただ、区間7位が3区間あるなど、最も得意な全日本でもまだまだ厳しい印象。


2018年の箱根は苦戦した前年度をさらに上回るほどに苦しいレースに…エースの工藤を故障で2区に起用出来ず、山下にはまだ荷が重く区間13位、5区に抜擢された大坪が区間16位、さらに6区中西、7区工藤、8区白頭と4区間連続で区間13位以下ですから。。。もう優勝争いどころかシードさえも厳しい状況に追い込まれることに。9区堀合が区間2位、伊勢も10区4位と上々の走りを見せたものの、48秒届かずの総合12位で9年ぶりのシード落ちとなりました。


往路も好走と言えるのは1区3位の片西と4区5位の高本くらいだったかなあ。10区間中5区間で二桁順位ではシードも厳しすぎる。箱根で9位→12位と続いてはそのまま落ちていってもおかしくは無かったですよね。そして、翌年度に入学するのが現3年生世代…最もスカウトで苦戦したとも言われる世代となったことは偶然では無いでしょう。一方で今年の優勝の立役者となる世代でもありますが♪駒澤にとって、この2年間はとりわけ厳しかったですね。応援していても辛かったなあ。。。


出雲が東海、全日本は神奈川が優勝したことで青学も含めた3強と戦前は言われましたが、ここでも青学は強かったです。東洋が西山、吉川、田中ら期待のルーキーを擁して往路優勝、何とか青学に食らいつきましたが、復路は6区小野田の区間賞、7区林の区間新、8区下田の3年連続&3区間連続区間賞で突き放しました。最終的には5分近い差をつけていますし、箱根の青学の強さはまさに驚異的であっさりと初優勝から4連覇を達成することとなります。

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