92回箱根駅伝 10区を振り返る ~区間賞:渡邉利(青学)~
区間別の振り返り、最後は箱根駅伝の10区を振り返ります。10区結果はこのようになっております。その前に・・・HPを少しいじりました。PCから限定ですが、トップページのタイトルの両横にある写真がランダムで表示されるようになりました。その写真をクリックすると、拡大して表示されるので、良かったらちらっと見てみてください。また、判明した高校生のうち各大学の持ちタイムトップ10に入る選手をデータベースに追加しました。3年生以下で選手一覧や平均持ちタイムを見ていただければと思います。ちなみに、5000mの平均持ちタイムでは、スーパールーキー揃い踏みの東海がトップに立っています。
区間賞を獲得したのは青学の渡邉利、これで10区間中6区間目の区間賞、まさに圧勝と言っていいでしょう。定点ポイントでも最初からトップを走り続け、終盤はやや差を縮められましたが、それでも2位に26秒差をつけています。前回は3区を走っている選手を10区にコンバート出来る青学の選手層の厚さも凄いですね。連覇のゴールテープを切りました。区間2位に順天の作田、これは正直予想外でした。昨年度の箱根予選で98位で走ったことさえびっくりでした。今年度はハーフで64分10秒をマークしたとはいえ、箱根予選にも出場していなかったのが・・・総合順位でも9位→6位と3つ順位を上げ、シード返り咲きを果たしました。選手層が薄い順天堂において、叩き上げの選手が貴重な戦力となりました。
3位に東洋の渡邉、3000m障害では実績抜群、ハーフで63分32秒を誇りますが、今年度は駅伝シーズンに姿を見せていなかったので、箱根は厳しいのかなと思っていたのですが、しっかりと合わせてきてくれました。前後ともタイムが大きく離れていて難しい状況ではありましたが、総合2位でフィニッシュとなりました。4位に東海の金子、2位の作田以上のサプライズでした。。。高校時代の持ちタイムは16分近く・・・同好会からのスタートで14分台をマークして何とか入部にこぎつけると、4年間かけて着実に力をつけ、上尾ハーフで64分9秒をマークすると、最初で最後の箱根出場を掴み取り、一世一代の素晴らしい走りを見せてくれました!!総合順位も5位をキープしています。
5位に山梨学院の上村、今年度は13分台、28分台の好タイムをマークするも、今まで3大駅伝ではずっと区間二桁という苦しい走りが続いていましたが、ついに結果を残してくれました。箱根は2年連続で4区と長い距離はどうだろう?という不安もありましたが、23km区間でも結果を出したことで、来年度は主要区間への起用も期待されます。総合順位も8位を維持し、2年連続のシード獲得となりました。6位に早稲田の藤原、高校時代の実績が豊富ながら安井、光延に遅れをとっていましたが、今回は3人揃いぶみとなりました。ハーフも63分23秒まで伸ばしていますし、飛躍の1年となりましたね。しっかりと総合4位を死守しました。
7位に日体大の小野木、3年になって台頭してきた小野木ですが、安定していますね。全日本で1組6位、箱根予選でチーム6位、全日本で7区6位、そして箱根で10区7位ですからねえ。こういう安定感のある選手というのはチームにも欠かせないですよね。復路で追い上げて総合7位、シード返り咲きを果たしました。8位に神奈川の大川、前回の箱根では3区18位と苦しい走りでしたが、今回は区間1桁でまとめ、総合14位→13位と1つ順位を上げました。またしてもシード権には届きませんでしたが、現2年生世代は戦力が充実、新入生も勝負レースで結果を残しているのが心強いですね。
9位に法政の城越、区間最下位が3つ出るなど1区からずっと最下位付近を走り続けるという苦しい展開の中、最後の最後で区間1桁順位をマークしました。今年度は全日本予選、箱根予選、箱根とフル出場、1万mのベストも大きく伸ばしてきていますし、総合順位は19位のままでしたが、この走りを来年度につなげていってほしです。10位に帝京の島口、シード争いに巻き込まれるという難しい状況の中、しっかりと区間10位で走りきり、総合でも10位でシード返り咲きを果たしました。
11位に東京国際の小針、前回は関東連合で8区を走った小針がチームとしても箱根出場を果たすと、区間中位で走ってきましたね。箱根予選では135位に留まり、ちょっと昨年度ほどの勢いが無い気がしましたが、最後の箱根でその力を見せてくれました。初出場で総合17位は上出来でしょう。また、来年度以降も楽しみなチームです。12位に駒澤の中村、高校時代に実績のある選手が揃う駒澤の3年生世代において、年々タイムを伸ばしてきており、ついに箱根出場のチャンスを掴みましたが、最初の定点ポイントで最下位タイというスローな入り、その後もなかなかペースは上がらずに苦しい走りとなってしまいました。総合3位は守りましたが、ほろ苦い箱根デビューとなりました。
13位に中央の松原、前回は9区を任されており、今年度ハーフで63分台をマークしていることを考えると、もう一歩という走りだったかなあ?ただ、総合15位というチーム事情を考えるとしょうがない気も。総合順位も変わらず15位ということで4年連続でシード権を逃すことになってしまいました。当然のようにシードを獲得してきた中央ですが、苦しい時期が続いています。14位に日大の山崎一、箱根予選で46位という素晴らしい走りを見せ、全日本でも5区10位とまずまずの走り、シードラインとは1分ほどの差ということで逆転シードも期待されましたが、なかなか帝京との差を縮めることは出来ず、逆に34秒引き離されてしまい、総合11位でシード権に後一歩届きませんでした。
15位に城西の辻井、3大駅伝・予選会はこれまで出場経験なし、しかし上尾ハーフで64分13秒と好タイムをマークすると、最初で最後の箱根出場を掴み取りました。ただ、区間15位ともう一歩の走り・・・総合順位も12位で2年連続のシード権獲得とはなりませんでした。ただ、大幅な戦力ダウンだった今回の箱根ですが、ある程度力は発揮出来たと思いますし、今後に繋がる結果だったと思います。16位に中央学院の小川、持ちタイムをコツコツと伸ばしてきており、3大駅伝にはエントリーはされながらもなかなか出場する機会を得られませんでしたが、最初で最後の3大駅伝出場を果たしました。ただ、なかなか序盤からペースが上がらず、総合順位も6位→9位と3つ下げてしまいました。それでも、2年連続のシード権確保は見事ですねー。前回は5区で稼いでのシード獲得、今回は5区で苦戦しながらのシード獲得となりました。
17位に拓殖の東島、過去2年は往路の主要区間で粘り強い走りを披露、箱根予選も24位で走っている選手です。となると10区に回っていた時点で万全ではないことが予想されましたが、その通りに苦しい走りになってしまいました。拓殖は往路で結果を残したものの、復路は最も良くて区間14位とずっと低迷してしまいました。18位に明治の山田稜、奇跡のシード権獲得を目指すとなると、もう突っ込んで粘るしかない明治なだけに、最初の定点ポイントは2位と飛ばして行きました。ただ、後半に進むにつれてどんどん失速していってしまい、総合順位も12位→14位と2つ落としてシード獲得は叶いませんでした。まさか明治がシード落ちするとは思いもよりませんでした。。。来年度も頼もしい新入生が入りますし、1年でシード返り咲きを果たして欲しいです。
19位に大東大の北村、今年度自己ベスト連発で出雲・全日本ともに主要区間を任された選手が10区起用というのは、これまた苦しい状況が予想されました。さらに、総合順位は18位でのタスキリレーですからね。全くもって力を発揮することは出来ませんでした。今年度の3大駅伝は全て区間14位以下と苦しい駅伝シーズンとなりました。20位に上武の坂本、チームのエース格が10区に起用されるケースがちらほら見受けられましたが、坂本もその1人ですね。箱根予選でチーム2位となる26位で走っている選手ですから、当然往路の主要区間を任せられると思っていたのですが・・・選手層の薄いチームは万全ではないエース格を復路の繫ぎ区間に起用することが多いですが、なかなか上手く行かないことが多いですね。区間18位以下が8区間という散々な結果で総合でも最下位に沈んでしまいました。来年度が心配ですね・・・