日本選手権 5000m ~富士通の坂東が初優勝、中央の吉居が3位に~
12月4日に行われた日本選手権、今日は5000mを入賞した選手を中心に振り返ります。4位以内に学生が2人入った他、実業団に進んでから大きく成長を遂げた選手の活躍が目立ちました。レース結果はこのようになっております。入賞した8人は以下の通りとなっています。1万mほどではないですが、13分10秒台が1人、13分20秒台が3人とハイレベルなレースが繰り広げられました。
1位 | バンドウ ユウタ 坂東 悠汰 | 富士通 千 葉 | 13:18.49 |
2位 | マツエダ ヒロキ 松枝 博輝 | 富士通 千 葉 | 13:24.78 |
3位 | ヨシイ ヤマト 吉居 大和(1) | 中央大 宮 城 | 13:25.87 |
4位 | カワセ ショウヤ 川瀬 翔矢(4) | 皇學館大 三 重 | 13:28.70 |
5位 | マツムラ ジンノスケ 松村 陣之助 | コモディイイダ 東 京 | 13:34.53 |
6位 | モリタ ケイスケ 森田 佳祐 | 小森コーポ 茨 城 | 13:34.57 |
7位 | カジワラ アリタカ 梶原 有高 | ひらまつ病院 佐 賀 | 13:35.24 |
8位 | マトノ リョウタ 的野 遼大 | 三菱重工 長 崎 | 13:35.63 |
優勝を果たしたのは富士通の坂東、13分18秒49とタイムも素晴らしいです。法政大学時代は3年時にトラックで活躍したものの、その後は故障もあってなかなか目立った走りを見せられませんでしたが…実業団に進んでからは驚異的な成長を遂げ、実業団でもトップクラスのランナーとなりました。そして、この日本選手権で自己ベストを叩き出して優勝まで果たしてしまうのですから、素晴らしいです。
2位には同じく富士通の松枝が13分24秒で入りました。松枝も順大時代からトラックのスピードはありましたが、実業団でさらに磨きをかけてきましたね。今回は優勝に一歩届きませんでしたが2017年、そして前回も優勝している選手、大舞台でも非常に高いレベルで安定した結果を残しています。
3位には中央のルーキー吉居が13分25秒87と自信が持つU20日本記録をさらに2秒44更新して入ってきました。大学生が日本選手権で活躍することはこれまでもありましたが、5000mでルーキーが表彰台に上がることはまず無い偉業ですよね。それでも本人はまだ満足していなさそうですし、本当に大学4年間でどれだけ上り詰めるのか…すでに大学トップクラスの選手となった吉居の今後の活躍がますます楽しみになる圧巻の走りでした。
4位には皇學館の川瀬が13分28秒と自己ベストを叩き出して入ってきました。全日本2区区間賞も記憶に新しい川瀬ですが、5000m,1万m,ハーフといずれも大学トップクラスの持ちタイム、そして日本選手権という大舞台でも4位入賞を果たす実力、どうしても関東の大学に有力選手が集まる中、東海地方の川瀬が素晴らしい走りを見せてくれました。
5位に13分34秒を出したコモディイイダの松村が入りました。松村陣も城西大学時代はトラックの持ちタイムこそ良かったものの、なかなか勝負レースとなると結果を残せなかった印象でしたが…コモディイイダに移籍してからの躍進ぶりが目覚ましい気が…日本選手権で5位に入るまでに力をつけているとは思いませんでした。
6位に小森コーポの森田が13分34秒で入っています。こちらも筑波大学時代は1500mでの活躍が印象でしたが、5000m以上の距離となるとそれほど目立ったものでは無かったと思うのですが…こちらも実業団で力を蓄え、見事に入賞を果たしました。
7位にひらまつ病院の梶原が13分35秒で入りました。松蔭大学時代には4年連続で箱根を関東学連選抜として走った選手、現在のルールでは1度しか走れませんから梶原のような選手はもう現れないのかも…実業団でも安定した活躍を長い間見せていますが、今回も自己ベストを出しての7位入賞と見事な結果を残してくれました。
8位には三菱重工の的野が13分35秒で入っています。順大時代は故障に泣かされることが多かったですが、実業団では比較的安定した結果を残しています。元々、1500mのスピードも抜群の選手ですが、今回は5000mでも自己ベストをマークしての入賞となっています。
入賞には0.25秒及ばずでしたが9位にはトヨタ紡織の羽生が入ってきました。高校時代の圧倒的な活躍から苦しんだ大学4年間、そして実業団に進んだらもう5千、1万で自己ベスト連発で日本選手権でも入賞に迫る走りを見せるとは…本当に自分にあった環境というのは大事なのですね…高1の都大路をも上回る衝撃をまた与えて欲しいです。
立教大学の監督を務める上野は13分45秒で13位、監督が日本選手権で13位って凄いですよね。2年連続でスカウトも箱根出場校と遜色無さそうですし、監督としての手腕も楽しみです。大学生では、早稲田の小指が13分58秒で17位、セカンドベストで走ったことを考えればまずまずでしょうか。日体大の藤本はアクシデントもあったことで14分0秒の19位という結果になっています。