東海大学 2019年度 出雲、全日本結果&箱根に向けて

続いては東海大学について、出雲、全日本の結果を振り返りつつ、箱根への展望も書いていきます。出雲・全日本結果はこのようになっております。 出雲では主力の4年生が奮わずに4位で早くも3冠の夢は途絶えてしまいましたが、全日本では3年生の活躍もあり、アンカー勝負を制して見事に優勝を果たしました。あれだけ主力を欠いた中で優勝してしまうのが凄い…

出雲振り返り

1区西川が区間4位と上々のスタート、関東勢トップの2位とも差が無かったですし、良い走りだったと思います。ただ、2区でエース格の一人である阪口が区間6位と苦しい走りに…3000m障害で日本選手権を制した選手がここでは厳しかったですね。3区に起用された塩澤も区間6位とエース級が揃う区間ではありましたが、優勝を狙う大学としては物足りない結果に。


そんな中、3大駅伝デビュー&唯一下級生で出場した市村が区間2位と素晴らしい走り、力をつけてきているという前評判に違わぬ見事な走りを見せました。しかし、5区を走ったエース格の1人である鬼塚は区間4位に留まることに。阪口、鬼塚という4年生の主力コンビが奮わなかったのが、痛かったですね。


そんな中でも、アンカーを任された西田が区間2位の走りで前を猛追、総合順位こそ4位ですが、優勝した國學院とも20秒差ですし、箱根5区以外でも強いことを十分に見せてくれました。

全日本振り返り

いくら出雲で奮わなかったとはいえ、阪口、鬼塚の主力をバッサリと外せるのが、東海の驚異的な選手層を物語っています。1区を任された小松がトップと9秒差の3位と好スタート、2区西川こそ区間10位とやや苦しみ、総合6位まで後退しましたが…3区塩澤が区間3位、そして4区西田が区間賞の走りで一気にトップに迫りました。3年生の活躍が目立つ結果となりましたね。


5区市村が区間7位もトップの座を奪うと、6区郡司が区間賞でトップをキープ、ここまでは理想的な展開と言って良いでしょう。しかし、7区の松尾が区間8位で青学に2秒差とはいえ、トップの座を明け渡すことに…ただ、松尾も追いつかれてから粘れたのは大きかったですね。あのまま引き離されていたら、前年度の悪夢が思い出されるところでしたが…


最終区を任された名取は強かった。故障に苦しんだ2年間から今年度はハーフ路線で好結果を連発していましたが、3大駅伝デビューにして最長区間、そしてアンカー勝負という大きなプレッシャーのある中、あっという間に青学を引き離すと、そのままどんどん差を広げて57分46秒という圧巻の走りで区間2位、見事に優勝のゴールテープを切りました。今回は3年生トリオ、そして小松、郡司という出雲を走れなかった4年生の活躍が目立つ結果となりました。

箱根に向けて

出雲で苦しんだときはどうなるかと思いましたが、全日本の優勝を経て再び優勝候補筆頭に躍り出たのでは無いでしょうか。現状で5強とも言われる他の大学と比較して圧倒的に優位に立っているのが選手層の厚さです。今回の全日本では館澤、阪口、鬼塚、關といった高校時代から実績のある4年生が揃って外れました。それでも優勝出来てしまうほどの選手層。


エース級であっても不調であれば代わりの選手を起用出来るのが、全日本の優勝に繋がりましたし、箱根でも同じような戦略をとることが狩野です。そして、この戦略をとることが出来るのは実質東海だけなんですよね。青学、駒澤、東洋、國學院はどちらかといえば東海を上回るようなエースはいるけれども、選手層は決して厚くないという状況なだけに、この差は特に10区間そして距離も長くなる箱根においては大きなアドバンテージとなるでしょう。


そして、数少ない東海の不安要素だと思っていた2区を誰に任せるのかという問題も全日本の結果から解決しそうなんですよね。名取がまさに2区に相応しいのではないかと。全日本できっちりと走ってくれれば、箱根では9区を任せられるかなあなんて思っていたのですが…区間2位、國學院の土方や駒澤の山下といった箱根2区で好走経験のある選手たちを上回る走りを見ると、十分に戦えそうな気がしますね。


前回も湯澤が区間8位も68分1桁で走ってくれたのがその後の優勝へと繋がりましたし、それ以上の走りも期待できそうなほどです。前回の箱根優勝メンバーからは8人が残っていますし、5区には前年度からさらに力をつけた西田が君臨、6区は前回2位の中島がいます。中島はコンディションが気になるところですが、最後の箱根に向けて調整しているという話だったので、前年度ほどの走りは難しくとも、崩れることは無いのでは…


全日本を走った8人はそのまま箱根を走ってもおかしくない選手が揃っていますし、ここに出雲を走った鬼塚、阪口を加えるだけでもう10人を超えてしまいます。さらに、前回も好走している館澤も走れるまでに回復してきましたし、4年生が箱根にしっかりと合わせてきてくれればまさに驚異的な戦力となりそう。


3年生は全日本トリオ以外では鈴木が63分31秒とハーフを伸ばしてきているのが好材料。2年生は現状では市村以外はちょっと台頭してきている選手はいないかなあ。本間もまだまだ厳しそうですし。1年生は飯澤の大活躍が目立ちましたが、長い距離となると可能性があるのは松崎の方かなあ。1,2年生が現状選手層が薄いのは来年度以降に向けては課題ではありますが、今年度に限って言えば3,4年生だけで箱根を走るに相応しい選手を16人揃えることも可能なほどになっています。


史上最強世代とも黄金世代とも言われる学年がついに最終学年となり、何が何でも箱根2連覇は達成したいでしょうし、最も箱根優勝に近いのが東海だと思っています。圧倒的な戦力を武器に前評判通りに東海が2連覇&2冠を達成するのか、箱根&全日本王者の走りから目が離せません!!!

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