リオ五輪 選手特集 ~設楽 悠太 世界陸上に続いて世界最高峰の舞台へ~
続いては、東洋大学のエースとして啓太とともに3大駅伝フル出場、HONDAに進んでからは更に力を蓄えて世界陸上に出場、そして今回のリオにも見事に出場を果たした設楽悠太のこれまでの走りを振り返ってみます。武蔵越生高校時代はベストで14分7秒を持っていたものの、啓太には及ばない印象でした。それでも、都大路には3年時に出場し3区10位、都道府県対抗では4区4位で走っており世代トップクラスとは言えないものの、実力は折り紙つきでした。
※兄啓太の大学卒業記事はこちらになります。
東洋大学に進学してからは、1年目から3大駅伝フル出場、順当に力をつけていきました。ただ、この時点でも1年にして全日本1区区間賞を獲得する啓太とはまだ力の差がありましたねー。悠太が一躍台頭してきたのが2年の秋、上尾ハーフで62分35秒を叩きだすと、箱根では7区で区間新記録をマーク、歴代最高タイムでの優勝に大きく貢献し、一躍大学トップクラスの仲間入りを果たしました。
その後はトラックでも大活躍、勝負レースでは関東インカレ1部10000mで3,4年時に3位表彰台に上っています。持ちタイムでは5000mこそ13分51秒が大学ベストでしたが、1万mでは4年のGGNで27分54秒82をマークし、27分台ランナーとなりました。もちろん駅伝でも大活躍で3、4年時には6度全てで3位以内、箱根ではいずれも3区区間賞で3年連続の区間賞を獲得しています。
大学で大活躍した選手が実業団に進むと奮わないこともちらほらありますが、悠太は実業団に入ってさらに成長を遂げることとなります。日本選手権こそ1万mで22位と惨敗に終わりましたが、ニューイヤー駅伝ではルーキーながら最長区間の4区を任されると、いきなり区間新記録を叩き出す快走を披露、その力を見せつけました。
社会人2年目にはGGNでベストをさらに上回る27分42秒71をマークして日本選手権1万mに出場すると、前回の悔しさを晴らす快走で2位、見事に北京世界陸上代表の座を射止めました。しかし、結果は30分8秒35で大惨敗、完走した23人中まさかの最下位に沈んでしまいました。日本トップクラスの走力を誇る悠太がまさかこのような結果になるとは思ってもおらず・・・世界のレベルの高さを改めて感じさせられる結果となりました。それでも、ニューイヤー駅伝ではまたしても4区で自身の持つ区間記録をさらに上回る走りを見せました。やはり、その走力に疑いようはありません。
そして向けた五輪イヤーの今年度、日本選手権1万mでは積極的な走りを披露、終盤には一気にペースアップして集団から抜けだそうとしますが、大迫、村山紘太というラストスパートで上回る二人に付いてこられてしまうとさすがに勝つのは厳しく…最後は大迫に抜けだされ、ラスト勝負でも紘太の後塵を拝して3位に終わりました。それでも、参加標準を突破かつ3位以内に入ったことで、リオオリンピック代表に選ばれました。
昨年度の北京世界陸上はまさかの最下位に終わってしまいましたが、一度世界の舞台を経験しているというのは大きいですし、是非ともオリンピックではその力を存分に発揮してもらいたいです!!