全日本予選2015 大学別結果雑感 ~1位:中央学院大学~

本日は、中央学院大学における全日本予選の各組ごとの結果を写真とともに振り返っていきたいと思います。公式結果はこちらをご覧ください。前回は前半苦戦し、何とか最終組での逆転で全日本を掴んだ中央学院、今回は前評判では早稲田とともにトップ通過候補として挙げられていましたが、前評判に違わぬ強さを見せつけ、見事にトップ通過を果たしました。エースの潰滝がずば抜けている状況ではありますが、他の選手も着実に力をつけているのが頼もしいですね。そんな中央学院の全本予選結果はこのようになっております。

 

 

1組: No.6 森田、No.26 村上

1組は1万mで29分19秒と好タイムを持ち、前回は3組11位と好走している村上に、ルーキーながら1万mで29分22秒をマーク、5000mでベストを更新するなど早くも主力として期待が高まる森田というコンビでした。正直、この二人が3組だったとしても驚かない選手たちですね。その二人を1組に起用しても2組目以降も苦しくないところに、中央学院の強さが感じられます。

 

 

二人とも序盤は集団の中ほどでレースを進めていましたが、ペースが遅かったためか、すぐにこれまた揃って集団の前の方に移動していました。先頭が途中で代わろうがペースが早くなろうが二人ともしっかりと同じような位置をキープしながらレースを進めていました。しかし、先頭集団が10人ほどに絞られると、そこから森田が遅れてしまうことに・・・これはちょっと意外な展開でした。しかし、落ちてからは第二集団に留まることをせず、集団から抜けだして前を追っていったのがさすがは期待のルーキーなだけあります。

 

 

一方の村上は少なくなった先頭集団の中でレースを進めていたものの、4人が集団から抜け出すとそこからは置いてかれてしまい、第二集団を形成することに・・・すると、この集団に森田が追いついてきました。さらに、追いついただけではなくその集団からも抜けだそうとする積極的な走りを見せてくれました。最後は先輩の貫禄を見せた村上が5位、森田も9位と揃っての1桁フィニッシュとなりました。贅沢を言えばもっと走れてもおかしくなかったかもしれませんが、大事な1組で総合でも2位スタートときっちりと役目を果たしました。

 

 

2組: No.6 新井、No.26 山本

2組は前回も同じ組を走って18位、箱根では8区8位で走るなど、年々力をつけてきている山本に、今シーズンに入って5000m,10000mでともにベストをマーク、関東インカレでも素晴らしい走りを見せるなど勢いのある新井という組み合わせでした。山本は最初こそ後ろにいましたが、すぐに前の方に位置を変えてきてきた一方で、新井は最初に中ほどにいたのに、すぐに最後尾に近い位置に移動するという反対の位置取りとなりました。

 

 

その後も似たような位置でレースを進めていましたが、先頭集団のペースが上がり、集団から選手が落ち始めると、後ろにいた新井は最後尾となり、ついには先頭集団に付いていけずに遅れ始めることに・・・ペースに対応して5番手前後まで位置を上げた山本とは対照的に苦しい走りになってしまいました。集団から遅れた後もなかなか粘ることが出来ず、新たに形成された集団についていけなかったり、後方から選手に抜かれたりしてしまっていました。それでも2組22位と最低限の走りは見せましたが、この順位は8人中ワーストとなってしまい、関東インカレ5000mでの走りからすると物足りない結果となってしまいました。

 

 

一方の山本は好位置をずっとキープして先頭集団の中でレースを進め、ラストのスパート合戦こそついていけませんでしたが、それでもトップとは5秒差の6位ですからさすがの走りでしたね。どちらかと言えば長い距離に強い選手だと思っていましたが、トラックでも十分に結果を残してくれています。総合順位は3位と1つ落としたものの、引き続き好順位をキープしていました。

 

 

3組: No.6 大森、No.26 塩谷

3組はともにハーフで62分台を持つ2人、1年時から1万mで28分台をマークするなどチームを支え、上級生になるにつれて安定感を増してきた4年の塩谷に、昨年度はルーキーながら箱根予選、全日本を経験し、今年度は持ちタイムも伸ばしてきた大森というコンビでした。強いていえば、トラックでの実績が不足気味の大森にやや不安があったくらいでしょうか?

 

 

塩谷は最後尾からのスタート、ちょっと意外だなあと思っていましたが、あっという間に先頭にまで移動し、集団を引っ張る立場となりました。一方の大森は塩谷のすぐ後方に位置取り、先頭付近でレースを展開していきます。先頭が中盤になって代わり、集団のペースが一気に上がってもともに先頭付近の位置はきっちりとキープ、大森は頑なに塩谷のすぐ後ろを走り続けていたような・・・集団のペースが落ち着くと、塩谷が再度集団を引っ張る積極的な走りを見せました。その一方で大森は集団の後方にまで下がり、やや苦しくなるとついには集団から遅れだしてしまうことに・・・

 

 

といっても遅れ始めたのは終盤になってからでしたし、遅れてからもしっかりと粘れていましたからねー。最後は大森よりも集団に残っていた塩谷に追いつこうかという走りで11位、トラックでも強さを見せました。一方の塩谷も組9位でまずまずかなあ?今シーズンはやや精彩を欠くところもありましたが、大事なところにはきっちりと合わせられるのが塩谷の強さですね。総合順位は3位をキープ、最終組に大エースを残す中央学院への興味は予選通過からトップ通過なるか?に移ることに・・・

 

 

4組: No.6 海老澤 剛、No.28 潰滝

最終組は関東インカレ2部で5000m、10000mの2冠、大学生を代表するランナーとなった潰滝に昨年度急成長し、箱根2区を任されるほどになった海老澤剛という盤石のオーダーとなりました。レース前の予想通り日大のキトニーがハイペースで飛ばす中、すぐ後ろでレースを進める潰滝、一方の海老澤は第二集団でレースを進めることを選択します。先頭集団から1人ずつ選手がこぼれ落ちていきますが、当然のように付いていく潰滝、ついには先頭が2人となります。キトニーの後ろにつくだけではなく、ついには前に立って先頭を引っ張る潰滝、観戦していてただただ感心するばかりでした。

 

 

一方の海老澤剛も第二集団の中ほどをキープ、自ら引っ張ることもなければ最後尾に下がることもないある意味安定した走りを見せていました。終盤にさしかかり、さらに第二集団のペースが上がるとさすがに付いていけずに遅れ始めてはしまうものの、その後もズルズルと下がることはせずに、総合19位、タイムも29分36秒ですからまずまずの走りだったのではないでしょうか?前回の及川が29分42秒の18位でしたから、ほぼ同等の走りと言っていいでしょう。

 

 

潰滝は終盤にキトニーに引き離され始めますが、周を重ねてもその差はあまり開かなかったんですよねー。この粘り強さも潰滝の凄いところですね。。。つけられる差を最低限に抑えながら周回を重ね、28分31秒で2位という素晴らしいタイム、順位で走り抜けました。前回は28分46秒ですから、そのタイムを15秒も上回ることになります。さらに、1万mのベストも5秒更新しているのですからさすがとしか言いようが無いですね。

 

 

この潰滝の快走もあり、中央学院は見事にトップ通過を果たすこととなりました。終始安心して見ていられたレースでしたね。贅沢を言えば、もっと走れた選手もいるのでは?と思ってしまいますが、トップ通過を狙うと言ってその言葉通りに結果を残してしまうのはお見事です。全日本では潰滝の起用される区間が楽しみなのはもちろんですが、むしろ他の主要区間を走る選手がどんな走りを見せるのかが、シード獲得に向けては大事になってきますね。今回3,4組を走った塩谷、大森、海老澤剛あたりが候補になってくると思いますが、いざ主要区間で現在のシード校のエース格と渡り合えるかというとまだちょっと厳しい気もしてしまいます。

 

 

つなぎ区間候補の充実も含め、さらなるレベルアップも必要になりそうですね。とはいえ、今シーズンは自己ベストを出す選手が主力、中堅、新人と満遍なくおり、絶対的エースが健在とチーム状況は非常に良好ですね。全日本でもシード争いに絡む力はあると思います。全日本予選で見せた強さを、全日本の舞台でも是非見せつけて欲しいです!!

 

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