第61回(2020年)東日本実業団駅伝結果 ~富士通が前回の雪辱を果たす優勝~

全日本大学駅伝が行われた2日後、本日はニューイヤー駅伝に出場する12チームを決めるための東日本実業団駅伝が行われました。周回コースを利用する例年とは違う大会となりましたが、無事に行われたのが何よりです。レース結果(PDF)はこのようになっております。ニューイヤー駅伝出場を決めたチームを中心にレース結果を簡単に見ていきます。

1位:富士通

前回はアクシデントもあってまさかのニューイヤー出場を逃した富士通、今回は盤石の走りで優勝を果たしました。そもそも、メンバーが豪華すぎますよね…ルーキー浦野の区間賞を始め、3区の最長区間にマラソン五輪代表の中村匠吾を配し、実業団で急成長を遂げた坂東が圧巻の区間賞…7区塩尻でラスト勝負は分が悪いかと思いましたが、その前に突き放しての優勝となりました。


ニューイヤーで連覇を続ける旭化成に対抗するとなると、富士通が対抗の筆頭となるのかなあ。今回は違和感があって大事をとった鈴木健吾もいますし…主要区間を安心して任せられる選手が揃っています。

2位:GMOインターネット

GMOインターネットも2位に入るまでに力をつけているとは…1区の近藤が区間2位と好スタート、3区の吉田祐が区間3位で走ったのも大きかったですが、5区島貫、6区渡邉利典の連続区間賞で富士通を最後まで追い詰めました。倉田も終盤引き離されたといっても、区間2位できっちりとまとめていますからね。


多くの主力が青学出身となっているGMOインターネットですが、今回も補欠に橋本、一色、林、森田と青学の黄金期を築いた選手たちが揃っています。ニューイヤーに向けても選手層の厚さは相当なのが大きな強みかと。。。

3位:Honda

1区青木が4位と上々のスタート、3区の伊藤が1秒差の区間2位と大学時代から実績抜群のルーキーたちが早速実業団でも好走を見せています。エースの悠太が5区2位はまだ万全ではないという感じなのかなあ。現状は無理する状況でも無いですし、日本人選手6人全員が区間2~5位という区間賞こそ無いものの、安定した走りで3位となりました。


Hondaも補欠に期待のルーキー土方や木村、田口、山中と実力者が揃っており、選手層はこちらもトップクラス。こうしてみてみると、選手層の厚いチームが上位にきている印象です。やはり、実力者をギリギリ7人を揃えるチームよりも、調子の良い選手を選べる方が当然有利ですもんね。。。

4位:ヤクルト

1区の武田が区間7位とまずまずのスタート、4区荻久保、5区大聖、6区奈良とルーキーを3連続で起用してきており、いずれも区間5~7位でまとめています。その脇を小椋、高久というハーフやマラソンで活躍を見せる二人が固め、日本人選手6人が区間5~7位という誰一人崩れない安定の走りで4位通過を果たしました。


上位4位までは区間8位以下になった日本人選手がいませんね…これだけ選手が揃っていると、どの区間も崩れることのない強さがあります。ヤクルトも一時期は苦しい状況もありましたが、最近はまた3大駅伝で活躍した選手を多く獲得しており、着実に選手層の底上げが出来ていますね。今回もルーキーの活躍が目立ちました。

5位:日立物流

1区の栃木が5位スタート、そして最長区間の3区で啓太が区間賞の走り、実業団ではちょっと悠太に差をつけられていた啓太がこうした走りを見せてくれるのは嬉しいですね。兄弟でまだまだ切磋琢磨してトップを目指してほしいです。Hondaから移籍した服部も5区4位とさすがの走り、日立物流も二桁順位は1区間もない安定の走りで5位に入りました。


補欠も市川、小町、永戸、越川と箱根の経験豊富な選手たちが揃っており、特に市川は実業団での実績が抜群です。日立物流も安心して見ていられる選手が多く、崩れることの少ない印象。

6位:カネボウ

1区の鈴木が区間3位と好スタート、そして2区のサムウェルが区間賞の走りでトップに浮上という理想的な展開。区間2位にも11秒の差をつけるインターナショナル区間の強さですね…4区矢野が区間4位、5区物江が区間3位など大事なところをきっちりと抑えて、危なげのない走りで6位に入っています。カネボウも控えに代田、文元といった経験豊富な選手や期待のルーキー長谷川らがいますし、ニューイヤーに向けても楽しみなチームです。

7位:JR東日本

1区大隅が区間15位と大きく出遅れてしまい、2区のムイルも区間11位で総合13位と苦しい展開、しかし、3区其田が区間6位でまとめると、4区の作田直が区間2位で走ったのが大きく、一気に11→7位まで浮上、その後はアンカー寺田が区間4位で走るなど3区以降は問題のない走りできっちりとニューイヤー行きを決めています。


1区で好走経験もある大隅の出遅れはちょっと痛かったですが、予選だったのは良かったです。JR東日本は10人しかエントリーされていないんですよね。上土井、横川、吉野とルーキーが一気に加わったはずなのですが、誰もエントリーされていないのはちょっと気がかり…ニューイヤーにはしっかりと合わせてきてほしいところ。

8位:コニカミノルタ

1区西池が区間8位とまずまずのスタート、2区のランガットが区間11位、さらに3区の最長区間で菊地が10位となかなか浮上のきっかけを掴めずという展開でいた。一度も6位以内に入ることは出来ませんでしたが、逆に一度も総合9位以下に下がることはなく、安定した走りだったとも言えるかなあ。蜂須賀が5区5位、川端が6区3位と終盤もきっちりとまとめてくれました。


ただ、コニカミノルタの戦力を考えると8位という結果はちょっと物足りず…補欠にも箱根で活躍した米満や坪井といったルーキーたち、実業団で活躍する大山らもいますし、ニューイヤーではもう少し立て直してきたいところです。

9位:サンベルクス

サンベルクスも年々強くなってきていますよね…1区の岡本が区間9位とまずまずのスタート、3区の高木も区間10位でまとめ、6区の渡邉が区間4位で走ったのも大きかったです。5区終了時では11位とちょっと嫌な位置にいましたからね…他チームからの移籍組や新人も年々有力選手が加わるようになって、この調子だと安定してニューイヤー出場を続けることが出来そう。もはや、出場を目指すだけのチームでは無いですし、本番での活躍も楽しみです。

10位:埼玉医科大学G

初出場を決めたのが埼玉医科大学G,こちらも年々戦力を整えてきている印象です。1区三田が区間17位と出遅れたものの、2区タイタスが区間4位の走りで巻き返し、3区終了時は13位と出場圏外に下がってしまいましたが、4区長山が区間8位、5区島田が区間9位と一桁順位でまとめたのが大きく、10位で初出場を果たしました。まだ、ニューイヤーとなると戦力的には厳しいでしょうが、これが第一歩となりますし、初の舞台を楽しんでくれれば。

11位:NDソフト

1区熊倉が区間19位と苦しいスタートも2区ムティソが区間2位の走りで19→11位と一気に出場権内に浮上、その後は照井が3区7位と最長区間で良い走りを見せて総合7位に浮上したのが大きかったです。その後は4区10位の齋藤が最高順位で5区以降はいずれも区間14位以下と苦しい走りとなりましたが、粘っての11位でニューイヤー出場を決めました。補員も3人のみでしたし、ちょっと他のチームと比べると選手層に不安はあるかなあ。それでも、出場を決めたのはさすがです。

12位:コモディイイダ

最後ギリギリの12位で出場を果たしたのはコモディイイダ、1区の松村陣が6位と好スタートを切ったのがまず大きかった。3区の金子も区間9位で粘りました。大事な1区と最長区間の3区、ここでしっかりと耐えたのが大きいです。4区以降は3区間が区間15位と苦しみましたが、それまでの貯金を活かして逃げ切りました。サンベルクスとのスーパー対決も楽しみです。

その他

13位に八千代工業、1区丸山が区間11位も、2区のビヤゼンが区間19位に沈んでしまったのが痛すぎました…さらに、最長区間の3区で白頭が区間18位に沈んでしまい、総合18位…一気に前との差を広げられてしまいました。その後は5区山本が区間7位で走り、アンカー猪浦が区間5位で前との差をどんどん詰めていったものの、41秒届かずにニューイヤー出場とはなりませんでした。。。


14位のプレス工業は1区10位の小松が最も区間順位が良く、外国人選手もいない状況ではちょっと厳しかったかなあ。3区の橋本も区間15位と伸ばせませんでした…小森コーポが15位で続き、こちらも出場ならず…最近精彩を欠いている気がします…金森が1区18位と出遅れてしまうと、その後は1度も一桁順位で走る区間はなく…出場圏内に迫ることも出来ずにそのまま15位というのはちょっと寂しいですね。。。


他には、ニューイヤーの地元SUBARUが5区で途中棄権という憂き目に…通常は認められない当日変更が7区であったりと、何かしらの問題があったのかなあ…4区終了時では10位と通過圏内をキープしていただけに、より悔しい結果となってしまいました。。。

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