駒澤大学 2020年度 全日本結果&箱根に向けて

続いては駒澤大学について、全日本の結果を振り返りつつ、箱根への展望も書いていきます。全日本結果はこのようになっております。全日本では歴代最高とも言われる大激戦を制して6年ぶりの優勝、全ての区間が噛み合ったわけではないですが、大崩れすることなく要所を締めたことが、アンカーでの逆転劇に繋がりました。特に2年生の活躍が目立ちました。同学年の田澤に感化された部分もあるのでしょうか。

全日本振り返り

1区の加藤が区間3位、トップとも6秒差という好スタートを切りました。4年生になって勝負レースでも結果を残すようになってきましたが、7度目の3大駅伝出場で過去ベストの走りを見せてくれたのでは。2区のルーキー花尾は区間11位、8区間中唯一の2桁区間と苦しい走りになりました。総合でも9位とシード圏外に下がってしまいました。日本インカレに出場するなど期待は大きいのでしょうが、まだ勝負レースで結果を残しきれていないかなあ…


3区の鈴木は区間5位、エース級が揃った区間なだけに決して悪くはないのですが、日本インカレの走りを見るとちょっと物足りないと感じてしまうほどです。今回はルーキーが3人区間賞を獲得するなど目立っただけになおさら…4区の伊東は区間7位と最低限の走りという感じかなあ。他の優勝候補に置いていかれたものの、ズルズルと下がらなかったのは良かったですが、もう少し走ってほしかったという印象です。


5区の酒井は区間2位の走りで7→3位と4つ順位を上げることに。3大駅伝デビュー戦ながら、無理に前に追いつかず着実に順位を上げる堅実な走りでした。この走りは優勝争いに加わることが出来るかもと期待させる走りで、個人的なMVPとしては酒井を推したいです。もちろんアンカーの田澤も素晴らしかったですが、凄い選手なのは重々承知なので…今後に向けても大いに期待を持たせる走りでした。


6区の山野は区間4位で総合も4位と1つ順位を下げることに。こちらも3大駅伝デビューの2年生、悪くない走りだったかなと思います。総合4位とはいえ、トップとはわずかに11秒差でしたし。長い距離でも結果を残していますし、酒井同様に箱根に向けても楽しみな選手。


7区の小林は区間4位、こちらも上出来と言って良いでしょう。トップとは離されてしまいましたが、あれは神林が凄すぎた…東海と2秒差という位置も絶妙だったと思います。今回は全体的にラストで粘れた選手が多かったかな。その粘りが次の区間の選手を走りやすくしてくれたのではないかと。


8区の田澤は東海の名取にずっとついていくという戦術を選択、青学の吉田を早い段階で捉え、何度もスパートを仕掛けてくる名取に涼しい顔をしてついていくのはさすがで、ラスト1km手前でのロングスパートはもう圧巻の一言です。57分34秒での区間賞という走りさえタイムだけ見たら物足りなく感じてしまうほどです。ラスト1kmちょっとで23秒差をつけ、見事に6年ぶりの全日本優勝のゴールテープを切り、MVPも獲得しました。

箱根に向けて

全日本優勝となると、当然箱根優勝に向けても期待は高まりますが…選手たちや監督のコメントを見ても、個人的にもまずは3位以内というのが1つの目標となってきそうです。距離が伸び、10人になる箱根となると、他の優勝候補と比べて戦力的に劣っているのが正直なところかなと。前回の箱根でも8位だったわけですし。


今回全日本を走った選手は基本的に箱根も走る可能性が高そうかなあ。唯一二桁順位だった花尾がどうなるかと思いましたが、1万で28分30秒を叩き出して期待大。前回の箱根経験者は7人残っていますが、今回全日本に出場した選手は4人だけなんですよね。残る3人は小島、神戸、石川の3人となります。特に2年連続で箱根好走している小島の状態は気になるところで、万全の状態で臨めるかはチームの成績に大きく影響しそう。同じく全日本エントリー漏れだった神戸の状態も気にしなります。


石川はまさに10人のボーダー争いをしている選手の1人ですが、1万で28分45秒をマークし、力のあるところを見せてくれました。全日本出場の8人+箱根経験者の3人で11人と10人は揃うわけですが…そこに割って入るべく台頭している選手が何人もいます。


4年生では、江口が29分10秒をマークして猛アピール、組トップだった走りも好印象で全日本同様に16人入りは可能性が高そう。10人に入ってもおかしくないのでは…3年生では、大西や新矢が1万で自己ベストを更新、花崎が1年の箱根に続いて全日本でメンバー入りを果たしています。ただ、いずれも16人に入ったとしても10人に入るのは厳しそうかなあ。


2年生では、1万で29分4秒をマークした中島、5千で13分58秒を持ち、1万で29分30秒を出した円らが候補になってくるか。ただ、3年生同様に16人に入っても10人への道は険しそう。1年生では、赤津が花尾と同様に28分30秒を叩き出し、16人には入ると思っていましたが、10人に入ってもおかしくないほどに好タイムをマークしています。芽吹、花尾につぐ好タイムだったのも評価が高いです。他には高校時代に実績のある唐澤、白鳥らがいますが、駅伝シーズンに姿を見せていないことを考えると、今年度の箱根出場は可能性が低そうかな。


学連記録会での自己ベストラッシュによって、さらにチームの評価は高まってきました。28分台も10人揃えてきましたし、何よりもこれまでに比べて安定感が増してきましたよね。エース級だけではなく中堅どころも含めてなのが心強い。選手層も一気に厚くなってきて他の優勝候補と比べてもそれほど遜色は無くなってきたかなあ。


ただ、全日本では良くとも、持ちタイムが良くともいざ箱根となるとなかなか力を発揮出来ていないのもまた事実なんですよね。。。箱根は2008年を最後に優勝から遠ざかっていますし、過去4大会は3位以内にも入れていません。そうしたデータを見ると、現実的には3位以内に入れれば上出来と思ってしまうのも仕方ないかなあと。山を見ても6区経験者はおらず、5区も伊東が2年連続で走っていますが、前回は奮わずでしたから。。。


全日本も各選手が万全で臨めたというわけではなさそうですし、箱根にはベストメンバー、ベストコンディションで臨むことは必須でしょう。そして、全日本の酒井のように予想以上に好走する選手が複数出てくること、そして全日本以上にミスの無いレースを見せなければ、優勝に近づくことは無いかなあと。全日本を制して持ちタイムも大きく伸ばしていることはチームとしても自信になっていると思いますし、箱根では最低でも3位以内、そしてチャンスがあれば悲願の優勝を目指して欲しいです!!

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