第97回(2021年)箱根駅伝 結果分析  何故明治はシード落ちとなってしまったのか?

2021年3月16日

今回は4強とも言われた明治大学が11位とシード落ちしてしまった理由について、考察していきます。これまで、ブログでは基本的にDB管理している大学を平等に扱っているのですが…個人的に書きたい記事を今後は定期的に載せていこうかなあと思っています。もちろん、今やっている4年生特集や3大駅伝の区間配置予想、戦力分析などは今まで通り全大学やっていく前提で、追加でいくつか取り上げていくという形になります。

~①事前の予想~

前提として、私はかなり明治を応援しています。駒澤が箱根優勝出来ないのであれば、明治に勝ってほしいと思っていたくらい。個人的な順位予想では4位、全体的な順位予想も4位となっていましたし、3強に次ぐ位置づけという人が多かったですよね。もちろん、自己ベストラッシュだったことは評価を高めていますが、それ以上に全日本を含め、記録会・勝負レースと揃って好結果を残し続けていたのは、タイムだけではない強さを感じていたんですよね。


これまでの明治はどうしても速さに比べると強さが不足しているように感じていたのですが、両方を身につけたことで箱根でも大いに期待していたのですが。。。箱根前に不安要素として考えていたのは大きく2つ、1つは11月下旬に行われた記録会で自己ベストラッシュに湧くチームにおいて、替えの利かない選手と思っている3人、2,5,6区を経験している加藤、聖人、前田のうち聖人は故障で棄権、加藤・前田もチーム内で下位に沈んでしまったこと。


もう1つはゲームチェンジャー不在ということですね。前年度の阿部のような絶対的エースがいないのは、苦しい展開になった時に不安ではありますよね。今年度のエースは誰かわからないほど選手が揃っているとも言えますが、チームとしてはエース、準エース、そして続く選手がズラッと揃っているのが理想だと思うので。。。また、優勝争いという観点では、優勝争いの経験不足も挙げてはいましたが、他の2つに比べるとこれは軽微…他大に比べて目立ったエントリー漏れもなく、不安は少ないように感じていました。

~②区間配置について~

十分な戦力を誇る明治がシード落ちになった理由はたくさんあり、連鎖しているとは思いますが…どれか一つ挙げるとすれば区間配置かなと思っています。1区にルーキーの児玉を起用してきたところで、個人的には不安がありました。決して児玉が力不足というわけではなく、今の1区はルーキーに任せるには難しいと考えていたからです。前回はハイペース、今回はスローペースも予想されましたが、エースを起用してくるであろう大学もいくつもあって単純なスローペースになることは考えづらかったですからね。あそこまでペースの上げ下げがあるとは思いませんでしたが…


実際に起用される可能性が高いルーキーで、十分戦えるのは万全の状態である順大の三浦と中央の吉居だけかと…加えて1区ではないと思っていた青学の佐藤と東海の石原、箱根予選・全日本後にはロードで四天王と呼ばれてもいた選手たちですね。他の選手は誰であってもルーキーに任せるのは荷が重いと考えていました。明治も前回1区10位で走っている小袖に任せるのが安心かなあと。


全日本で1区で好走していたからというのも当然あるでしょうが、10km以下の最短区間で差がつきにくい全日本と箱根1区は全く別物です。実際、1区にルーキーを起用した有力校、早稲田は辻→井川と準エースを起用、東海も佐伯→市村予定で市村が起用できないとなると塩澤と3本柱に切り替えています。青学も湯原→吉田とエースの1人を起用しています。


唯一、駒澤だけがルーキーの白鳥を起用していますが、4年の加藤と比較して良かれと思っての起用とのことで、さらに2区にはゲームチェンジャーの田澤が控えていましたからね。他の優勝候補と比べると1区軽視だったことは否めないかなあ。個人的な区間配置予想では児玉は8区としていますし、これだけ選手が揃っているのであれば、1区にルーキーを起用する必要は無かったのではないかと。

~③出遅れた中での走り~

トップと1分6秒と思わぬ大差がついたこと、さらに前にいるのが東国大のヴィンセントと駒澤の田澤という最悪の位置…加藤は前回も2区で区間10位と好走していますが、小袖が好位置でつないでくれていましたし、全日本もトップタイでタスキを受け取って7区で8位と正直もう一歩の区間順位、さらに先述の通り記録会で苦戦していたのが気になっていましたが…それでも区間17位に沈むのは予想外すぎました。加藤は出遅れた展開でタスキを受けるのは初めてであり、1区で遅れてしまった影響をもろに2区も受けることになったか。


優勝争いは厳しくともシード争いはまだそこまで問題ではないと考えていた3区、ここでエースの1人である小袖を起用したのですが区間12位、総合順位も17位のままということに。小袖は3年時以降は失敗レースが無く、ずっと好走していたのですが、、、3年の全日本以降は1区5位、箱根1区10位、4年の全日本は2区4位ということですが…こちらも1区か好位置でタスキを受けており、前を積極的に追う展開にはなっていないんですよね。


最後にその展開となったのは2年時の箱根、この時はシードを追って一時は10位に上がったものの、そこから失速してしまい7区18位、印象的には今年度9区を走った富田と同じだったかなあ。そこから上級生になって苦しい展開でも巻き返すだけの力をつけたと思っていましたが、想定外の展開に力を発揮しきれなかったのかなあと。2区はともかくこの3区でも巻き返せなかったのは相当明治にとって致命傷だったと思います。下級生の苦戦をカバーする最上級生の走りを見せてほしかったなあと。

~④往路を終えての順位&タイム差~

4,5区は十分に走ってくれたかなと思っています。特に総合17位でタスキを受けた中、区間7位で3つ順位を上げた櫛田は、今後エースとなっていく選手なのではないかなあと。いい意味でマイペースというかどんな状況でも自分の走りが出来る印象です。聖人も1ヶ月前に棄権していたことを考えると、よくぞ合わせてくれたと思います。総合順位こそ14位まで変わらずも、1分2秒差まで縮めていますからね。ただ、総合14位で1分2秒差だったことも個人的には気になりました。


タイム差だけを見ると1分2秒差ならば選手層が厚く、復路にも選手を残している明治ならば十分逆転シードは可能のように思えます。ただ、実際には総合14位ということで4チームを最低抜かなければならないとなると、話は大きく変わってくることになります。しかも、11位に早稲田、12位に青学と明治同様に復路に力のある選手が残っていることを考えると、タイム以上にシード権には大きな差があるとも言え、厳しい戦いになるかなと感じました。実際、最後にシードを争ったのは往路で4分近い差をつけられていた東国大ということになりましたし…

~⑤復路の走り~

6,7区は明治が自信を持って臨んだ区間だとは思いますが…6区前田が13位、7区手嶋が11位という走り…前田は最初突っ込みすぎたのが大きかったのかなあ。ここはガンガン前を追っていく走りよりも、青学の高橋のような堅実な走りもありだったのかなあとも思います、結果論ではありますが…ここで一気にシードラインとは2分近い差になってしまうことに…


さらに前回3区7位で走っている手嶋ですよね…ここで前との差を詰めるどころかむしろ広げられてしまったのは、復路で最も痛かったですね。往路が3区ならば復路は7区が鍵だったかなと。本来であれば3区や4区を走っても全然おかしくない手嶋が7区ということは、最低でも区間上位、当然区間賞争いに絡んでほしいと期待されていたわけでしょうから…前回の阿部ような走りとは言わないまでもエース級の1人である走りを見せてほしかったなあと。


8区は何も言うことはないですね。大保は完璧と言って良い走りでシードに希望を残しました。最高の走りでした。9区の富田が前半突っ込みすぎたのも、箱根初出場というのが大きかったのかなあ。前を追っていかなくてはいかない展開ももちろんあるでしょうが、9区は最初が下りでオーバーペースになりやすく、その影響で失速することもよくありますからね…


10区の長倉も3大駅伝初出場でしたし、区間10位というのはある意味順当だったかなあ。9,10区でシードを逆転して欲しかったのはもちろんありますが、村上が起用出来なかった以上、1万でもハーフでも結果を残している2人を起用するというのは順当だったのでは。富田も長倉も前を追う難しい展開で箱根初出場という中、よく区間中位で走ってくれたと思います。

~⑥最後に~

もちろん、他にも様々な要因はあったと思います。全日本以降は4強とも言われ優勝候補の一角として期待されることによるプレッシャーや浮足立つところも無かったといえは嘘になるでしょう。全日本では3強にミスがある一方、明治はノーミスで3位に食い込んだということは、箱根では最低限ミスが無いだけではなく、大きく稼ぐ区間が必要になるわけですから、容易ではない目標だったでしょう。また明治も含め、今年度苦戦した大学はちゃんと足元を見据えられているのかなと思うところはあったんですよね。


たとえば、中央学院が予選会で不安になったのは、箱根予選はトップ通過は当然で箱根でも5位を目指すというコメントを見た時…中央も箱根で3位目標というのを見て、いくら戦力が整っているとはいえ、途中棄権以降シードを獲得出来ていないのに高すぎる目標なのでは?と正直不安に思ってしまいました。低い目標を立ててもそこが上限となって超える結果を残しにくいのも事実ですが、高い目標がまた足かせとなることがあるのはまた事実です。


例えばシードを狙うのと5位を狙うのでは、狙うレース展開もまた違ってくるでしょうし、目標から遅れてしまった時に無理に突っ込んでしまって後半失速なんて展開もあり得るわけですからね。高すぎる目標でなければ落ちついて走れていたかもしれないと…また、明治は特に1万では面白いように自己ベストを更新しましたが、チーム内競争が激しくなると、競争に勝つために記録会に合わせすぎてしまって、本戦にピークを合わせるのが難しくなるなんて話も聞きますし。


ただ、補欠の選手も含めて調子は悪くなかったという監督の話を聞くと、やはり1区の出遅れが全ての歯車を狂わせたのかなあと思っています。ゲームチェンジャー不在で出遅れた場合に巻き返すことが難しいことを考えると、なおさら1区は万全を期すべきだったかなあと。そんな状況の中、エース級の小袖と手嶋が悪い流れを変えられなかったのが致命的だったというのが個人的な感想です。往路は4区、復路は8区でその悪い流れを変えてくれたと思いますが、どちらも1区間遅かったですよね、正直…


続いて2区加藤と6区前田の走りが厳しかったかなあ。どちらも前回同じ区間で好走しているのがもどかしいです。チームとしても当然計算したい区間なわけで、そこで前回よりも順位・タイムともに大きく落としてしまうと当然計算が狂うことに…3,7区で流れを変えられなかったという話をしましたが、2,6区のどちらかでも前年度のような走りを見せられていれば、また状況はガラッと変わったでしょうから…


ただ、今年度はこれまでに無いほど各種記録会も5大学対抗戦も全日本もしっかりと合わせてこれたのは、大きな進歩だと思うんですよね。正直、これまでの明治には見られなかったことなので、後は箱根にいかに合わせられるかかなと。力のある選手がズラッと残り、有力高校生も複数加入するわけですし、やはり戦力は充実しています。来年度は、また優勝候補の一角と呼ばれるようなチームとなっていてほしいですし、実際に優勝を争えるチームになってくれることを期待しています。

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