青山学院大学 2020年度 全日本結果&箱根に向けて

続いては青山学院大学について、全日本の結果を振り返りつつ、箱根への展望も書いていきます。全日本結果はこのようになっております。レース前には青学が優勝候補筆頭と目されており、私も東海や駒澤よりも戦力は上だと思っていたのですが…結果として区間二桁順位が3区間、区間9位が1区間と青学らしからぬ奮わなかった区間が複数あり、総合4位という結果に終わりました。


青学が3位以内を逃したのは、2013年に6位になって以来ですね。そして、この2013年は青学が全日本で初シードを獲得した時…それ以来、2度の優勝を含む3位以内を続けていたのですから、青学の凄さが分かるかと。。。初めて優勝を狙える戦力となって以降、優勝を狙えない戦力に1度もなっていないわけですから…

全日本振り返り

1区の湯原が区間10位もトップと19秒差、前回は区間7位でトップと18秒差ですから、同じような走りと言えるでしょう。湯原は3大駅伝で過去4度出場して一度も4位以内で走れていないのですが…崩れることのない安定感もあるので、起用され続けている印象。1区は二桁順位だったとはいえ、問題無い走りだったかと。


しかし、2区の近藤が区間13位で総合でも14位、これは誤算だったでしょう。直近の記録会で素晴らしい走りを見せており、監督の期待も高かった選手ですから…ほろ苦い3大駅伝デビューとなりました。一方で素晴らしいデビューとなったのが3区の中村、3区3位の好走で14→6位と一気に8人を抜き去って再び優勝戦線に戻してきました。


4区の岩見も区間4位と安定の走りで6→4位に浮上、岩見も2年時の箱根で悔しい思いをして以降、結果を残し続けています。5区のルーキー佐藤が区間賞の走りで4→2位と浮上し、トップとも10秒差と完全に射程圏内につけました。都大路1区で区間賞を獲得しているロードNo.1ルーキーと言われる選手ですが、今年度はほとんど出場がなくて状態が気になっていますが、前評判通りの強さを存分に見せてくれました。3大駅伝・予選会というロードでの実績では、三浦、吉居に石原とこの佐藤という4人が現状は抜けています。



6区の山内は後半失速してしまって区間9位、ちょっとアクシデントがあったのかなあというような走りでしたよね…5,6区にルーキーを起用してきた青学でしたが、明暗が分かれる結果となってしまいました。それでも、トップとは23秒差の総合6位とまだまだ優勝を狙える位置をキープ。


7区神林が圧巻の走りで区間賞、総合でも2位に39秒差をつけた時は正直決まりかなあと思うほどでした…51分17秒と日本人歴代最高タイムももちろん素晴らしいですが、区間2位だった日大のドゥングに32秒、山梨学院のオニエゴに40秒と留学生とのタイム差、区間4位で日本人2位だった駒澤の小林に53秒差というのは別格ですよね。改めて、エースの強さを見せつける結果となりました。


しかし、8区の吉田は明らかにペースが上がらず、後続から猛追してくる東海の名取、駒澤の田澤にあっさりと9km前に追いつかれると、そのまま置いていかれてしまうことに…その後もペースは上がらずに区間11位とまさかの順位に沈んでしまい、明治の聖人にも抜かれてしまい総合4位という結果となりました。

箱根に向けて

全大学中随一の安定感を誇る青学が全日本であそこまで凸凹な駅伝となってしまったのは衝撃的でした。それでも、これまでの走りを見ていれば、青学が最もピーキングを合わせることが得意なのは、箱根であることは明らかです。全日本の結果は奮わなかったですが、それでも箱根は優勝候補筆頭であることは間違いないと考えています。3強とも4強とも言われていますが、頭一つ抜け出た存在かなあ。


前回の箱根経験者は6人残っており、うち5人が区間5位以内で走っています。唯一1区7位だった吉田もトップと18秒差ですからスターターとしては十分な結果。そして、今回の全日本には2区5位の岸本、5区2位の飯田が含まれていません。岸本は故障で全日本は間に合わずとも箱根は問題無いという話でしたので、2区は厳しくとも往路で十分計算出来る選手、飯田は既に29分前後で走れているので箱根5区に向けては心配いらないでしょう。


ここに、中村、佐藤という全日本で好走した選手はまず10人に入ってくるでしょうし、近藤・山内の2人も虎視眈々と箱根を狙っていることでしょう。さらに恐ろしいのはその選手層です。3大駅伝を5度経験している5年生の竹石は1万でベストを出すなど好調で箱根出場してもおかしくない選手ですし、4年生では松葉・新号がともに29分1桁のベストを出して最初で最後の3大駅伝出場を狙う選手たち。3年生は他の学年に比べて選手層が薄いですが、高橋が5千で13分台、1万で28分台をマークしている楽しみな選手。


そして2年生は恐ろしいほどに選手が揃っており、関口、中倉、目方が1万で28分台のベストを揃ってマーク、5千で13分台のベストを持つ横田、大澤にハーフで62分台のベストを持つ宮坂、西久保と3大駅伝未経験者でこれだけ持ちタイムの良い選手が揃っています。今後チームの中心となる学年なのは間違いなく、青学の驚異的な選手層を支えています。


ルーキーも小原が5千で13分台、志貴が1万で29分1秒をマークしており、16人に入ってくる可能性も十分。16人を選ぶのも実際に出場する10人を選ぶのも、いい意味で最も悩ましい大学と言えるのではないでしょうか。山下りの6区経験者はいませんが、他の主要区間に5区は何も心配なく、往路を安心して任せる選手が揃うだけではなく、復路も驚異の選手層で他大学を上回る戦力を配置することが可能です。


箱根の優勝争いは青学を中心に繰り広げられるとは思いますが、同様の予想をされた全日本では総合4位に沈んでしまったのもまた事実、今回の失敗を糧にまた箱根では強力なチームを作り上げてくることが出来るでしょうか。得意の箱根で連覇を達成し、再び優勝回数を伸ばすことが出来るのか、それとも全日本のように失速する区間が出て再び綻びを見せてしまうのか…今後の青学を占ううえでも大事な箱根となりそうです。

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