箱根終了後に考える箱根駅伝(2021年度)の展望

状況

最後は、来年1月に行われる箱根における現段階での展望を述べていきます。箱根が終わって3週間経っていないのに予想する意味があるのか?という至極まっとうな疑問はさておき…箱根でシードを獲得したのは、10校(駒澤、創価、東洋、青学、東海、早稲田、順天、帝京、國學院、東国)で、シード落ち校が10校(明治、中央、神奈川、日体、拓殖、城西、法政、国士舘、山梨学院、専修)となっています。


さらに予選落ち校で現実的に出場争いに絡めるとしたら予選18位までかな(筑波、中央学院、麗澤、上武、駿河台、大東大、東農大、日大)もちろん、戦力には大きな差がありますが、、、来年度は増枠は無いでしょうから、最大18校で10枠を争うことになるかと…1年後の箱根となると、本当にどうなっているかわからないですね。ルーキーの距離対応はどうなのか、新たにエース級や準エースに台頭している選手もいるでしょうし、箱根の山に向けて1年間準備している選手も、面白いように記録を伸ばす選手も…1年間かけてチームが進化していくのも大学駅伝の醍醐味です。

展望

優勝争いは単純に考えれば今年度13年ぶりの優勝を果たし、10人中9人が残る駒澤が優勝候補筆頭なのでは?と思ってしまいそうですが、そう簡単にはいかないでしょう。戦力を見れば、期待出来る要素はもちろん多いです。1年→2年になるのが、最も箱根では安心感が増すかなあと思うので、区間4位で走った鈴木や花尾はもちろん、有力選手がズラッと揃います。16人中半数が現1年でもおかしうは無いかなと。この学年から戦力となる選手が増えることは箱根16人の層の厚さ、10人の強さに直結するでしょう。


5,6区の合計タイムは全大学中トップで山の不安は無し、つなぎ区間の争いもハイレベルです。ただ、往路の主要区間を安心して任せられる選手となると、田澤、芽吹に次ぐ選手はどうなのか?ということになりますよね。往路を走った白鳥、酒井は正直物足りない走りでしたし、4年の小林が3区2位で走ったのがとにかく大きかった。3,4区を区間3位以内で走れるような選手が台頭してこないと、また追う展開になって厳しくなるのかなあ。エース級の台頭は、3大駅伝全てで共通する最大の課題と言えます。


また、過去3大会は連覇が有力と言われた大学が優勝出来ていません。2年前は青学が出雲、全日本を制し、最も得意な箱根は5連覇&3冠が濃厚と言われていました。しかし、4,5区で苦しみ5連覇は達成出来ず…逆に黄金世代が3年時で箱根を制した東海は連覇の可能性が高いと言われていましたが、青学が雪辱を晴らしました。その青学も有力選手がズラッと残ったことで再び連覇を達成し、青学の時代がまた来ると思われたものの、全日本、箱根はともに4位と箱根初優勝以降、初めて3大駅伝未勝利となりました。


これまでの東洋、青学のように圧倒的に抜けた戦力を有して連覇を達成していた頃に比べると、各大学の戦力が拮抗しており、1つ失敗区間があるだけであっという間に優勝争いから離されてしまうという状況になっています。前年度優勝しても、主力が残っていても再び同じような走りを見せられるかどうかは別問題ですからね。今回は各大学に故障者が多く、ベストメンバーを揃えるのも大変です。駒澤は走った4年生は少なくとも、チームの選手層を支えていたのは間違いなく4年生ですし。


また、今年度は向かい風とコンディションが悪く、前回の青学よりも優勝タイムは10分41秒も遅くなりました。10時間45分はさすがにハイペースだとしても、今後は10時間40分台は当然のような優勝タイムになるでしょう。一方で駒澤は10時間50分台前半で走ったこともなく、ハイペースになった場合にどれだけ対応出来るのかという部分で不安もあるかなあ。実際、優勝タイムが遅くなった場合に以前の亜細亜や日体、今回の駒澤のように初優勝や久しぶりの優勝を果たす大学が出てくることがありますが、亜細亜や日体は翌年度に崩れることはなくとも、優勝争いには絡めていないですし。


来年度の戦力を考えると、優勝を狙う力があるのは箱根で2,3,4位だった創価、東洋、青学ということになるでしょうか。創価は今回出場した10人中7人が残り、うち6人が区間8位以内で走っています。往路も2~5区が残ることを考えると、1区をまとめられる選手さえ出てくれば、前回と同じように往路優勝も狙えることに…山の安心感は駒澤と並んで全大学トップクラスですし、創価の高校時代に実績のある選手も無名の選手も育てる育成力を考えると、復路もまた選手を揃えてきそうですし、3大駅伝で最も期待出来るのはやはり箱根かな。


東洋は、往路を4区吉川以外3年生以下で2位と結果を残せたのが大きい。特に2区松山、5区宮下は盤石です。ここにスーパールーキーの石田や鈴木、蝦夷森といった3年生に往路を任せられれば再び往路で好位置につけることは可能でしょう。その一方で復路はやや不安かなあ。6区は期待のルーキー九嶋が苦しみ、7~9区はいずれも4年生が担うこととなりました。10区も区間9位にとどまり、優勝を狙うとなると現状は戦力不足は否めないかなあ。同じく6区候補と言われた及川や全日本に出場した腰塚、佐藤や持ちタイムの良い2年生らが箱根でも計算出来るようになってくれば、目標が3位以内ではなく優勝に上方修正も出来そう。


青学は、優勝した前年度と同様に2区岸本、5区飯田の布陣が最も安定しそう。ここに佐藤、中村という今年度往路を走った二人と期待のルーキーが1人往路を走るのがバランスも良さそうです。さらに、復路は6区で好走した高橋を始め復路優勝を果たしたメンバーが4人残り、往路を走った湯原や期待の1,2年生から1人加わるだけで良いのですから、やはり強いかなあ。ベストメンバーが組めれば、来年度も青学はまた優勝候補筆頭と呼ばれるようになるのでは。


一方で不安なのは以前ほどチームの安定感が無いこと、全日本も箱根も不安定なレースでしたからね。再び青学が3大駅伝で優勝を果たすのであれば、圧倒的な選手層を活かした総合力の高さが求められますね。また、ずっと青学にいたいわゆるゲームチェンジャーであったり駅伝男と言われる存在が出てくるかどうかも大事かな。大学を代表するようなエースというのは箱根優勝を果たすには必要かなと思いますが、来年度の青学にいるかと言われると…かつての久保田、一色、田村、森田のような優勝候補のエースに負けない存在が台頭してくるかも優勝の鍵を握りそう。


東海は黄金世代、都大路1~3位だった名取、塩澤、西田というチームを牽引してきた世代が2年連続で抜けたことで過渡期を迎えることになるかなあ。石原というエースの存在や復路をまとめた選手たち、期待の新入生を考えると、優勝争いに加わるのは難しくとも再び5位以内に入ってくるだけの力はありそう。復路は全員3年生以下で来年度も同じメンバーで挑むことも可能というのも心強いですよね。


箱根は新入生に過度な期待は禁物だと思うので、期待するのは現1年かな。石原は別格といて、悔しい走りになった佐伯も当然巻き返しを狙うでしょうし、13分台のベストを持つ喜早や溝口、14分1桁で神薗、入田、松尾らがいますからね。楽しみな選手が揃っており、この世代が来年度はチームの中心となっている可能性もありそう。


早稲田は中谷世代が最終学年となり、まさに勝負の年となりますね。箱根を走った選手は10人中9人残り、さらに日本選手権の影響もあって合わせきれなかった中谷と太田が万全の状態で箱根に望んでくれれば…4区終了時でトップに立つ可能性も十分あります。そんな早稲田の課題は…もはや言うまでも無いですが5区ですね。ずっと苦戦している5区を上位で走れる選手を準備出来ない限り、優勝は遠いままでしょう。実際、往路のトップ4は5区で区間1~4位を占め、そのまま3校がトップ3に入っています。


その大事な5区で計算できる選手を1年かけて準備する必要があるでしょう。復路は全て区間8位以内でまとめた安定感、6区も1年で58分台を叩き出した北村がおり、万全ならば往路も安心な千明がいます。期待の新入生である伊藤や現1年生世代が復路を安心して任せられるようになれば、3冠以来の箱根優勝も見えてくるのでは。


順天も10人中8人が来年度も残るのは強力ですよね。ただ、今年度の7位を上回ることが出来たとしても優勝争いに絡んでくるにはさらなる戦力アップが必須かなあ。野村、三浦というダブルエースがエース区間で他大の優勝候補と渡り合えるようになり、5区も二桁順位では厳しい状況…復路も崩れる心配は無いかもしれませんが、区間10位前後では同じような位置しか狙えないですからね…一気に戦力を高めた今年度同様に来年度も台頭する選手が出てくるかですかね。


帝京は1,2区を走った小野寺、星を始め4年生が4人抜けますが、3区のスペシャリスト遠藤に5区区間賞の細谷を始め主力が残ります。今回骨折してしまった三原も当然この悔しさを晴らすべく準備を進めるでしょうし、今回箱根を走った6人は心配いらなそう。それよりも気になるのはその6人が全て3年生ということです。1,2年生の台頭は必須ですが、3大駅伝の経験者も1年の小野のみ、さらに持ちタイムも苦戦気味です。来年度の新入生も即戦力が多く加わる状況でもないだけに、得意の育成力に期待かなあ。箱根は今年度の8位を守れれば上々という気も。


國學院はダブルエースが振るわずの9位という事を考えると、まず伸びしろは大きいですよね。藤木も木付も万全では無かったようですし、1区をエース級以外で任せられる選手がまず出てきてほしいですね。そうすれば藤木2区、中西4区というような理想的な配置が出来ますし。5,6区は殿地、島崎という安心のコンビがいますし、何度も記載しているとおり楽しみな新入生も多数入りいますから、今年度からの順位アップはもちろん、箱根3位以内も狙える戦力を再び整えてくるかも。


東国大も今回の箱根は上手く合わせられない選手が複数いた一方、6人走った4年生に救われました。今回箱根を走った3年生以下は4人というとかなり少ないように思えますが…万全であれば平地で計算出来る芳賀、主力の1人になれる山内もいますし、5区を中位で走れる選手もしっかりと用意してくる強さもあります。1年も林、川畑、村松ら持ちタイムを伸ばしている選手が多く、新入生も東国大史上最高と言われる新入生が加わることになります。


4年生が6人抜けても来年度の戦力は今年に負けないかもしれませんね。3年生が芳賀以外はなかなか台頭してこないのが厳しい状況ですが、2年生以下は楽しみな選手がズラッと揃っています。6区がなかなかはまらないのは今後の課題ですが…今年度の10位を上回る可能性も十分ありそう。


こうしてみてみると、まず優勝候補として名前が上がってきそうなのは駒澤と青学、ついで創価と東洋と早稲田という印象かなあ。よくある○強だとすると、2強か5強か・・・ついで東海、國學院、順大、その後に帝京、東国大かなあ、現時点で来年度の戦力を考えると…それにしてもシード校は来年度も非常に強力ですね。今年度は9校がシードを守りましたが、来年度この10校に割って入るのは明治や中央であっても簡単では無さそう…また、今年度のように優勝争いもシード争いも最後まで分からないハイレベルなレースを期待したいです!!

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