選手特集(20卒) 東京国際大学:伊藤 達彦 ~進化が止まらないチームを牽引する絶対的エース~

2020年2月2日

続いては、東京国際大学の伊藤 達彦について、これまでの走りを振り返っていきます。これまで紹介してきた4年生の中でも、高校までの実績は最も乏しい選手と言って良いのでは無いでしょうか?それが、ユニバ代表となり、銅メダルを獲得するまでの選手になってしまうのですから、その成長ぶりはとんでもないですね。。。

中学・高校時代

浜松の北部中学校、浜松商業高校時代は目立った活躍は無かったですね…静岡県には同学年に中学時代から世代トップで今も早稲田のエースとして君臨する太田智がいましたし、都大路となると加藤学園が3年間出場しています。静岡県は加藤学園、浜松日体、浜松商業など有力校が複数あることもあって、都道府県対抗としても出場は遠いですよね。。。


トラックでも、5千のベストは14分33秒止まり、国体やインターハイといった舞台への出場経験も無いですし、高校時代には目立った実績は無かったというのが正直な印象です。

大学1年

東国大に進学すると、1年の全日本予選からいきなり3組を任されることに。それだけ期待の選手だったということでしょう。ただ、この時は31分33秒かかってしまい、組36位とほろ苦いデビュー戦となりました。箱根予選にも早速出場していますが、こちらはチーム6番手の166位止まり、1年目はまだまだという印象でしたねえ。

大学2年

台頭し始めたのは2年時、関東インカレでは1万mに出場して29位と関東インカレではさすがに厳しかったですが…全日本予選では2年連続で3組を任されると、29分34秒で18位と上々の走りを見せています。


箱根予選では、28位とチーム2番手の素晴らしい走りを見せ、あっという間に主力へと上り詰めることに。チームが2度目の箱根出場を果たす中で大きな役割を果たしました。さらに、1万mでは28分46秒を叩き出し、28分台ランナーとなりました。主力どころかもう日本人エースとして呼ぶにふさわしい実績を残すことに。


箱根では、留学生を擁するチームながら、エース区間の2区を任されることに。ただ、ここでは1区で最下位という非常に苦しい位置で襷を受け取ったこともあり、区間15位という結果に終わっています。いくらエースでも、さすがにこの状況で好走を見せるのは容易では無いですね…都道府県対抗にも静岡県代表として出場、3区29位という走りでした。この1年間の成長ぶりはまさに圧倒的と呼べるものでした~

大学3年

関東インカレでは5000mに出場するも24位、なかなか関東インカレでは結果を残せないんですよね。。。全日本予選では万全で無かったのか2組を任されて16位、2組の時点で厳しいとは思っていましたが、やはりここではらしくない走りでしたね…


それでも、箱根予選ではチーム3番手の32位とさすがはエースの走りを見せました。2年連続で最も大事なレースの1つである箱根予選で結果を残したのが素晴らしいですね~持ちタイムでも、5千では14分ジャスト、1万mでは28分28秒と自己ベストを連発しました。特に1万の28分28秒は他大のエースたちに引けを取らない素晴らしいタイムです。


箱根では2年連続でエース区間の2区を担当、今回は1区をタイタスが8位と好位置で襷を渡してくれたこともあり、68分36秒で区間11位と上々の走りを見せました。チームは総合15位でシードには届きませんでしたが、今後のシード獲得に向けて期待が高まる結果となりました。


箱根後は、都道府県対抗で2年連続の3区を任されて区間24位で走っています。そして、大学ベストレースと言っても良いのが学生ハーフでは無いでしょうか。ユニバ代表を争う大会のため、各大学のエース格が揃うハイレベルなレースの中、61分52秒を叩き出して3位、見事に代表の座を射止める素晴らしい走りを見せました。2年の飛躍も凄かったですが、3年の飛躍も素晴らしい…

大学4年

4月に5千で13分53秒をマークし、自己ベストを7秒更新する好スタートを切りました。となると、最後の関東インカレに俄然期待が高まります。しかし、1万mに出場して30分39秒の23位…あらゆるレースで結果を残し続けた伊藤なのですが、関東インカレだけは1度も好走と呼べる結果を残せなかったのは意外ですね。。。


それでも、チームとして初出場を狙った全日本予選では、28分58秒をマークして10位と素晴らしい走り、チームとして戦う大舞台の方が得意ということなのでしょうか。素晴らしい走りでチームの全日本初出場をトップ通過で決めました。ユニバハーフでは中国選手の棄権もありましたが見事に3位で銅メダルを獲得する快挙を成し遂げました。


そして迎える最後の駅伝シーズン、まずは箱根予選ですが過去2年間はいずれも30位前後…学生ハーフ&ユニバハーフでいずれも3位になっていることを考えると、箱根シード校が出場しない箱根予選では日本人トップ争いをして欲しいですよね~正直、今の伊藤ならば日本人トップを獲得しても驚かないですし。。。


全日本は箱根予選と連戦となって非常に厳しいスケジュールなだけに、本来であれば走ってほしい7,8区よりは、1,2区あたりを任せるのが無難に思えます。後半に選手を残すほどの余裕も無いでしょうし、トップ通過とは言え全日本は初めての舞台ですからね。エースとして、箱根予選、全日本とチームを牽引してくれれば。


今のチーム力からすれば、箱根予選の通過はかなり有力に挙げられると思います。前回は6位通過でしたが、箱根シードを狙うのであればこれ以上の順位を期待したいところですね。箱根に順当に出場したとなると、走る区間はちょっと悩ましいですね…


もちろん、過去2度走っている2区が最有力なのでしょうし、私も2区を走る伊藤が見たいところですが…今回はビンセントという強力な留学生ルーキーがいますからね。どちらかが2区を走ることになりそうかなあ。2区以外だと、1区はスローペースになったことを考えても、さすがにもったいないですし、3区は前回好走している真船がいるので…4区あたりが有力になってきそうかなあ?準エース区間として各大学も主力を投入してきますからね。



学生ハーフでの好走以降、さらにさらに力をつけた印象のある伊藤、チームとしても箱根初シードを始め高い目標を掲げていますが、全日本予選や各選手の充実ぶりを見ている限り、遠い目標ではないように思えるんですよね~そんな着実に強さを増しているチームにおいても、伊藤の存在は別格ですし、さすがは大エースという走りを駅伝シーズンで見せてほしいものです!!



そして迎えた駅伝シーズン、箱根予選ではチーム2番手の5位と快走、本人も狙っていた日本人トップも勝ち取り、予選会校の中では別格の強さを誇りました。さらに、連戦となった全日本では、2区を任されると、1区14位から13人抜きの快走でチームをトップへと押し上げました。区間2位だった國學院の浦野に21秒差をつけての区間賞ですから、凄まじいですよね。


八王子LDで28分26秒と自己ベストを2秒更新して迎えた箱根駅伝では、当然のように3年連続の2区を任されることに。ここではちょうど後ろから東洋の相澤が来るという絶好の位置だったこともあって並走して前をどんどん抜き去っていき、66分18秒という驚愕のタイムで区間2位タイの入り、区間新を叩き出した相澤とも21秒差ですし、駅伝シーズンの活躍は相澤に次ぐものと言って良いでしょう。大学4年間での成長ぶり、大学トップクラスへと成長を遂げた選手ではNo.1と言えるのでは。


卒業後はHONDAに進むこととなります。今年のニューイヤーでは小山や中山といったルーキーが活躍する一方で絶対的エースである悠太を擁するチーム、ここに伊藤が加わるのは素晴らしい戦力アップとなりそうですね。箱根の走りを見れば、実業団でもいきなりトップクラスの活躍を見せてもおかしくないですし、大学で数々の驚きを与えてくれた伊藤、実業団でもさらにびっくりするような走りを見せてほしいです!!

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