2018年度 大学別振り返り ~法政大学~

続いては、法政大学について、この1年間の走りを、時系列で簡単に振り返っていきます。選手一覧3大駅伝結果はこのようになっております。今年度は全日本、箱根ともに好走を見せてシードを獲得するなど、法政の存在感を示した1年となったのでは。シード圏外に落ちてからの粘り強さも印象的でした。

 

~トラックシーズン~

4月、5千で松澤が14分20秒のベストを出すと、1万mでは佐藤が28分35秒という素晴らしい走りを見せました。ロードの強さだけではなく、トラックでの強さを早速示すことに。他には大畑が29分32秒99でベストに0.07秒届かずもセカンドベスト、岡原が29分47秒のベストをマークしています。5月には5千では岡原が14分17秒のベスト、1万mでは中村が30分16秒のベスト、ルーキーの鎌田も30分30秒で初の1万mを走っています。

 

関東インカレ1部、5千では岡原の18位が最高で坂東は27位と苦しい走り、1万mでは坂東が10位とちょっとトラックでは苦戦気味だったかなあ。前年度は坂東が5千で3位、1万mで5位に入っていますからね。しかし、ハーフでは大畑が6位入賞を果たし、主力の一人として期待されるまでに成長、3000m障害では青木が見事に2連覇を達成するなど、さすがの走りを見せてくれました。

 

全日本予選は、もう圧巻でしたね。1組の坪井が4位、増田が5位と素晴らしいスタートを切ると、2組3位の岡原、3組1位の坂東、そして最終組では佐藤が4位、青木が6位に入る圧巻の走り、8人中6人が組6位以内というのが素晴らしいです。唯一苦しかったのは、3組35位だった土井くらい…レベルの高さを見せつけ、見事にトップ通過を果たしました。

 

記録会にはあまり出場していないこともあってベストを出した選手は多くは無かったですが、関東インカレは前年度には及ばずもしっかりとポイントを獲得してきましたし、全日本予選はトップ通過で2年連続の全日本出場を決めるなど、法政の強さを十分に感じさせるトラックシーズンとなりました。

 

~駅伝シーズン~

9月、岡原が14分9秒、増田が14分10秒、狩野が14分22秒、鈴木も14分26秒でいずれも自己ベストを更新してきました。5千は特に走る印象の少ない法政なだけに、これだけベストを出してくるのは珍しいかも…

 

出雲駅伝では、佐藤、青木という3本柱のうち2人を欠き、さらに1区坂東が区間15位と大きく出遅れてしまったことで勝負に絡むことは出来ず…そんな状況でも、3区5位と初の主要区間で好走した大畑や5区4位と初の3大駅伝で好走した坪井など収穫もあるレースとなりました。ただ、総合では12位ということで関東勢最下位に沈んでいます。

 

10月も記録会で好走する選手は多かったですね。5戦では14分1秒をマークした強矢に鎌田が14分17秒、中村も14分23秒でいずれも自己ベストとなっていますし、1万mでは久納が30分28秒、人見が30分32秒ながらともにルーキーがベストで走っています。

 

主力が戻ってきた全日本、1区では青木が5位と好スタート、山だけではなくどの区間でも強い選手です。2区でルーキーの鎌田が区間15位、7区の土井が区間15位とエース区間では苦戦したものの、他の6区間は全て二桁以内の安定した走り、特に4区5位だった岡原の走りが光ったかなあ。アンカーの大畑は8位とギリギリシード圏内という難しい位置でのレースでしたが、粘りの走りで区間9位、総合でも7位で見事にシード権を獲得、全日本予選トップ通過の実力を見せてくれました。

 

11月、1万mでは久納が29分53秒をマークし2か月連続で自己ベストを更新すると、上尾ハーフでは、強矢が64分ジャスト、田辺が64分3秒、糟谷が64分13秒、佐々木が64分30秒でいずれも自己ベストをマークするなど、全日本に出場していない選手たちの好走も目立ちましたね。チーム力が上がってきているのを感じさせる走りに。

 

12月、5千では久納が14分13秒のベスト、1万mでは清家が29分24秒で自己ベストと1年生も自己ベストを着実に縮めてきました。また、佐々木も1万mで29分29秒の自己ベストとハーフに続いてタイムを伸ばしてくることとなりました。

 

そして迎えた箱根駅伝、1区の佐藤が5位と好スタート、こちらも山下りだけではなく平地でも力のある選手です。2区の坂東は区間12位と前回よりは良かったもののやや不完全燃焼の走り…4区終了時でも12位という位置でしたが、5区には前回区間賞の青木がいましたからね~区間3位と2年連続の区間賞とはなりませんでしたが、7人抜きの快走でチームを5位に押し上げるさすがの走りを見せました。

 

6区の坪井も区間4位と絶好のスタート、安心して佐藤を平地におけるわけです。その後も7~10区は全て区間5~8位というこれまた安定した走りを披露、全日本で苦戦した土井が7区5位、鎌田は8区7位としっかりと箱根で好走したのも大きかったですね。2年連続の6位という結果は上出来と言って良いでしょう。エースや山だけに頼らない総合力の強さも見せつける結果となりました。

 

箱根後も神奈川ハーフでは坪井が青学勢を抑えて見事に優勝、63分40秒と自己ベストもマークしています。他には鎌田が65分15秒、久納が65分29秒とルーキーがともに65分前半で走ったのも収穫だったかなあ。さらに、日本クロカンでは坂東が田村兄弟を抑えて見事に優勝を果たすなど、箱根後も活躍を続ける選手が多いのは心強い限りです。

 

こうして見てみると、全日本、箱根の走りはもちろん素晴らしいですが、自己ベストを出してきた選手も多く、底上げが進む一方、勝負レースでも結果を残す選手が多かった素晴らしい1年間だったのでは。来年度も主力が揃う4年生が抜けるとはいえ、現3年生は佐藤、青木ら選手が揃っていますし、1年生も粒揃いですからねえ。新入生は近年を見てもトップクラスのスカウトと言えそうですし、来年度の法政も非常に楽しみです。

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