選手特集(17卒) 日本大学:石川 颯真 ~エースがチームをシード返り咲きへ導く~
4年生個別特集、続いては日本大学の石川 颯真について高校時代~大学4年間を振り返っていきます。高校トップの持ちタイムを誇りながら、大学進学後は苦しむことも多かったですが、上級生になるに連れて安定感が増していき、強い選手へと成長を遂げました。
~~高校時代~~
埼玉の大利根中から栃木の佐野日大高校へと進んだ石川、高1で都大路に出場、4区23位で走っています。高1まではそこまで目立った選手では無かったですかねー。一躍注目を集めたのは、2年時に13分57秒30と高2歴代3位の好タイムで走った時から…
さらに都大路ではエース区間の1区で6位と素晴らしい走りを見せました。都道府県対抗では4区を7位で走っています。そして迎えた最終学年、インターハイでは予選1組を7位で通過すると、決勝では8位入賞を果たしています。日本人4位ですから、上々の走りと言えるでしょう。
国体でも8位入賞と世代トップクラスのランナーとして結果を残し続けています。その後、5000mのベストは13分53秒95まで伸ばし、最終的に持ちタイムは世代トップとなりました。ただ、3年の都大路には出場出来ていないんですよね―。一人の力では勝てないというのもありますが、栃木県は強豪ぞろいですからね…
佐野日大だけではなく、那須拓陽、白鴎大足利、作新学院などがひしめき合っており、県予選からハイレベルな争いになります。石川3年時には、山梨学院の上村、青山学院の茂木らを擁した白鴎大足利が都大路の切符を手にしています。ただ、都道府県対抗ではハイレベルだった1区で19分58秒の2位と快走しており、力のあるところを見せました。
~~大学時代~~
1年生
当然、即戦力として期待されたルーキーでしたが、1年時は記録会でもベストからは遠く、勝負レースでもなかなか結果を残せなかったですね。箱根予選は62分12秒で157位と不本意な走り、その後の全日本で3区11位は箱根予選の後であることを考えればしょうがないですが、箱根でも最短区間の4区12位で終わり、長い距離にも苦しんだ1年間でした。
2年生
関東インカレ1部では5000mで14分30秒台、1万mでは31分台で下位に沈むなど相変わらず苦しい走りが続いていましたが、全日本予選では3組4位と勝負レースでは初かなあ、ついに結果を残しました。出雲も中止となったものの最長の6区予定でしたし、1万mでは28分52秒と28分台に突入し、名実ともに主力の1人となりました。
満を持して箱根ではエース区間の2区を任されましたが、ここでまさかの19位とブービーの走り…チームもシード権を逃すこととなってしまいました。箱根後の丸亀ハーフでは62分46秒をマークするなど、1年よりは遥かに結果を残すレースが増えたものの、まだまだ安定感には乏しい印象でした。
3年生
関東インカレでは5000mに出場したものの、なかなか入賞争いに絡む走りは出来ませんでしたが、全日本予選では3組2位と2年連続の好走、箱根予選でも19位とその役割を果たすと、全日本でも4区6位とエース格の1人として、信頼出来る選手へと成長を遂げました。
1万mでは28分43秒と大学ベストとなるタイムをマークした後、箱根では2年連続の2区を任されて区間9位、最高の走りでは無かったかもしれませんが、エースが揃う中しっかりと結果を残しました。丸亀ハーフでは62分20秒と更にベストを更新、特にロードでは外す走りが無い充実の1年となりました。
4年生
関東インカレ1部では4年間入賞することは出来ませんでしたが、5000mで13位と最低限の走りはしていますし、全日本予選でも先頭集団にこそ無理についていかなかったものの、4組12位と日本人エースとしてチームを2位通過に導く走りを見せました。
日本インカレでは5000mに出場してワンブィに次ぐ2位、なかなか更新できなかった高校ベストも0.09秒更新し、日大で1,2フィニッシュを果たしました。学年が上がるごとに強さが増し、着実に成長を感じさせられますね。
ワンブィとともにダブルエースとしてチームを導く立場であることは間違いなく、中堅層が揃ってきたチームで石川の存在は非常に大きなものになるでしょう。駅伝シーズンでは箱根予選、全日本、そして箱根と続いていきますが、全てにおいて前回を上回る走りが期待されますし、それだけの力がある選手ですからね。エースの走り、魅せてほしいです!
駅伝シーズン、箱根予選ではチームが最下位通過と苦しむ中も7位に入る快走、ワンブィとともにエースとしての役割を果たしました。全日本ではエースのワンブィが万全ではないというさらに厳しい状況の中、1区で4位と主要区間ながら、これまでで最も良い区間順位での走りを見せてくれました。それだけに、最後の箱根が16位と奮わなかったのは残念でしたね。。。
卒業後はカネボウに進むこととなります。ニューイヤー駅伝では17位、復活の兆しを見せてきたとはいえ、さらなる上位争いとなるとまだ力不足という印象は否めず。直近の日大の先輩ではキトニーがいます。日大や中央のOBが多めかなあ。同期となる早稲田の平とともに1年目からチームに貢献するような走りを見せてほしいですね。