出雲駅伝2017 ~東海が前評判通りの強さを見せ、青学を振り切って10年ぶり優勝~
3大駅伝の開幕戦となる出雲駅伝が本日行われました。公式結果(PDF)がHPに載っております。今回も関東の10大学についてまとめて振り返ります。しかし、過酷なレースでしたね。雨が降らないからと思っていましたが、暑かった。。。東京も10月とは思えない暑さで、外にでているだけで汗だくになるほどでしたから、走っている選手もきついですよね。棄権が2校も出てしまったのは残念でした。
優勝:東海大学
優勝候補筆頭と言われた東海大学、それでも期待どおりの走りを見せるというのは容易ではないですが、、、強かったです。館澤、鬼塚が繫ぎ区間で大丈夫?と思ったのですが、まず1区阪口が抜け出して区間賞、やはり5000mで快走を続けているだけのことはあります。館澤もきっちり2区2位ですし、個人的に一番心配だった3区松尾はトップこそ明け渡すものの秒差の区間4位で粘れたのが大きかったですね。
4区鬼塚はきっちりとトップを奪い返しての区間賞、5区三上も連続区間賞でまさに盤石の走り、これでいてアンカーに關が控えているのですから、他大はどうしようもないですね。序盤は差を縮められて大丈夫?と不安になりましたが、途中から一気に突き放して唯一の29分台、2位に36秒差をつける圧巻の区間賞で優勝のゴールテープを切りました。次は前回まさかのシード落ちをして全日本ですが、ここでも優勝の期待は高まるばかりです。
2位:青山学院大学
3大駅伝5連勝ならず…それでも随所に強さを見せました。1区梶谷は最後ふらついてしまいましたね。。。あの暑さでは無理も無いですが、いきなり38秒のビハインドとなってしまいました。それでも、2区田村和が区間新の爆走、暑さは苦手だったのでは…?やはり2区では役者が違いますね。2位に20秒差をつけての区間賞で一気に前を追いました。
3区下田できっちりとトップに立ったのもさすが、これでも区間3位ということで上位陣は非常にハイレベルでした。4区小野田も区間2位はさすがですが、東海に19秒差つけられたのは痛かった。相手が鬼塚ということを考えればしょうがない気もしますが…5区ルーキーの神林も区間3位とこちらも好走ですが、トップ東海とは23秒差とジリジリと引き離されてしまいました。
アンカーの橋詰も前半から飛ばして前を積極的に追いましたが、中盤以降は苦しくなってしまいましたね。体中汗だくという感じでしたし…何とか区間6位ではまとめたものの、トップとは56秒引き離されてしまい…総合でも1分33秒差をつけられてしまいました。3大駅伝5連勝こそなりませんでしたが、1区でアクシデントがあっても2位までもってくるあたり、青学の強さを感じました。距離が長くなり、人数も増えればまだ東海にも付け入るスキはありそうですし、全日本以降の巻き返しに期待。
3位:日本体育大学
いい意味で予想を裏切られたのが日体大、確かに区間エントリーは全日本予選と違っていい形で組めていましたが、全日本予選落ちから出雲3位までもってくるとは思いませんでした。1区吉田が区間6位と粘りの走り、これがまず大きかったですよね。出雲は出遅れると苦しいだけに…2区山口は区間9位と苦しい走り、3区小町が区間6位、4区三原も区間8位と目立った走りは出来ずに総合でも7位という状況だったのですが…
ここからが素晴らしかった。冨安が区間賞に4秒届かずの区間2位の快走で5位まで順位を上げ、アンカーの辻野も区間3位で総合でも3位に…4人出場した4年生の快走が目立ちましたね。全日本に出れないのが残念ですが、箱根で再びの走りに期待。
4位:順天堂大学
1区でルーキーの清水が区間15位と大きく出遅れてしまい、2区野口も区間11位で総合14位、ルーキーの1,2区起用が裏目に出た順大ですが…3区にはこの男がいました。塩尻が圧巻の区間賞、一気に6つも順位を上げてきました。前も見える位置で一気にチームも勢いづきましたね。やはり栃木は4区に回ったからも万全では無かったようですが区間6位で粘ると、2年生が頑張りました。
2年連続の5区となった野田が区間3位と前回を上回る好走、さらにアンカーに抜擢された橋本も区間4位は素晴らしいですね。全日本予選ではもう一歩だった二人の快走で総合4位に食い込んできました。1区15位からここまで上がってきたことに、順大の底力を感じましたね。長い距離になると強い選手もまた出てきますし、全日本、箱根と楽しみです。
5位:東洋大学
期待のルーキー西山が区間5位、最後はちょっと離されてしまいましたが、それでもその強さを見せました。2区相澤は区間6位ともう一歩…本来であれば主要区間を任されるべき選手ですし、やはりコンディションがもう一歩だったのかなあ。しかし、ここで爆発したのがエースの山本修、どんどん前を追っていき、ついには先頭にまで追いつくことに。ラストで3秒離されたものの総合2位、区間でも2位の走りで一気に優勝戦線までチームを押し上げました。まさにエースの走り。
28分台を出しているルーキーの吉川も区間4位で粘ったのですが、5,6区が苦しかった。。。3大駅伝デビューとなった今西が区間10位、アンカーの渡邊は最後ちょっとふらついていましたね。区間11位に沈んでしまい、総合でも2つ順位を落として5位でのフィニッシュとなりました。下位に沈んだ前回よりは見せ場を作りましたが、東洋としては物足りない結果になってしまったかなあ。
6位:神奈川大学
1区山藤は区間賞こそ逃したものの、2秒差の2位とさすがの走り、ダブルエースの1人としてその力を見せてくれました。3大駅伝デビューとなた2区荻野も粘りの走りで区間5位、総合でも2位をしっかりと守ったまでは良かったのですが…3区の鈴木祐が区間10位と奮わずに総合4位まで順位を落としてしまうと、4区越川が区間7位、5区宗が区間9位、6区の大塚も区間9位といずれも力を発揮できず、6位にまで下がってしまったのは残念でしたね。
やはり、鈴木健がいなかった影響は大きかったのかなあと感じてしまいました。直前の記録会が良すぎたのもあったのかなあ?とはいえ、力のある選手が揃っているのは間違いないですし、箱根予選も今回は無いだけに、しっかりと全日本には合わせてきて欲しいところです!!
7位:駒澤大学
1区に抜擢された加藤は終盤まで粘っていたのですが、最後はもうフラフラになりながらのタスキリレーになってしまいました。ほろ苦い大学デビューとなってしまいましたね。区間13位と大きく出遅れてしまうことに。それでも2区を任された下は区間3位とさすがの走り、全日本以降は主要区間をきっちりと走って欲しいですね。
3区の工藤は途中から、明らかにらしくない走り…区間7位と3大駅伝のワースト順位ですね。エースらしからぬ走りに沈んでしまったのは残念です。ちょっと今年度は奮わないことが多いなあ。。。4区堀合は区間5位とまずまず、堀合は安定した走りを見せてくれますよね。駅伝で計算出来る選手というのはありがたいかも。急遽?の出場となった5区小原は区間7位、何とか粘ったという走りでしたかねえ。まずはいい経験となったのでは。アンカー片西は期待も大きかったと思いますが、こちらも区間7位とダブルエースがどちらも思ったより走れなかったのが、総合7位に沈んでしまった原因かなあ。得意の全日本で巻き返せるか?
8位:中央学院大学
1区大森が区間3位と好スタート、やはり4年生エースは頼りになりますね。2区横川も区間4位とまずまず、持ちタイムからすればもう一歩かもしれませんが、しっかりと走ってくれました。最も計算外だったのは、最も計算できると思っていた高砂、ここで9位に沈んでしまったのは痛かったですね。前回は6区3位と快走していたのですが…
その後は4区廣が区間3位、5区を任されたルーキーの高橋も区間6位で粘り、総合4位でアンカーに繫ぎました。しかし、6区福岡が区間14位に沈んでしまうことに…やはり厳しいコンディションで最終区間は難しかったですかね。一気に4つ順位を下げてしまいました。ちょっとチームとしては噛み合わなかった中央学院ですが、力のある選手は揃っていますし、前回シードを獲得している全日本以降でまた結果を残してくれれば。
9位:早稲田大学
1区の太田は区間7位とやや出遅れてしまうことに。前半は先頭を引っ張ったり調子が良さそうでしたが、終盤に一気に離されてしまいました。2区光延も区間7位と何とか粘って、3区を任されたエース永山に繫ぎましたが、ここでまさかの区間11位…まだまだ本調子には程遠かったみたいですね。一気に総合9位まで下がってしまい、そこからは一度も順位を上げることが出来ませんでした。
4区を走った新迫も区間10位と連続二桁になってしまったのが痛いですね。新迫は2年連続で出雲は二桁になってしまいました。それでも、5区藤原は区間5位、アンカーの安井も区間4位と4年生が最後はきっちりとまとめ、前との差を詰めていったのは良かったですね。前回の8位を下回るとは正直思いませんでしたが…前年度同様にここからの巻き返しに期待。
棄権:法政大学
まさかの結果に終わってしまいました。1区坂東が早い段階から遅れてしまい、区間9位と苦しいスタート、個人的には区間賞候補だと思っていただけに厳しいスタートになってしまいましたね。2区福田も区間9位と奮わず…苦しい位置でのレースでしたが、3区の青木が区間4位と見事な走りを見せてくれました。着実に実績を積み重ねている青木ですが、もはや主力の1人にまで成長を遂げましたね。今後がますます楽しみです。
4区の強矢がまさかの途中棄権…テレビでも全然触れてくれないので分かりませんでしたが、まさかの結果に終わってしまうことに・・・1区の岐阜経済大の選手も途中棄権でしたし、出雲の距離で2校が途中棄権とは…いかに過酷なコンディションだったかが分かります。5区を走った佐々木は区間10位相当、アンカーの矢嶋は区間12位相当ということで、棄権となってからの走りですからしょうがないですよね。強矢が大したことが無ければ良いのですが。。。
レース結果をHPに追加しました。タイム差などを見るにはこちらのほうがお勧めです。また、出雲順位予想、出雲区間配置予想の正解を追加しました。ハンドルネームを入力後、投票状況ボタンを押してみてください。順位と正答数が確認出来ます。箱根予選順位予想は金曜の夜まで受け付けていますので、まだの方は投票してみてください~
ディスカッション
コメント一覧
東海大学はここに来てエースクラスの選手が開花しましたね。距離の延びる全日本、箱根駅伝で結果が出せれば東海大学は一時代築くかも知れません。青山学院大学は要所では強かったが、総合力で僅かに及ばなかったようです。箱根駅伝では本領発揮すると思われます。
箱根となると、まだ青学が強そうですがどうでしょうかね?
東海の時代も近そうです。
優勝おめでとう!!テレビ中継で久々に東海大学が連呼されていたよ!!全日本に向けて気を引き締めて頑張ってください!!
東海、強かったですね。青学、負けても強い。順大の塩尻クンはさすがだなぁ❗揺るぎない強さを感じます。日体は5区6区で凄い追い上げでした。東洋は、四年生がいなくても悪くないオーダーだったと思いましたが、走ってみないとわからないものです。次は距離が長いので、駒澤も中学も神奈川もエースが調子よければわからないですよね~。
出雲と全日本はまた別物ですしね。
優勝争いは今回同様に東海vs青学の可能性が高そうですが
シード争いは熾烈になりそうです。