ニューイヤー駅伝2020 結果雑感 ~旭化成が6,7区で突き放し、4連覇を達成~

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。ニューイヤー駅伝、戦前の2強と言われた旭化成とTOYOTAの争いに予想通りなりましたが、6区で旭化成の強さを見せましたね。さすが選手層抜群の旭化成のおいて、高卒2年目でニューイヤー駅伝のメンバーに入ってくるだけのことはあります。区間ごとにレース結果を振り返っていきます。

~1区(12.3km)~

今回はいきなりトーエネックの弾馬が飛び出したり、TOYOTAの藤本が抜け出したりとハイペースで進んでいきましたね。スローペースで牽制するよりは、こういうハイペースの争いの方が面白いですねえ。ただ、藤本は区間6位で粘りましたが、弾馬は27位、その弾馬に唯一ついていったMHPSの的野は区間32位と出遅れてしまいました。特に前回4秒差の2位に入ったMHPSとしては、痛恨の出遅れになってしまったか。


ラストのスパート合戦を制したのはJR東日本の大隅、素晴らしいスパートでしたね。JR東日本が過去最高順位に入ったのは、間違いなく大隅の好スタートが大きかったです。2位に旭化成の茂木が2秒差で続き、予定通りでしょう。復活を遂げた茂木の安心感は抜群です。さらに、トップと5秒差の3位にHONDAの小山が続き、こちらも優勝を狙うチームとして良い走りでしたね。藤本もトップと14秒差ですし、優勝を狙う大学としては、MHPS以外はまずまずかなあ。

~2区(8.3km)~

唯一外国人選手が起用可能な最短区間、37人中32人が外国人選手となっていますね。高校や大学と違い、外国人選手を起用するのが当たり前になっていますし、見ている側にとってももはや違和感は無いのでは。ただ、同じ外国人選手でも今回はかなり差が開きましたね。


区間記録に迫るような走りを見せた九電工のコエチが区間賞、九電工は以前も世界陸上でメダルを獲得するようなタヌイがいましたが、コエチも凄い。。。安川電機のトゥルが9秒差の2位、小森コーポのシトニックが12秒差の3位となっています。旭化成のアブラハムは33秒差の10位とまずまずかなあ。日本ラストランということで、しっかりとまとめました。


一方で、トヨタのコシンベイは1分差の18位、HONDAのキルイは1分43秒差の31位となっており、ここで一気に遅れてしまいましたね。特にHONDAは痛かった。。。

~3区(13.6km)~

追い風という好条件もあって区間記録連発となった3区、ここでトヨタの西山が区間賞&区間新の走りで一気に優勝戦線に復帰しました。正直、層の厚いトヨタではなかなかニューイヤー出場の機会を掴むのは難しいかと思っていましたが、まさか3区を任されるまでになり、しかも区間新記録とはびっくりでした。一気に伸びてきましたね。


3秒差の区間2位にHondaの中山、ともに2区で下がってしまった2チームが3区で一気に巻き返してきました。トヨタは総合3位、HONDAも9位まで順位を上げています。それにしても、中山は故障明けだったはずなのですが…凄まじいですね。本当に中央大学時代に準部員から昇格出来てよかった…こんな素晴らしいランナーに成長するとは。


カネボウの矢野、中電工の相葉が区間3位タイでこちらも区間記録、相葉も関東・関西以外の大学出身でここまで伸びてくるのは珍しいですよね。矢野も日清食品Gからの移籍でどうなるかと思いましたが、カネボウで活躍していて何よりです。総合では旭化成がトップをキープ、カネボウが2位、トヨタが3位となっていますね。

~4区(22.4km)~

エースが揃う4区、ここで区間賞&区間新を叩き出したのがMHPSの井上、MGC
はまさかの最下位でしたが、やはり強いですよね。是非、マラソンで日本記録に挑戦して欲しいです。26秒差の区間2位にトーエネックの河合が入ったのはビックリしました。河合も年々力をつけてきていますよね。日本選手権にも出場するほどですし。


39秒差の区間3位にHONDAの悠太ということで、こちらも悔しいMGCから戻してきましたね。ただ、井上に負けたのは本人としても悔しかったのでは。井上、悠太の二人は残り1枠を狙えるとしたら最有力の2人ですし、まずはここで好走したのは良かったです。


優勝を争う大学としては、トヨタの大石が区間4位の走りでトップを奪取、旭化成の市田孝は区間9位の走りで総合2位、トップと12秒差となっており、全く優勝争いは予断を許さないことに。高久が区間12位だったヤクルトが3位、HONDAが4位に浮上しました。区間順位ではJR東日本の作田が区間5位とこちらも叩き上げの選手が上位に。区間6位に中国電力の岡本とこちらも本当に息の長い選手ですね。。。これだけトップクラスで居続けることが本当に凄いです。

~5区(15.8km)~

区間賞を獲得したのは旭化成の謙太、最初に勇馬に話されたときは厳しいかと思いましたが、後半は再び差を詰める見事な走り、トップと5秒差にまで迫りました。同じく優勝争いをする勇馬も区間3位とさすがの走り、故障明けということで走り終わった後もやや痛そうだったのは気になりましたが、走れば結果を残す選手ですよね。


その二人に割って入ったのがコニカミノルタの山本、トップと3秒差の区間2位で総合12位まで順位を上げています。さらに区間4位タイでJR東日本の黒川、トヨタ紡織の山田と続きました。JR東日本はこれまで入賞経験もありませんでしたが、外国人選手が加わり、さらに選手層も厚くなってきたことで総合8位と入賞圏内にまで入ってきましたね。

~6区(12.1km)~

毎年、優勝争いが決することも多い6区ですが、今回も決着は6区と言って良いでしょう。旭化成の高卒2年目である小野が区間新の走りで一気にトップを逆転、後続を突き放す走りで区間2位に29秒差、総合2位にも46秒という差をつけました。トヨタは実力者の田中ということで、この区間はトヨタに分があるかと思っていましたが、さすがは日本トップクラスの選手層を誇る旭化成で7人に入るだけのことはあります。


一方の田中も区間4位ですから、決して悪い走りでは無かったのですが…今回は小野が凄すぎましたね。。。トップと29秒差の区間2位にはJR東日本の其田が入ってきました。好走を続けるJR東日本でしたが、この走りで総合5位にまで浮上しました。トヨタの西山といい、JR東日本の黒川・其田といい、実業団ではそれほど目立っていなかった駒澤OBが活躍しているのは、嬉しいなあと…


GMOインターネットの林も区間3位の走りで総合4位を死守、初出場ながら実力者が揃うだけのことはありますね。区間4位タイでは日本選手権1万mの覇者でもある住友電工の田村和がさすがの走り、区間6位にはHONDAの山中が入ってきました。山中も故障続きだったことから、一度チームを離れてから戻ってきて、結果を残しているのも嬉しいですね。大学時代の快走は忘れられませんし、完全復活してほしい。

~7区(15.5km)~

優勝が決まる最終区間の7区、ここに鎧坂を配置出来るのが旭化成の強さですね。区間新の爆走、区間2位に58秒差もの大差をつける走りで4連覇のゴールテープを切りました。この区間だけで総合2位にも1分43秒差をつけましたし、結果として圧勝でしたね。旭化成の強さを存分に見せつけることに。ここに、紘太や大六野、山本修らが控え、さらに来年は大学最強を誇る相澤が加わるという…まだまだ、旭化成の天下は続くかも・・・


総合2位のトヨタ自動車も5区までは良い勝負を繰り広げたんですけどね。優勝するにはもう一歩足りなかったかなあ…トヨタも選手層の厚さは抜群のはずなのですが、、、また、来年は旭化成の5連覇を阻む筆頭として望んでくれることでしょう。HONDAは原が区間4位の走りで総合3位を死守、悠太を欠いた前年度は沈んでしまいましたが、小山・中山とルーキーが好走し、悠太がいる布陣は強力ですし、今後も期待出来そうです。



4位争い、入賞争いともに最後まで分からない面白い争いでしたが…4位争いはJR東日本の寺田が制し、過去最高順位を達成。JR東日本の強さも目立ちましたよね~良い選手はいましたが、ようやくチームとして噛み合ってきた印象です。5位には初出場のGMOインターネット、さすがに即優勝とはなりませんでしたが、青学、上武OBを中心に有力選手がズラッと揃っていますし、今後も上位争いに加わっていきそうですからね。


6人の争いとなった6位争い、チーム人が入賞、3人が圏外となるわけですが…愛三工業の中西が6位でトップ、ヤクルトの高宮が7位、そしてコニカミノルタの宇賀地が8位入賞を果たしました。宇賀地はニューイヤーのラストレース、そしてラストの切れ味は正直無く、さらに後ろから追ってきたこともあって、最後まで争っての入賞は厳しいと思っていたのですが…見せてくれますね。宇賀地の走りは心に響くものがあります。。。


9位にカネボウの文元、10位にマツダの圓井、11位に安川電機の北島となりました。惜しくも入賞届かずですが、圓井や北島といったベテラン勢も頑張っていますね。MHPSは総合17位と井上以外は全体的にあまり振るわなかったかなあ。。。


さあ、OBが活躍したニューイヤー駅伝が終わり、明日・明後日はいよいよ箱根駅伝です。各選手がもてる力を発揮し、悔いの無い走りをしてくれれば!!

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