92回箱根駅伝 1区を振り返る ~区間賞:久保田(青学)~

今日からは、箱根駅伝を各区間ごとに振り返ってみようと思います。大学ごとの振り返りは往路・復路においてそれぞれ記載したので、大学ごとの振り返りは今年は止めておきます。てしまったので、振り返ってみます。1区結果はこのようになっております。普段、私のHPで3大駅伝の結果を確認するときは大学別成績を見ていますが、区間ごとに見るには、選手別成績の方が便利だったりします~

 

 

ここ最近の有力選手が集まった1区に比べると、優勝候補と言われる大学がエース級をあまり配してこなかった印象があります。駒澤は中谷、工藤のダブルエースではなく其田でしたし、東洋も服部兄弟ではなく上村であったように。。。青学の久保田、明治の横手らは集まりましたが、二人とも万全ではないと言われていましたしね。1区を序盤から引っ張ったのは潰滝、前回以上のハイペースでレースメイクしていきました。潰滝からすれば、ここで出来る限りシード争いや上位争いをするであろう相手を引き離しておきたいところですしね。

 

 

このハイペースに最初に遅れてしまったのが法政の足羽・・・持ちタイムでも過去の実績でも法政のエースであり、ここで好位置に付けたいところでしたが、序盤から苦しい走りになってしまいました。1区で早めに遅れてしまうと、どんどん差がついて本人も走りにくいうえに、2区以降の選手も単独走になってしまうので力を発揮出来ないことも多いんですよね。法政からすれば、足羽で駄目ならしょうがない気もします。。。続いて、上武の東、東国大の関、大東大の新井が遅れていますが、奇しくもこの4チームがそのまま総合順位でも17~20位を占めることとなってしまいました。1区で出遅れた場合、そこから巻き返す事のできるエースを抱えていないチームでは致命的になってしまいますね。。。

 

 

さらに遅れてきたチームでびっくりしたのが東海の湊谷、出雲、全日本という勝負レースで結果を出し、1万mで28分46秒、ハーフで62分54秒というタイムを誇る東海期待のルーキーが遅れてしまいました。塩尻、坂口とともにNo.1ルーキーを争う存在だったのですが・・・さらに、城西の西岡、順天の西澤がともに遅れていますが、このままズルズルと遅れていくだけでは無かったのは良かったかなあ。むしろ、ハイペースに無理に付いていかなかったという感じです。

 

 

さらに、優勝候補の一角である駒澤の其田も遅れ始めることに・・・集団の最後方に位置指定たので気にはなっていましたが、一度遅れるとどんどん離されてしまい、痛い出遅れとなってしまいました。蒲田の定点ポイントで遅れたのはこの8人のみ、残り12人は全く同じタイムで通過しました。潰滝の後は学生連合の山口が引っ張ったりとチョコチョコ先頭が入れ替わっていきました。そんな中、満を持して飛び出したのが青学の久保田、数日前は不調だったという話ですが、大事な箱根にはしっかりと合わせられるのが大学トップクラスのランナーですね。

 

 

このハイペースに付いて行くのは同じくコンディションが心配された明治の横手のみとなりました。その横手も終盤には久保田に引き離されてしまい、そのままペースを落とさずに走った久保田が見事に区間賞を獲得、タイムも61分22秒は東海の佐藤悠基、早稲田の渡辺康幸に次ぐ区間歴代3位の好タイムです。2年前の1区で区間賞を獲得した日体大の山中のタイムも3秒上回ってきました。結果的に久保田はMVPを獲得、青学完全優勝の流れを作りました。

 

 

明治の横手は22秒差の区間2位、コンディションは万全ではない中でもこれだけの走りが出来てしまうのですから、やはり違いを生み出せる選手ですね。この二人に続いたのが拓殖の金森と中央の町澤、ともに62分ジャストです。二人とも関東インカレや箱根予選で活躍するなど力のあるところは見せていましたが、それでも箱根の1区でここまでの走りを見せるとは思いませんでした。エースとしての走りを存分に見せてくれました。

 

 

5位に早稲田の中村信が入り、全日本での好走に続いて、箱根でもしっかりと粘る走りを見せてくれましたね―。全日本、箱根ともに早稲田が4位に入れたのはこの中村信の走りは大きなウェイトを占めていました。6位に中央学院の潰滝、ずっと引っ張っていた影響もあってか終盤は遅れてしまいましたが、それでもチームの目標である5位に向けて好スタートを切る走り、4年間1区を走り続け、中央学院の1区出遅れの心配を無くし、チームを導いてくれました。

 

 

7位に東洋の上村、3大駅伝において最初で最後の1区でしたが、苦しい走りになってからもまずまず粘ってくれたと思います。2区には勇馬が控えていることを考えると、差を最小限にとどめてくれたかなと。同タイムで学生連合の山口が入りました。さすがは創価の絶対的エースですね。前回も苦戦した初出場の創価において一人気を吐く走りを見せましたし、初出場の最大の立役者ですからねー。8位に帝京の堤、素晴らしい走りでした。ハーフで62分37秒を持ちながら初の主要区間でしたが、出遅れることが多く鬼門となっている帝京の1区において好位置で繋いでくれました。高橋裕以外が1区の場合は出遅れる可能性も高いのかなと正直思っていたので・・・シード獲得の最大の立役者と言っていいでしょう。

 

 

9位に日大の荻野、前回は大きく遅れてしまいましたが、今回はしっかりと中位でまとめてきました。1,2区で好スタートを切った時にはシードも狙えると思ったんですけどね・・・4年連続で1区を務めてきましたが、最後に区間1桁で走ってくれましたね。10位に山梨学院の佐藤、この走りも大きかったですねー。2区にニャイロが控えていることを考えると、1区の走りは大事になってきますからね。ここで粘ったことで、狙い通り2区で抜けだすことが出来ました。11位に日体大の小町、集団で粘っていたことを考えると、早い段階で遅れた順天堂に7秒差まで迫られたのは痛かったかなあ。それでも、大きく遅れることはなく1区の役割は果たしてくれたと思います。

 

 

12位に順天の西澤、エース格を起用せずの1区であったことを考えると、上出来の走りだったと思います。正直、当日変更もあるかと思っていましたが・・・無理にハイペースに付いていかず、終盤もペースが大きく落ちてはいませんでしたからね。力は出し切ってくれたと思います。13位に駒澤の其田、優勝を狙うチームとしては、青学に1分50秒差はさすがに痛すぎましたね。10km28分30秒台のハイペースはさすがにきつかったのか・・・苦しすぎる1区となりました。

 

 

14位に城西の西岡、今年度は駅伝シーズンにおいて姿を見せていなかったことを考えると、上々の走りだったと思います。松村以外が1区を走った場合には正直もっと苦戦すると思っていたので・・・15位に神奈川の我那覇、一気にペースアップするまで集団で粘っていたことを考えると、終盤の落ち込みがちょっと大きすぎましたね。ハイペースに無理をして付いて行ってしまったということになるのか。。。今回こそのシード権が期待されたチームにおいて、1区我那覇でトップと2分4秒差はちょっと差をつけられすぎてしまいましたね。

 

 

16位に東海の湊谷、まさかの出遅れとなってしまいました。結局起用出来なかった主将で1区のスペシャリストである白吉の穴の大きさを感じずにはいられない結果となってしまいました。本来であればルーキーにはもう少し楽な区間で走らせたかったでしょうし。17位に東国大の関、早い段階で遅れてしまいましたが、それでも下がりすぎることはなく、走ったのはまずまずの結果だったのではないでしょうか?東国大の箱根初出場において、前が見える位置だったのも良かったです。2区にスタンレイも控えていましたしね。18位に上武の東、今年度の活躍ぶりはチームNo.1でしたし、箱根予選での好走をを考えるともう少し走って欲しかったですかねー。1区からエースを起用してきても、遅れてしまうのですからそれだけ1区のレベルが高いとも言えますが・・・

 

 

19位に大東大の新井、大隅を1区に起用出来ない中、ルーキーながら1区に抜擢されましたが、やはり厳しい走りとなってしまいました。13分台のスピードを持つ選手ですが、1万mで29分33秒、ハーフもタイムを持っていないことを考えるとあのハイペースはどうしようもないですよね。。。20位に法政の足羽、序盤に遅れたこともあって19位とも1分9秒差をつけられる最下位に沈んでしまいました。区間順位が総合順位に近くなることが多い箱根において、1区で19位にも離されてしまうのは2区以降も苦しすぎました。