全日本予選2015 大学別結果雑感 ~3位:神奈川大学~
本日は、神奈川大学における全日本予選の各組ごとの結果を写真とともに振り返っていきたいと思います。公式結果はこちらをご覧ください。前回は見事にトップ通過を果たしたものの、今回は各組に少なからず不安がありました。1年生が3組に起用されたり、ダブルエースの一人である我那覇が最終組で無かったりといったように・・・しかし、それらはいずれも杞憂に終わりました。各選手が力を出しきり3位通過、前回のトップ通過以上に内容も充実していたのでは?本戦でもそろそろ結果を残していきたいところです!そんな神奈川大の全本予選結果はこのようになっております。
1組: No.4 浅利、No.24 多和田
1組は前回ルーキーながら2組5位と快走を見せ、駅伝シーズンも期待されたものの、故障に泣かされて出番のなかった浅利に、愛知高校時代から主力として活躍してきたルーキーの多和田というコンビとなりました。二人とも最後尾に近い位置からのレースとなりました。慎重にレースに入ったということなのかなあ?その後、集団のペースが上がったり、こぼれ落ちてくる人が出てくるとすかさず位置を前の方に移動して対応していました。
しかし、中盤から終盤になると、多和田が集団から遅れ始めてしまうことに・・・いくら期待のルーキーとはいえ、初の1万mが全日本予選ではなかなか力を発揮するのは難しいですよねー。順位は24位ということで何とかまとめてくれたのではないでしょうか?一方の浅利は集団がどんどん絞られてきても先頭集団で粘り続けました。終盤、先頭集団が4人にまで絞られるとさすがにそこからは遅れだしてしまいますが、第二集団の中でレースを進め、8位と2年連続で1桁順位の走りを見せました。走れさえすれば浅利は結果を残してくれますねー。今シーズンこそ、故障なく過ごしてくれれば・・・総合順位は11位と圏外ではありますが、タイム差は少なめですし、心配はいらないかなという印象でした。
2組: No.4 渡邉、No.24 大川
2組は前回1組18位、その後全日本5区、箱根では主要区間である3区を任せられるなど、ルーキーながら信頼を得ていた大川に、4年生ながら1万mはおそらく未経験、それでも箱根5区を任された渡邉という組み合わせでした。大川は10000mで、渡邉は5000mで今季ベストをマークしているのが心強いですね。大川は後方からのレースとなった一方、渡邉は前方と正反対の位置取りとなりました。しかし、1組同様に集団のペースが上がって集団が縦長になってくると、すかさず大川が前の方に上がってきました。こういう走りが出来ているうちは、何も心配はいらないですねー。
終盤、さらに先頭集団が絞られてくると、二人とも先頭集団からはこぼれ落ちてしまうことに・・・しかし、その落ちた状況でも大川は何とか前の方でレースを進めていましたし、渡邉もズルズルと下がっていくことはありませんでした。ずっと先頭集団にいられるのが理想ではありますが、そうそう上手くはいかないですし、遅れてからの走りが大事になってきますよね。結果として大川は9位、渡邉も19位でまとめています。まずまずの走りだったのではないでしょうか?1,2組を揃って好走した大学は少なかったこともあり、ここで総合7位まで順位を上げてきました。
3組: No.4 我那覇、No.24 山藤
3組は1年時からチームの主力として活躍を続け、今は西山とともにダブルエースと呼ばれる存在となったものの、ちょっと安定感に欠けることもある我那覇と、高校時代はトラックシーズンで大活躍だったものの、都大路はやや精彩を欠いていた期待のルーキーである山藤というコンビでした。二人とも力があるのは重々承知ですが、ここでその力を十分に発揮出来るか?という一抹の不安はあったのですが、まったくもって心配はいりませんでしたね。
二人とも集団の中ほどでずっとレースを進めており、あまり目立った動きはしていませんでした。写真にもあまり写っていなかったので先頭で無ければ後方でもなく、外回りでも無く最短ルートを走っていたと思われます。そんな中、スタンレイがペースを一気に上げると、二人ともすかさず対応します。中盤からはずっと山藤と我那覇が一緒に走っており、更に見た目には1年の山藤が4年の我那覇を先導しているような位置取りでした(笑)
集団がどんどん絞られていっても二人は集団の中でレースを進め、無理に先頭を引っ張ることも無かったですね。最終的に集団は4人まで絞られるのですが、そのうち2人が我那覇、山藤という素晴らしい走りでした。順位を分けたのは最後のスパートのみ、そこで見事に抜けだした我那覇が組トップタイム、山藤は最後にやや遅れてしまい、さらに後方から1人猛烈なスパートをしてきた選手に抜かれましたが、それでも5位、29分43秒でベストを40秒近く縮めるという結果でした。
我那覇の組トップは十分にありえると思っていましたが、山藤が5位というのは正直予想していませんでした。高校終わりに奮わなかったので心配しましたが、完全復活どころかさらに成長した姿を見せてくれました。これは駅伝シーズンも大いに期待したいところです!!二人揃っての快走で総合順位を5位まで上げ、後続とも差をつけ、最終組には西山が控えていることもあって通過はほぼ確実というところまで押し上げました。
4組: No.4 西山、No.24 鈴木健
最終組は今季1万mで28分44秒をマークしており、勝負レースでも我那覇同様に1年時から結果を残し続けている西山に、今季1万mで29分17秒とチーム3番手となるタイムをマークし、昨年度は箱根予選で33位と快走を見せるなど選手の揃う2年生の中でも特に結果を残している鈴木健というコンビでした。二人とも無理にハイペースの先頭集団にはつかずに、第二集団でレースを進めていきますその中でもずっと前方に位置していたのが印象的でした。
最初は主に拓殖大のデレセが引っ張っていましたが、そのすぐ後ろに西山、そして鈴木健はその西山の後ろにつくという感じですね。最初から最後まで鈴木健は西山のそばで走っていましたねー。ペースメーカーになってくれる選手がいたのが走りやすいのはもちろんですが、西山のペースにずっと付いていける鈴木健がすごいのですね・・・その西山は集団のペースが下がると見ると自ら先頭に立って集団を引っ張る役割も果たしていました。そのままほぼ最終盤まで二人で揃って集団の中で走り、前から落ちてくる選手も吸収・抜き去ってレースを進めていきました。
最後にその集団よりも前にいたのはキトニー、潰滝の二人のみとなり、3位争いとなった最後のラストスパートでは、スパート力で勝る順天堂の松枝の後塵を拝することとなりましたが、西山が4位、鈴木健が5位とこれまた3組同様に素晴らしい結果を揃って残し、チームの3位通過に大きく貢献しました。西山が29分6秒、鈴木健が29分9秒とタイムも揃って優秀で鈴木健は自己ベストを8秒更新してきました。3,4組は文句の付け所のない結果と言っていいでしょう。
柿原世代が抜けた影響も心配された神奈川大ですが、西山・我那覇のダブルエースに質・量ともに揃う2年生世代、そして期待のルーキーも結果を残し、いい形で全日本予選を突破することが出来ました。ここまで予選会で結果を残し続けていると、本戦でも期待せずにはいられません!!主要区間である1,2,4,8区は今回3,4組を走った山藤、鈴木健、我那覇、西山あたりが候補になってくるでしょうか?2年生は他にも大川、浅利、大野、大塚、鈴木祐など粒ぞろいですし、全日本予選に出場できなかった3年生も前回アンカーを任された東などもおり、本戦では十分にメンバー争いはもちろん、主要区間を任される可能性もあります。いきなり全日本でシード獲得というのは厳しいかもしれませんが、悲願の箱根シードに向けて、希望が持てるような結果を期待したいですね!!