第２３回（２０１８）都道府県対抗男子駅伝 展望
明日、駅伝シーズンの締めくくりともなる都道府県対抗男子駅伝が行われます。区間配置（PDF)も発表されましたので、有力都道府県を中心にレースの展望を行っていきます。大学・一般、高校生、中学生が揃う今大会、優勝を狙うには高校生が重要とよく言われます。
中学、大学・一般の２区間に対し、唯一高校生が３区間、それに１区、５区と重要な区間を任されていますからね。となると、まずは都大路で上位に入る高校、とくに留学生を起用していないところは１，３，４区を走った選手をそのまま起用することも可能なため有利ですね。
ただ、都大路と違い、同一高校に限定されないため、複数の有力校が存在する都道府県も強いですね。例えば西脇工業や須磨学園のある兵庫県、市船や八千代松陰などがある千葉県、豊川、豊川工業、愛知などがある愛知県などですかね。都道府県対抗でも上位に入ってくることが多いです。
高校生が大事とは言っても、もちろん一般は８．５ｋｍ、１３ｋｍと距離が長く差もつきやすい区間ですし、最短区間である３ｋｍ×２の中学生も実力差が大きいことも多く思いがけない差がつくこともありますからね。侮れません。それではこれまでの実績、持ちタイムなどを含め有力チームを見ていきます。
まず、前回王者である長野県、都大路では見事に２度目の優勝を果たし、絶対的エースの中谷が５区、さらに１区松崎、４区本間と都大路の主要区間をそのまま起用、特に４区本間、５区中谷の都大路区間賞コンビは強力です。さらに、中学生区間も３０００ｍで８分３０秒コンビを揃って２，６区に起用と盤石です。前回は中学生区間が万全でなかったのも苦しんだ要因ですからね。
となると、ダントツ優勝候補の筆頭か？と思いきや、やや苦しいのが一般ですね。３区春日は箱根で二桁順位、７区の關は箱根を欠場となっており、ちょっとコンディションが気になりますね。ただ、春日は都道府県対抗で安定した走りを見せていますし、關も万全であれば実力者ですからね。ダントツとは言えなくとも、優勝候補に名を連ねてくることでしょう。
長野が一般に不安があるのであれば、一般が強いチームが有利か？ということで、気になるのは埼玉ですね。３区牟田、７区悠太というコンビは超強力、特に７区の悠太は区間賞候補の筆頭、多少の差はひっくり返すだけの力があります。中学生区間も大きな問題は無さそうですが、気になるのは高校生区間、都大路は１５位、ここに東農大三の橋本が加わるとはいえ、他の優勝候補に比べると力不足は否めず、１区橋本、５区早田がどれだけ粘れるかですね。
最もバランスが良さそうなのが群馬ですかね。一般は３区塩尻、７区西山という大学生コンビ。塩尻は箱根ではもう一歩でしたが、大学トップクラスの走力に疑いはありません。西山も１区区間賞の実力者、若い力が楽しみです。中学生区間も８分４０秒台の二人を揃え、高校生も強力です。４区栗原、５区千明の東農大二コンビに１区の大澤も力はありますからね。ただ、都大路で東農大二は奮わなかったのが気になるところ。
福島も実力者揃いですね。３区に遠藤日向、７区に箱根２区で活躍した相澤というコンビは強力、高校生も半澤を始め学法石川の実力者が揃い、OBとともに楽しみですね。前回２位の福岡は中学生区間こそ２区石田という８分１７秒を持つスーパー中学生がいますが、高校生区間が前回に比べると厳しすぎますし、３区区間賞の鬼塚もいないことを考えると入賞も厳しい状況かなあ。
前々回の王者、前回３位の愛知は３区山口、７区山藤の一般区間がまず楽しみ。特に山藤は高校時代にタスキをあと一歩つなげなかったことがありましたからね…その悔しさを晴らす走りを期待。中学生区間も８分３０秒台の吉居など順当ですが、エース格の蝦夷森を欠いているんですよね。高校生区間はちょっと厳しそうです。
前回４位の京都も３区阪口、７区大塚の大学生コンビは楽しみですが、高校生が苦しいんですよね。前回は１区清水、４区渕田、５区吉田という盤石の区間配置でしたから…５位の静岡は今回も楽しみですね。都大路で６位に入った浜松日体の１区鈴木、５区太田に中学生区間も全都道府県でトップクラス、ただ、箱根２区で好走した太田が起用出来なかった一般、３区伊藤（東国大）がどこまでいけるかですね７区下田は何も心配いらないだけに…
他にも都大路８位の須磨学園に西脇工業の三浦が加わる兵庫、一般区間も廣田、高田と楽しみな二人。千葉も一般は松枝、鈴木（青学）と力がある一方、高校生区間も八千代松陰と市立船橋の強力布陣に中学生区間は毎年強力で力があります。東京も今回は中学生が８分３０秒台コンビと協力で一般も３区茂木、７区片西と実業団、大学の１区で活躍した二人ですね。高校生も国学院久我山を中心に強く、ダークホースとなるかも。