第96回(2020年)箱根駅伝 6区の振り返り&気になり ~区間賞:館澤(東海)~

続いては、6区における各選手の走りを振り返っていきます。6区結果はこのようになっております。この区間でとんでもない走りを見せたのが東海の館澤、6区の山下りは故障明けの選手には比較的厳しいと思っているのですが…序盤の上りをハイペースで突っ込み、それでいてラストの平地3kmでもペースが落ちない驚異の走りで57分17秒という区間賞&区間新記録を叩き出しました。ようやく58分の壁が破られたと思ったら、次は57分の壁がもう見えてきましたね…


6区で好走経験のある選手でも故障明けの6区は厳しく、前回区間4位で走っている法政の坪井は区間15位、前回区間5位だった帝京の島貫も区間13位に留まっています。いずれも故障明けで全日本を回避していた二人、実力も実績もあっても万全でないと難しい区間です。それだけに、館澤の爆走ぶりが際立ちます。


区間2位に東洋の今西が入ってきたのも順当ですね。前回も区間3位で走っている実力者ですし、館澤とも17秒差という好タイムでこちらも区間新の快走、今回は非常に苦しんだ東洋でしたが、山だけは完璧と言って良い2区間となりました。


区間3位に青学の谷野が入ってきたのにもびっくりしました。高校ベストは15分台、1500mのスピードはあるものの3大駅伝のエントリーも初めての選手が最初で最後の箱根駅伝で素晴らしい走りを見せる、これも青学の強さですね。区間4位に日大の宮崎が入ってきたのもさらなる驚きでした。ハーフで63分台をマークして力は付いているとは思っていましたが、前回は区間16位、それがいきなり58分21秒を叩き出しての走りですからね。苦しんだ日大にとって大きな希望の光となりました。


6区最大のサプライズは区間5位で走った中央学院の武川でしょうか。高校時代は野球部で本格的に陸上を始めたのは大学から、さらに「武川 流以名」というかっこよすぎる名前も相まって気になっている選手の1人なのですが…1年の箱根で6区に抜擢され、さらに58分25秒で走ってしまうのですから、もう信じられません。今後、どれだけの成長を遂げていくのかが楽しみです。


区間6位に駒澤の大成、7位に明治の前田という前回もともに一桁順位で走っている二人が今回も安定の走りを見せてくれました。大成も4年生が苦しむ中でしっかりとまとめてきたのはさすがですし、前田も前回の8位から1つ順位を上げ、好位置を保ったままエースの阿部につなぐ事ができたのが大きかったです。


区間8位に國學院の島崎、後ろから凄まじい走りを見せてきた東海の館澤に迫られましたが、何とか総合2位は死守、凌ぐ区間も多いと思っていた復路でまず6区で良い走りを見せたのも大きかったです。関東連合の竹下が区間9位相当に入ってきたのもびっくりでしたね。この区間はタイムも上位で走った選手も様々な驚きがありましたが…関東連合もまずは復路の一斉スタートで見せ場を作りました。


区間9位に国士館の曽根、10位に中央の若林が入ったのもそれぞれ良い走りでしたねー。国士館はとにかく箱根6区は鬼門中の鬼門と思えるほど苦手としていましたが、それが一桁順位で走ってくる選手が現れるとは…トラックで持ちタイムを伸ばし、全日本予選も走っていますが、箱根予選も箱根も未経験だった選手、長い距離は難しいかと思いきや、びっくりの走りでした。若林もトラックのタイムは良いものの、長い距離となるとまだ厳しいかと思っていたのですが…スピードのある選手が箱根6区でも結果を残してきました。


区間11位に神奈川の森、12位に順大の清水という今年度に結果を残してきた2人が入りました。森は箱根予選でチームトップの走りを見せている選手ですからね。6区はもったいない気もしていたのですが、さらに区間中位となるとますます残念だった気が…清水も全日本で3区5位とようやく3大駅伝でも結果を残してきていただけに、区間12位はちょっと物足りない結果となってしまったかなあ。


区間14位に日体大の廻谷、16位に創価の葛西と期待された二人も下位に沈んでしまうことに。廻谷は箱根予選ではチーム5番手で走っていたものの、箱根は3年連続で区間14位以下ということに…前年度は出雲や全日本で好走しましたが、箱根では苦しんだ3年間となりました。葛西も期待のルーキーとして往路の主要区間を走ってもおかしくないと思わましたが意外な6区、そしてこの順位は満足のいくものではなかったでしょう。


区間17位に東国大の大上、18位に拓殖の玉澤が入ってきました。往路で素晴らしい走りを見せた東国大、6区の大上も秘密兵器のような位置づけかと思いましたが、さすがにいきなりの箱根6区は厳しかったか…ほろ苦い箱根デビューとなってしまいました。玉澤は最初で最後の3大駅伝出場をつかみ取りましたが、苦しい走りに…ここでシード権とは大きく離されてしまい、以後はシード争いに加わることも出来なくなってしまいました。


区間19位に早稲田の半澤、20位に筑波の岩佐となっています。半澤はもともとスピードのある選手でコンディションも上がってきているという話だったのですが、初の箱根路は厳しいものに…3大駅伝は3度出場もまだ好走経験がなく、中谷・千明・太田直といった同学年の選手たちに比べて苦戦が続いています。岩佐は箱根予選で121位とまずまずの走りを見せていましたが…箱根6区苦しい結果となりました。まだルーキーですし、今後も楽しみな選手ですよね。ただ、区間20位でも61分10秒というのが凄いですね。少し前ならば区間中位でもおかしくなかったタイムなのですが…

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