全日本予選2015 大学別結果雑感 ~8位:大東文化大学~
本日は、大東文化大学における全日本予選の各組ごとの結果を写真とともに振り返っていきたいと思います。公式結果はこちらをご覧ください。過去3大会は6位→6位→5位と安定しており、ここ2大会は全日本に出場を果たしております。しかし、4年連続で最終組を務めていた市田兄弟を始めとする有力選手が揃う世代が卒業したことによって、大幅な戦力ダウンは否めず、さすがに全日本通過は厳しいのではという見方が多かったと思います。そんな前評判を覆しての8位通過は見事でした。ピーキングが上手いのかなあ・・・?全本予選結果はこのようになっております。
1組: No.16 前田、No.36 山本
大東文化大学の選手は1~3組のいずれも序盤は先頭付近を走る積極的な走りを見せていましたねー。1組は5000mで14分7秒のスピードを持つ前田にハーフ64分27秒のタイムを持つ山本というコンビでした。二人ともすぐに先頭からは下がりますが、それでもずっと先頭付近でレースを進めていたのが良かったですね。さらに先頭集団が絞られると、前田は先頭集団に残ったものの、山本は遅れ始めてしまいます。
ただ、遅れてからの走りも良かったですねー。集団で堅実にレースを進めると、終盤には集団から落ちてきた前だと競り合うように走り、前田が11位、山本が12位と上出来な結果でした。総合でも5位ですからねー。二人ともタイムを伸ばしてきたとはいえ、いまだ3大駅伝・予選会ともに未経験の2年生コンビが揃ってここまで走るとは思いませんでした。
2組: No.16 渡辺、No.36 大久保
2組は今季5000mで14分23秒までベストを伸ばしてきた渡辺に、箱根5区で4年連続区間賞という偉業を達成している大久保初男の子供である大久保陸人というコンビでした。二人揃って先頭付近でレースを進めると、特に大久保がペースが上がってもずっと好位置で走っていたのにはびっくりしましたねー。もちろん、高校時代の実績もある選手ではありますが、飄々と人数が絞られていく先頭集団に居続けるんですよねー。最後の最後、ラストスパートの段階になるとさすがに遅れ始めはしましたが、それでも8位でフィニッシュですから最高の走りだったのでは?粒ぞろいの1年生の中で唯一全日本予選に出場するだけのことはありますね。今後が非常に楽しみになってきました。
一方の渡辺も早めに遅れてしまったものの、そこから大して先頭集団に差をつけられなかったのが大きいですね。むしろ、最後の方は前との差を詰めてきていましたから・・・1年時はほとんど目立っていなかった選手が、全日本予選で2組10位、タイムも30分20秒はベストを29秒縮める走りをしてしまうとは・・・大久保も30分10秒でベストを14秒更新と揃ってベストを叩き出しており、総合でも4位につけ厳しいと思っていた予選通過が見えてきました。大東大の育成力及び調整力は素晴らしいですね。
3組: No.16 森橋、No.36 北村
3組は箱根8区11位で走った森橋に、今季5000mで14分9秒までベストを伸ばすなどスピードのある北村というコンビでした。序盤は森橋がほぼ先頭付近でレースを進め、北村は中盤というポジションでした。中盤、スタンレイがペースを上げるとそこに素早く反応したのが北村、するするっと前の方に上がってきていたので、まだまだ余力があったのでしょう。森橋もやや位置を下げるものの、先頭集団で粘り強い走りを見せていました。
終盤になると、森橋が遅れだし、最後には北村も遅れ始めるのですが、ラストスパートが凄かったですね。ぐんぐんとペースを上げて選手を抜き去り、見事に4位でのフィニッシュとなりました。あれだけラストが残っていたのなら、最後まで先頭集団につけたのでは?とも思ってしまいましたが、最後にかけていたのかなあ?森橋も大きく遅れることはなく、19位でますから今までのトラックでの実績を考えれば上出来でしょう。正直、1~3組の6人にはいずれも期待と不安が入り交じっていたのですが、誰一人として不安が的中することはなく、20位以下を1人も出さない走りで、総合でも4位につけました。
4組: No.16 大隅、No.36 原
4組は1万mで28分台を持つエースの大隅にハーフで63分36秒を持つ原という納得のコンビとなりました。二人とも力のある選手ですし、余程のことが無い限りは予選通過は固いと走る前は思っていましたが、余程のことが起きてしまうことに・・・何度か書いていますが、原が転倒してしまうんですよねー。それも800mを通過した後?だったかとにかく序盤で転んでしまい、一人遅れてしまいました。そのまま単独走か集団のハイペースについていけなかった選手との並走というなかなかペースを上げにくいレースを余儀なくされました。結果として最後までペースを上げることは出来ず・・・これは正直しょうがないのかなという気もしますが35位、タイムも30分30秒とトップに2分ほど差をつけられてしまう非常に苦しい走りになってしまいました。
となると、エースの大隅に期待するしかありません。序盤から無理に先頭集団につくことはせず、第二集団でレースを進めていました。中盤までは良かったと思うのですが、その後第二集団からも遅れてしまうというきつい展開に・・・揃って沈んでしまうと一気に通過圏外に弾き飛ばされる恐れもあっただけに、見ながらハラハラしていましたが、結果として26位まで順位を下げてしまいました。終わった後は、通過は正直厳しいのかな?と思っていましたが、何とか8位に入り込み、3年連続での全日本出場を決めました。
1~3組は予想外に良い走りをした一方、最終組が予想外に悪いという何とも読めないレースとなりました。今季の大東大は厳しいかと思っていましたが、特に2年生の台頭が凄まじいですね。原を筆頭に前田、山本、渡辺と8人中4人が全日本予選を走っています。1年も大久保を始め、谷川や新井など楽しみな選手が揃っていますし、エースに頼らない総合力のあるチームになりつつあるのかなあという気がしてきます。今後に期待を抱かせる全日本予選でした!
一方の全日本は主力の走りが大事になってきます。過去2大会は市田兄弟のスタートダッシュで終盤までシード権争いに絡んでいましたからね。1,2,4,8区の主要区間を任される選手が大事になってきますが・・・まず任されるであろう選手は大隅と原くらいで、他の選手は誰が抜け出してくるか分からないですねー。ここからさらにエース格となる選手が出てくるようになれば、ますます面白いチームになってきそうです。経験が浅いチームなだけに、まだまだ伸びしろもありそうですし、3大駅伝をにぎわすようなチームへと成長を遂げていって欲しいです!!