第96回(2020年)箱根駅伝 2区の振り返り&気になり ~区間賞&区間新:相澤(東洋)~
続いては、華の2区について振り返ります。2区結果はこのようになっております。 今回の2区も衝撃的な結果となりました。まずは、東洋の相澤、東国大の伊藤という二人の驚異的な追い上げですよね。相澤が伊藤よりも13秒後ろでスタートという状況がまた絶妙でしたよね。二人でどんどん前を追っていき、そして最後に伊藤を突き放す相澤の驚異的な強さ…
65分57秒という日本人歴代最高だけではなく、モグスが持つ2区の区間記録さえ上回り、区間新記録を叩き出し、14→7位と7つ順位を上げ、MVPも獲得しました。相澤がどんな走りを見せるのか圧倒的な注目度の中、その期待に十分すぎるほどに応える走り、まさに大学生最強ランナーにふさわしいですね。
伊藤も66分18秒と相澤とはわずかに21秒差ですからね。全日本での驚異的な走りに続いて箱根でもその存在感を存分に見せつけ、13→8位と5つ順位を上げています。
トップ争いも熾烈でした。箱根1区でトップと20秒差以内だった上位8校のうち、帝京を除く7校が先頭集団を形成しました。今回の展開では、1区で出遅れなかったチームは大きかったですよね。そんな先頭集団の中では、青学のルーキー岸本が67分3秒で区間5位、いきなりルーキー最高タイムを1分以上更新するという驚異的な走りを見せました。2区に抜擢され、いきなりこの走りを見せてトップで襷を渡すとは…恐ろしいルーキーですね。青学の2区をいきなり任せられるだけのことはあります。
早稲田の太田智が区間6位、東海の塩澤が区間7位、國學院の土方が区間8位、帝京の星が区間9位と2区終了時で1~5位だった大学がこの区間で5~9位をそのまま占めることとなりました。きっちりと先頭集団に喰らいついた太田智、塩澤、土方もさすがですが、あえて先頭集団につかなかった星もさすがですね。自身のペースを一人できっちりと守り、先頭との差を最小限に留めました。
先頭集団に喰らいついていった大学では、創価のムイルが区間11位、中央学院の川村が区間14位、日体大の山口が区間15位ということで、こちらはハイペースの先頭集団に喰らいついていった結果、落ちてからちょっと粘れなかったですかねえ…どこまで先頭集団についていくかという判断も難しかったですよね。
後方からのスタートになった留学生2人も良い走りを見せてくれました。最下位スタートだった国士館のヴィンセントは66分台で区間4位とあの位置からでも流石の走り、ただ前回の住吉のようにやはり1区を中位で走れる選手がいないと、その力は活きないですよね…総合16位に上がるに留まりましたし…
拓大のレメティキは伊藤と区間2位タイで66分18秒というこちらも素晴らしいタイム、総合17位スタートで単独走が多くなる難しい状況の中、見事な走りで総合11位まで順位をあげてきました。拓大の留学生がここまで箱根で爆走することは無かったような気が…まだ1年ですし、今後も楽しみです。
ともに区間中位でスタートした明治の加藤と駒澤の山下は明暗分かれた感じですね。加藤が2区抜擢はびっくりしましたが、最初は離されるも後半は上げて67分52秒とこちらもルーキー歴代最高を更新して区間10位は上出来と言って良いでしょう。故障明けで上尾ハーフで好走したと思ったら、いきなりこの快走…今後も2区を担い続ける選手になってくれれば。
山下は後ろから相澤、伊藤に追いつかれてもあっさり離されましたし、今回これだけタイムが上がった中で前回よりもタイムを下げてしまい、区間13位はタイム・順位ともに満足のいくものでは無かったですね。1,2区にエース格2人を起用して総合13位と最悪の出だしになってしまいました。。。
4人走った留学生では日大のドゥングが区間12位で最下位となってしまいました。ドゥングは箱根予選こそ4位と上々の走りでしたが、全日本予選、そしてこの箱根となかなか結果を残せていないのが気がかりですね…実業団経由ということで、1年目から大活躍を期待していたのですが…
区間16位だった順大の藤曲、区間17位だった中央の川崎、区間18位だった法政の鎌田はいずれも1区の区間順位と似たような区間順位となってしまい、力を発揮しきれなかったかなあ。特に順大と中央前回はともに塩尻、堀尾というエースを擁していただけに、二人が抜けた穴を改めて感じてしまう結果ともなりました。鎌田は前と離れた19位、さらに後ろのヴィンセントにあっという間に抜かれて単独最下位という状況の中、よく走ってくれたと思います。
区間19位に筑波の金丸、さすがにこのハイペースの2区は厳しいですよね。ただ、箱根予選でチームトップの13位だったことを考えると、もう少し粘りたかったかなあ。関東連合の山口も区間20位相当ということで、どうしても関東連合は往路の主要区間で苦しくなりやすいですよね。総合力で勝負するチームになりやすいだけに…
区間最下位に神奈川の北崎、これは痛かったですね…西方が区間中位で粘れていただけに、12→19位と7つも順位を落としてしまいました。区間19位とも1分48秒もの大差をつけられてしまいましたし、神奈川のシードへの道は実質この2区で消え去ることになってしまいました。前回の箱根以降は勝負レースで結果を残し続けていた北崎なだけに、なおさらな残念な結果になってしまいました。
ディスカッション
コメント一覧
明治の加藤は、区間エントリー時点では自分を含めて「当て馬要員」予想が大半だったと思います。
それがフタを開けてみれば、青学の岸本の陰には隠れるも2区の1年生記録を上回る走りで驚きました。個人的には明治のシード権獲得の「陰のMVP」に挙げたいです。
そうですね、私も当日変更だと思っていました。
むしろ、手嶋のコンディションが悪いのかと思ってしまいました。
それがびっくりの快走でしたね。間違いなく、シードの立役者だと思います。
本当に相澤くんの走りは素晴らしかったです。伊藤くんと競り合ったのも、うまく記録に繋がりましたね。実業団での活躍も今から楽しみです。
結果としては最もタイムを出しやすい展開となりましたね。
すでにニューイヤー4連覇中の旭化成に入ると、まさに鬼に金棒かと・・・
個人的に思うことですが、もし、ヴェイパーフライ着用の渡辺康、三代、モグス、設楽、村山、塩尻が走ったらどんな記録が出たのかなとは思います。実際走ってないけど、そういった楽しい想像を掻き立てられる今年の2区でしたね。
東国大のヴィンセントが、走ったらどうなるかはかなり気になります。
色々なものが進化していくものですし、今回はシューズの進化が著しかったということですね。
ただ、もちろん選手の実力あってものだと思います。
2区は何と言っても相澤でしょう。塩尻を超えるとは思ってましたがまさか5分台でモグス超えとは…
伊藤が相澤の後ろに付くとかじゃなく相澤にライバル心剥き出しで絶対勝つ気で並走してきたのがよかったのでしょうね。
星の無理に先頭集団に付かず淡々と走り、先頭集団から落ちてきた選手を吸収し抜いて行くクレバーさはもっと評価されていいと思います。TV中継では全然触れませんでしたが…(というか箱根駅伝の中継は基本的に帝京のことはスルー)
5分台はびっくりしましたね。さすがは相澤です。
伊藤の走りも驚異的でした。
星の走りも良かったですよね。無理せず、しっかりと好位置をキープしていました。
1区でハイペースの中、創価がトップできたのに驚かされたのを上回る衝撃の2区。
3区以降も衝撃が続くとは予想していなかったので、この時点では「相澤すげえ!」を繰り返していた。
相澤単独でも区間記録は上回ったのかもしれないけど、伊藤との並走が相乗効果を生んだんだろう。
「楽しそう」に走っていた感じで、見ていても気持ちよかったですね。
伊藤と競ることは、相澤にとっても伊藤にとっても大きかったと思います。
お互いに認めている選手でしょうし。
ハイレベルな2区でしたね。
管理人さんが書いている通り、相澤選手と伊藤選手のスタート差が絶妙でした。差が大きかった場合はもちろん、相澤選手が前だった場合も並走になっていたかどうか。途中で会話をしていたようにも見えましたが、良いライバル関係を築けているようで、今後も切磋琢磨してもらえれば。
岸本選手もびっくりですが、明治の加藤選手も良かったですね。エントリー変更なしの時点では、また明治伝統の調整ミスがあったのかと思いました。
相澤も伊藤も力を発揮しやすい位置でしたね。実業団での活躍も楽しみです。
岸本、加藤とルーキーの走りも良かったですね。
1年目であれだけ箱根2区で結果を残せるのが凄いです。