第96回(2020年)箱根駅伝 8区の振り返り&気になり ~区間賞:小松(東海)~
続いては、8区における各選手の走りを振り返っていきます。8区結果はこのようになっております。優勝争いが完全に決したと言えるのは9区かもしれませんが、個人的に勝負ありとなったのがこの8区だったかなあと。青学の岩見、東海の小松という争いとなったこの8区、前回区間新記録をマークした小松と4区15位だった岩見、差を詰めるならここしか無いと思ったのですが…
結果として小松は区間賞を獲得しましたが、岩見が1秒差の2位ということで、わずかに1秒しか差を詰めることは出来ず…9区以降を考えても勝負ありだったかなあという印象でした。小松もよく走ってくれましたが、岩見が前回の箱根とは違うということを存分に見せてくれましたよね。
区間3位以降は総合順位でも上位にきている大学が揃って上位にきました。区間3位に帝京の鳥飼、4位に早稲田の太田直という前回も8区を走っている二人が続きました。鳥飼は9位から、太田直は10位からということでともに6つも順位を上げ、この1年で成長した姿を見せてくれました。特に鳥飼は区間4位とも40秒もの大差をつけており、この区間で一気に躍進しましたね。
区間5位に入った東国大の芳賀も前回7区6位と好走している選手、2年連続で箱根で結果を残してくるのも素晴らしいですね。8区は各大学の選手層が問われる区間ですよね。区間6位に東洋の前田、7位に國學院の河東が入りました。前田は全日本6区9位から今回はきっちりと結果を残してくれましたし、河東も3大駅伝デビュー戦ながら落ち着いた走りを披露、ハーフの持ちタイムを伸ばした通りの強さをみせました。
区間8位に明治の櫛田、序盤はペースが遅かったのでどうなることかと思い米sたが、後半上げての上々の走り、加藤の爆走が目立った明治のルーキーでしたが、櫛田もきっちりと区間中位でまとめてくれました。粒ぞろいのルーキーの今後が楽しみです。この区間8位以内の大学は全て8区終了時で総合9位以内に入っている大学なんですよね。総合順位と区間順位がこれだけ連動するのも凄いですね。
そんな上位9位までの大学で、1校だけ一桁に入ってこれなかったのが駒澤の加藤、区間11位の走りで2つ順位を落とすこととなりました。前回の4区11位はともかく、8区でも区間11位になってしまうとは…このままだと、来年度はかなり厳しそうですね。持ちタイムのような走りをなかなか見せられず。。。
シードを争う大学では、中央学院の藤井が区間15位だった一方、創価の鈴木大は区間9位タイで粘りの走り、7秒差にまで迫ることとなりました。総合10位と11位の差は天地のものがありますし、この差が僅かに7秒というのは走る方や応援する方は大変ですが、盛り上がりますよね。
関東連合の吉井は区間9位相当という上々の走りを見せてくれました。大東大も箱根予選ではまさかすぎる結果に終わり、監督も変わりましたが、吉井には新しいチームを引っ張っていってほしいです。区間9位タイには順大のルーキー西澤が入っています。全日本では素晴らしい走りを見せましたが、箱根でも早速一桁順位とはさすがですね。今後は兄を上回るような活躍を見せてくれれば。
ルーキーは先述の前田、櫛田、西澤以外にも、4人が走っていますね。初めて箱根を走るルーキーには、やはり8区というのは負担も少なく走りやすい区間なのかなあ。国士館の清水悠が区間13位、拓殖の佐々木が区間14位、法政の中園が区間18位、日大の若山が区間19位となっています。
清水悠は箱根予選でチーム2番手に入ってびっくりしましたが、今回もまずまずの走りと言えるのではないでしょうか?この走りを見る限り…今後は本人の希望通り箱根5区を担っていくことになりそうかなあ。鼡田が3年連続で走ったように…佐々木は3大駅伝に1年目からフル出場ですね。拓殖では非常に珍しいのでは…ゆくゆくはチームのエースへとなってほしい選手です。
中園はちょっと苦しくなってしまいましたね。今年度は着実に自己ベストを更新していたのですが、3大駅伝デビュー戦はほろ苦いものに…河田が注目されている法政のルーキーですが、中園を始め選手が揃う学年ですし、中園もチームを引っ張る存在となってくれれば。若山は1万で好タイムをマークしたものの、初の箱根は厳しかったですね…松岡、若山と1年生が続けて区間19位となってしまいました。
区間12位に神奈川の安田響、区間16位に中央の矢野が入っています。ともに2年連続の8区であり、安田響は前回よりも区間順位を3つ上げていることを考えても、総合順位が厳しい位置だったことを考えてもまずまずだったかなあ。矢野は逆に前回区間8位で走っていただけに、そこから順位を8つ落としてしまったのは残念でした。中央は大崩れする区間はなかったのですが、逆に大きく稼げる区間も無かったのが痛かったですね。。。
区間17位に日体大の嶋野、区間最下位に筑波の伊藤となりました。箱根予選では3位通過だった日体大ですが、今回の箱根は本当に苦しく…嶋野も箱根予選でチーム10番手でしたが、そこから持ちタイムを伸ばしていたものの、箱根では奮わずでした…筑波はこれで3区間連続の区間最下位となってしまいました。悪い流れに完全にハマってしまったかなあ。単独最下位で走り続けるのはやはり難しいですよね。まして、26年ぶりの箱根となればなおさら。。。
ディスカッション
コメント一覧
青学は全区間、復路に入ってからも入りを突っ込んでましたね。トップは余裕持って走り出ししラストを上げて引き離すという定石ガン無視!攻めて勝ち取った優勝でした。
去年は飄々と走っていた小松でしたが今年は苦しそうでした。区間新ラッシュの波に乗りたかったですが。1秒差の区間賞で意地は見せました。
そうですね、青学の強さを恐ろしいほどに感じました。
小松は・・・2分差を追うのは辛かったですね。
岩見選手はどの選手よりも悔しさを持って1年間過ごしてきたと思うので、1秒差の区間2位は安心したのではないでしょうか。前回の4区起用が失敗みたいな感じでメディアに書かれ、優勝を逃した責任をずっと背負ってきたでしょうから。たしか箱根直前まで絶好調で4区抜擢もおかしくない状況だったはずなんですけどね。
(あの監督が出たがり話したがりだから、良くも悪くも青学はメディアに頻繁に書かれちゃうんですよね)
小松選手も今季はやや存在感が薄かったのですが(というか東海の他の選手が活躍しすぎ!)、去年の走りがまぐれではないことを示した区間賞だと思います。岩見選手と差を作れなかったのは、これが本来の岩見選手の実力だと思いますので、仕方がないと思います。
うーん、前回の箱根は4区よりも5区かなあと思いますけどね、優勝を逃したのは。
まあ、青学はメディアに出る戦略をとっているので、よくも悪くも注目されるのに
強くなければやっていられないかと。
小松は2年連続の区間賞はさすがでした。
岩見は前回の悪夢を払拭する見事な走りでしたね。
小松は前回と違って前が見えなかったのが焦りに繋がったと思います。
小松もよく走ったとは思いますけどねー。
岩見も素晴らしい走りでした。
管理人さんの言うとおり、8区(と7区)層の厚さの差があらわれる区間。
次年度以降を見据えて1・2年生の出走が多かった。1年生は他区間に比べ最多の7人。
逆に、次の9区はゼロ、10区は一人。
ここに小松を出せる東海はすごいけど、1秒しか差を詰められなかった岩見をほめるべきかな。
昨年は並走した東洋の鈴木がペースを落とさずのれたのに対し、今回は2分差を追うのが影響したかな。
そうですね、こういう区間に力のある選手を起用出来るのが
優勝や上位を狙える大学ですよね。
どうしても先行している大学は有利ですしね~
あの展開では小松でも厳しいですよね・・・
おっしゃる通りここで勝負アリって感じでしたね。小松も頑張ったとは思いますが去年は東洋と競った状況での区間新だったので今回は難しい走りでしたかね。それより岩見の成長度合いのすごさが上回りました。
鳥飼の好走は素晴らしかった。来年は5区候補ですね。
そうですねー、みんな良い走りでしたが、
結果として往路の差がそのままという形でした。
鳥飼が5区ですかあ。見てみたい気もしますが、
みんな5区で苦戦気味なのが気になります。