第97回(2021年)箱根予選結果雑感 ~順大が圧巻のトップ通過、中央学院がまさかの予選落ち~

暑かった昨年度とは一転し、雨が降る中でのレースとなった箱根予選、今回も波乱のレースとなりました。箱根予選は本当に怖いですね。。。前回の箱根予選で下位に沈んだ城西、山梨学院が箱根返り咲きを果たしたと思ったら、箱根で11位だった中央学院や日大が予選落ちということに…いかに、シードを獲得するのが大事かということを改めて感じました。各大学ごとにレース結果を振り返ります。

1位:順天堂大学

圧倒的な強さを見せたのが順大、10番手でも39位という完璧と言って良い走りで2位の中央にも2分39秒差をつけています。3位の城西とは、6分3秒もの大差をつけていますからね。1,2位が抜けていますが、その中でも順大が凄まじかった。そして、スーパールーキーの三浦が日本人トップの5位、61分41秒というU20記録を塗り替える恐ろしい走り…大迫傑の61分47秒を6秒更新してきました。3000m障害では別格の強さを誇っていましたが、初ハーフとなる箱根予選でこの走り…恐ろしすぎます。


さらに、2年の野村が2番手の12位というのもびっくり…持ちタイムは良かったですが、勝負レースの実績はまだ乏しかったのですが…一気に台頭してきましたね。もう1人のルーキー石井も3番手の21位と順大のルーキーすごすぎます。9番手の36位に清水、10番手の39位に野口と主力の4年生二人がチーム9,10番手…野口でも62分40秒ですから、全く悪くないのですが下級生がすごすぎました。箱根本戦、シード返り咲きどころか上位も十分狙えそう。

2位:中央大学

前回はギリギリの通過だった中央ですが、今回はしっかりと力を発揮しての2位通過、特に順大の三浦と中央の吉居大和というスーパールーキーの争いは激熱でしたね。吉居も61分47秒と素晴らしいタイムで10位、チームトップの走りでトラックだけではなくロードの強さも存分に魅せてくれました。三浦に負けたのは、本人も悔しいでしょうが…


エース格の森、三浦という3年生コンビも20位、25位でまとめていますし、10番手の池田でも73位でしたからね。新戦力の中澤もチーム8番手の58位と好走、チーム全体としても崩れることの無い安定の走りを見せてくれました。前回からは見違える結果でしたね。さすがに順大がすごすぎてトップ通過こそ逃しましたが、箱根シード復活に向けて、大いに期待出来る結果となりました。

3位:城西大学

主力を欠いたことで予選通過も厳しいのでは?と思った城西だったのですが、まさか3位通過を果たすとは…前回惨敗に終わった借りを見事に返してくれました。エースの菊地が8位、菅原が18位に入ってきたのは順当だと思うのですが、そこに砂岡が13位と割って入ってきたのにはびっくりしました。一時は日本人トップ集団の先頭を引っ張っていましたもんね。持ちタイムを伸ばしていた砂岡ですが、ハーフ69分、3大駅伝・予選会通じて初出場の選手がここまで走るとは…素晴らしいです。


100位以内こそ5人とやや少なかったのですが、上位3人が大いに貯金を作ってくれたこと、そして10番手でも159位と粘ってことが上位通過に繋がりました。ルーキーもしっかりと走ってくれましたよね。山本唯、山本樹、野村と3人がチームトップ10以内、いずれも63分台です。そもそも、159位でも63分51秒というコンディションが良く、平坦な周回コースとは言え、好タイム続出でした。城西にとって、1年で箱根復活を果たせたのは大きいです。

4位:神奈川大学

箱根予選で安定した強さを誇る神奈川大ですが、今回もきっちりと4位通過を果たしました。安心して見ていられますね。エースの井手が26位で走ったのは順当ですが呑村がそれを上回る17位で走ったのにはびっくりしました。1万でタイムを伸ばしているとは言え、まだ主力級では無いと思っていたのですが…エース級の走りでした。そして、チーム3~5番手がいずれもルーキーなんですよね。高橋、宇津野と高校時代実績豊富な2人に佐々木も68位で続いてきました。これは今後を見据えても楽しみですよね。


7番手で94位だった西方までが二桁順位、10番手の横澤で113位というのも神奈川らしい安定感ですよね。しっかりと10番手までが崩れずに走れる強さ、エース格の北崎を欠いてもこれだけ走れるのはやはり強いですよね。箱根に向けても、ルーキーが複数人、即戦力として十分に計算出来そうなのは大きいですし、本戦でも活躍が期待されます。

5位:国士舘大学

直近の記録会で良い走りを見せていただけに、期待が高まっていた国士舘ですが、それでも5位通過というのは想像以上に良かったかなあ。エースのヴィンセントは60分21秒で2位と圧巻の走り、大きく稼いでくれました。曽根が52位で日本人トップの走りを見せ、期待のルーキー山本龍も77位でまとめてくれました。100以内は4人しかいませんでしたが、110位までで7番手、10番手の福井でも152位と粘ってくれました。


昨年度、一気に伸びてきた2年生がチーム8~10番手というのはちょっと残念でしたが、もう1人のルーキー中西も108位でまとめていますし、新戦力の台頭も見られました。エースのヴィンセントに頼りすぎないチームになってきたと思いますし、箱根に向けても楽しみは増してきますね。ただ、日本人エースの台頭はやはり待たれるかなあ。往路をもう少し戦える選手がいないと、2区でいくら稼いでも厳しいですから。。。

6位:日本体育大学

日体大も安定の走りで6位通過を果たしました。エースの池田は7位と圧巻の走り、これまでの実績を考えてもこのくらいで走っても全くおかしくないです。藤本も22位と2年連続の好走、頼もしい限りです。そして、復活を遂げた岩室が3番手の63位で走ったのは嬉しいですね。待ち望んだ頼りになる選手が帰ってきてくれました。7番手の野上が87位でここまでが100以内で走っています。


8番手の村越がちょっとここに差が出来てしまったのが中位通過となってしまいましたが、10番手でも149位ですから決して悪くは無いですよね。エースの堅実な走り、主力の復活、中堅どころもしっかりと中位でまとめるという安定の走りでしたね。初出場からの連続出場は最多となる日体大ですが、さらに記録を伸ばすこととなりました。

7位:山梨学院大学

前回の箱根は大惨敗、ムルアを欠き、渡邊もいない山梨学院は正直通過は絶望的だと思ったのですが…失礼しました。まさか7位通過を果たすとは…オニエゴが19位と上々の走り、よくぞここまで成長を果たしましたよね。素晴らしいです。さらに、松倉、瀬戸、橘田までが50位以内という素晴らしい走り、どちらかというとスピードタイプの選手たちが上位に入ってきたのにはびっくりしました。日本人エースの森山が74位と苦戦したのは痛かったですが、8番手の96位だった日影までが100位以内ですからね。


前回は100位以内が2人しかおらず、その2人がエントリー漏れという状況で8人が100以内というのは凄すぎます!!1年でここまで変わるのですね…10番手の大迫も167位で粘り、各選手が持てる力を存分に発揮してくれましたね。箱根に無事に帰ってこれてよかったです。前回の走りはもう本当に厳しすぎて、このまま箱根が遠ざかってしまうのではと思うほどでしたから・・・

8位:法政大学

最初の5kmが明らかに遅く、17位でしたかね…10km地点も16位とまさか法政が予選落ち?と不安になる前半でしたが、後半はしっかりと上げてきての8位通過でした。正直、ファンにとっては心臓に悪い展開ですよね。エースの鎌田が15位とさすがの走り、清家も33位で続いたのは良かったですが、エース格の河田がペースが上がらずに124位だったのはちょっと誤算でしたね…一方で集団走だった松本が3番手の79位で走ったのは収穫です。


ただ、100位以内はわずかに3人だったことを考えると、今回の気象と戦略が合っていたのかはちょっと微妙なところ…予選通過が正義ではありますが…100位以内が3人しかいない一方、10番手でも158位というのは、集団走が機能していたということでもありますよね。10番手の選手までが送れなかったのが、終盤での逆転通過に繋がりました。ただ、本戦に向けては不安の残る結果でもありますね。ここから、どれだけ勝負できるチームを作り上げられるかが大事になってきます。

9位:拓殖大学

ほぼ記録会にも出てこなかったことで戦力状況が分からずも、主力が複数外れたことで通過は厳しいのかもと思った拓殖ですが、9位で通過を果たしてきました。エースのレメティキは60分13秒という驚異的なタイムで全体トップというさすがの走り、2年生になってまた一段と強さを増しています。桐山が2番手の37位に入ってきたのも大きな収穫、吉原も42位で続きました。


7番手の160位だった高橋まではまずまずだったのですが、8番手が208位だったんですよね。10番手の山崎が243位、8位通過までの大学は10番手が全て170位以内だったことを考えると、8位以下が大きく遅れてしまったことが、ボーダー争いに巻き込まれる要因となってしまいました。佐々木、竹蓋という箱根経験者も200位台ですからね…それでも、主力を欠いた中で通過出来たことは大きく、箱根につながる結果と言えるのでは。

10位:専修大学

2013年度に出場して以来、箱根から遠ざかっていた専修大学が7年ぶりの箱根出場を果たしました。前半は出場圏内を走っていても、後半落ちてしまって圏外にはじき出されることも多かったのですが…今回は最後の最後まで何とか粘りましたね。期待のルーキー木村が44位とチームトップの走り、エースの長谷川が抜けた後、新エース候補の木村が台頭というのが大きいですね。さらに、56位の茅野、61位の高瀬など100位以内に6人が入ったのが大きかった。


これまでの実績を見ても、正直ここまで上位で走れるとは思いませんでした…大きく稼ぐ選手こそいませんでしたが、総合力で戦えるチームとなりました。8番手の130位で成島、10番手の水谷で217位と大きく崩れることは無かったですから。本戦は正直厳しい戦いが予想されますが、6年間も3大駅伝出場を逃していたわけですからね…チームにとって非常に価値のある箱根出場となりました。

11位:筑波大学

2年連続の箱根出場を狙った筑波はわずか18秒届かずに11位と次点・・・猿橋が6位、西が9位とトップ10に2人が入るのは素晴らしいですね。1桁順位が2人いたのは筑波大学だけです。岩佐、杉山も続いて4番手で66位は良かったのですが…5番手が143位と中間層が前回に比べて大きく下げてしまったんですよね…200位以内が8人、そして10番手が235位と下位に沈んでしまったことも響き、あと一歩届きませんでした…


主力の相馬が311位と下位に沈んだのも痛かったですね…前回に比べると、エースたちは好走したものの、走るべき選手たちがもう一歩という結果だったかなあ。1人2秒足らずの差で出場を逃すというのは悔しすぎますよね…主力である4年生が揃う今年度は何とか箱根出場を果たしたかったところなのですが…本当に惜しかったです。。。

12位:中央学院大学

上位通過が予想された中央学院が箱根予選落ちというのはまさかまさかの結果でした。前半は良いペースだったのですが、後半にガクッと下がってしまいました。栗原が16位という走りはさすがでしたが、エースの高橋は88位と苦しい走りに…ハーフ61分台を持つ戸口を欠いたのも痛かったです。箱根5区で良い走りを見せた畝は117位、6区で快走した武川が186位などここまで揃って力を発揮出来ないとは…


チームとしても箱根予選トップ通過を狙うという話をしていましたが、ちょっとした油断もあったのかなあ…期待のルーキー伊藤は10番手の190位、10番手で200位以内に10人こそ揃えましたが、100位以内が4人とあまり稼ぐことが出来ず、8番手で184位と沈んでしまったのも痛かったです。それでも、多少失敗したとしても予選落ちはさすがに無いと思っていたのですが。。。…5年連続シードを獲得し、箱根でも11位だった中央学院が予選落ちとは…これが箱根予選の怖さですね…

その他大学

箱根初出場を狙った麗澤は13位、駿河台は15位ということでともに前回からは順位を下げることに…麗澤のエース難波が11位は素晴らしい走りですし、100位以内に4人はしったものの、8番手が225位ではさすがに厳しいですね…駿河台はブヌカが4位も日本人エースの吉里が183位に沈んでしまってはさすがに。。。今回は走りやすいコンディションだったこともあり、そうすると初出場を狙うような大学はちょっと厳しかったのかなあ。。。


大東大は総合16位と2年連続で16位以下…これは相当深刻な状況です。100位以内は三ツ星、片根の2人のみ、4番手の藤崎で175位ですから。。。正直最初から最後までずっと下位に低迷という感じで見せ場も作れず…箱根は相当遠くなってしまいました・・・ここからの箱根復活は非常に厳しそうです。


前回の箱根出場校で最下位が18位だった日本大学、留学生のドゥングがペースダウンしてしまって48位、台頭してきた小坂が81位は上出来も3番手の樋口が118位…日本人エースの樋口がこの順位も不満ですが、4番手の横山が214位とはまさに壊滅的…17位だった東農大に3分19秒差をつけられ、19位の慶應と35秒差というのは、、、監督が変わってこれからという状況で、この大惨敗は今後が非常に不安です。。。

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