リオ五輪 男子5000m決勝 ファラーが2大会連続2冠を達成!!
オリンピックもいよいよフィナーレが近づいてきましたが…男子5000m決勝の結果を見ていきます。残念ながら日本人選手は大迫、紘太ともに予選落ちとなってしまいましたが、ハイレベルなレースが繰り広げられました。
最初の1000mが2分40秒を切るようなハイペースで進みました。スローペースになると、ラストに絶対的な自信を持つファラーの独壇場になってしまいますからね。ハイペースにするのも対策の1つなのかなあと思います。最も、ファラーは5000m12分台、1万mも26分台のスピードを持つ選手ですが…
2000mも1km2分40秒を切るペース、1km2分40秒で13分20秒ですから、ラストに上がることを考えると12分台も狙えるレース展開ということになるでしょう。そのハイペースに待ったをかけたのがファラー、自ら先頭を引っ張ると、ペースが2分40秒を超えるようになりました。
以前も世界記録保持者のベケレが先頭を敢えて引っ張ることで集団のペースを落とし、得意のラスト勝負に持ち込んだことがありましたが、同じような思惑でしょうか。絶対王者のファラーが引っ張っている状況で他の選手自ら引っ張りに行くのはなかなかに難しいですよね。
4000mも2分40秒をちょっと超えるペース、十分にハイペースだとは思うのですが、このスピードには4000mまで10人以上付いてきているのが凄いですね。黒人選手だけではない世界のレベルの高さを感じました。
いつもは他の選手が引っ張っている中、ラスト1周またはそれ以下のスパートで抜けだして優勝することが多いファラー、それが自分が引っ張りペースも速い、さらに多くの選手が付いてきているといういつもとは違うパターンでどうなのかなあ?と気になりましたが…
何も問題は無かったですね。アウトから他の選手がペースを上げて先頭に立とうとすれば、自分もペースを上げて先頭を譲らない、ラスト1周になってまた一気にペースが上がり、人数が絞られていきましたが、その間もファラーはずっと先頭を走り続け、いつもと変わらずに圧巻のラスト150mほどで集団から抜け出し、そのまま先頭でフィニッシュ、13分3秒30での優勝でロンドン五輪に続いての5000m,1万m2冠を達成しました!!
短距離におけるボルトのようにファラーも長距離において絶対的な存在ですね。今後挑戦していくマラソンでどこまで結果を残せるのかも楽しみです。2位以降は一度失格となったり、また失格が取り消されたりと競歩のように紆余曲折がありましたが、2位にアメリカのチェリモ、3位にエチオピアのゲブルヒウェトが入りここまでがメダル獲得かつ13分5秒切りでした。
他には5位に入ったアメリカのラガトには驚かされますね…41歳という年齢にしてオリンピックで13分6秒で走ってしまうというその凄さ、本当に驚異的です。また、今回決勝を走った16人中11人が13分10秒を切ってくるというハイレベルなレース展開、日本歴代で見ても5000mで13分10秒を切っているのは日本記録保持者の大迫のみです。いかに世界のレベルが高く、壁が厚いかがわかるデータなのでは?次の東京五輪では5000m決勝を走る日本人選手が出てきて欲しいものです!!