2014年度 5000m持ちタイム変動に見る戦力ダウン ~後半~
続いては、5000mの平均持ちタイムが13位~24位の大学における4年生が抜けて新入生が入ってきたことによる持ちタイムの変化(通常はダウンするはず)を見ていきたいと思います。現在の平均持ちタイム、3年生以下の平均持ちタイムはそれぞれこのようになっております。
順位 | 大学名 | 順位変動 | タイム変動 | タイム差 |
13位 | 創価大学 | 23位→23位 | 14:20.27→14:24.50 | 4.2 |
14位 | 國學院大學 | 19位→15位 | 14:15.09→14:19.05 | 4.0 |
15位 | 山梨学院大学 | 5位→5位 | 13:59.63→14:03.53 | 3.9 |
16位 | 中央学院大学 | 18位→14位 | 14:14.83→14:18.55 | 3.7 |
17位 | 日本大学 | 12位→12位 | 14:10.43→14:13.54 | 3.1 |
18位 | 専修大学 | 22位→20位 | 14:18.54→14:21.56 | 3.0 |
19位 | 東海大学 | 7位→7位 | 14:03.90→14:06.89 | 3.0 |
20位 | 日本体育大学 | 8位→9位 | 14:05.74→14:08.72 | 3.0 |
21位 | 拓殖大学 | 24位→24位 | 14:26.35→14:28.55 | 2.2 |
22位 | 順天堂大学 | 9位→8位 | 14:06.46→14:07.96 | 1.5 |
23位 | 青山学院大学 | 4位→2位 | 13:59.20→13:59.81 | 0.6 |
24位 | 神奈川大学 | 17位→11位 | 14:14.03→14:12.88 | -1.2 |
創価が13位ということで、ほぼ中間となりますね。3年生以下が主力のチームという印象でしたが、下級生から活躍していた小嶋、小島に沼口、樋浦もトップ10に入っていることもあり、4秒ほどの下落となります。最も、順位は23位→23位ということでブービーは変わらずということになりますが。。。今年度大きく伸びてきた大学であることに加え、5000mには余り積極的でも無いですからね。14位が国学院、とはいえ順位は19位→15位と4ランクアップしています。4ランクアップは2位タイの順位上昇ですね。チーム唯一の13分台ランナーである沖守や大下、池田、鮫島といった14分20秒前後の選手が抜けはしますが、国学院は14分10秒台後半~20秒台前半の持ちタイムの選手が多いですからね。結果として、あまりタイムは落ちないことになります。
15位は山梨学院大学、大エースの井上に14分9秒の阿部が抜けることとなりますが、人数が2人に留まることや都大路優勝メンバーを中心に5000mは高校時代に好タイムを出している分、タイムの下げ幅としてはそれほどでもありませんね。もちろん、井上、阿部、兼子らが抜ける影響はタイムよりも駅伝で大きくなりそうですが・・・16位は中央学院大学、18位→14位と4ランクアップとなります。持ちタイムトップの及川に5位の芝山が抜けはしますが、2人抜けるだけなので、山梨学院同様影響は少なめとなり、相対的に順位も上がることとなります。チーム10番手前後が14分30秒くらいで固まっていますので、もう少し5000mで記録を狙っても良い気がします。。。
17位に日本大学、4年生が主力の大学にしては珍しく、タイム変動が少ないです。林、竹ノ内、村越直、渡部と4人も抜けはしますが、14分10秒以内は1人もいませんからねー。この学年は1万mやハーフに比べて5000mのタイムはあまり良く無かった分、あまりタイムは下がっていません。トラックの影響は少ないかもしれませんが、3大駅伝では中心的な役割を果たしていた学年なだけに、その穴は大きいことでしょう。18位に専修大学、ここまでくると3秒ほどしかダウンしなくなります。14分9秒をもつエースの斉藤に加え、芝田、駒井といった選手が抜けはしますが、元々スカウトがあまり良くないこともあり、5000mで好タイムを持っている選手が少ないですからね。相対的に下げ幅は少なくなり、22位→20位と順位も2つ上げています。
19位に東海大学、持ちタイム1,2位の中川、石川に9位の吉川の3人、いわゆる3本川トリオが抜けるにも関わらず、19位にとどまっているのが東海の選手層の厚さ、そして13分台の湊谷が入るなどスカウトの良さを物語っているかと思います。中川、石川ともに13分52秒を持つ選手なのですが・・・来年度の東海は各学年にエースと呼べる選手が揃いそうですし、今年度をさらに上回る活躍が期待出来そうです。20位に日本体育大学、13分49秒の加藤に冨田、木村がトップ10から抜けますが、3年、1年、新入生といずれもスカウトに成功していますからね。来年度も三浦が早速トップ10に入ってきていますし、影響は他大学に比べて少なめです。ただ、いざ関東インカレのトラックとなると、山中以外はなかなか勝負出来なそうな気もしてしまいます。
21位に拓殖大学、持ちタイムは今年度も来年度も24位で最下位、それもダントツです。ただでさえ、スカウトは最も悪い部類に入る上に、監督も箱根をダントツで重視しており、5000mへの出場は非常に消極的ですからね。ハーフに比べると圧倒的なタイムが悪い選手が多いです。14分10秒を持つ佐護が抜けますが、4年生2番手は14分30秒台ですし、結果として2.2秒のダウンに留まっています。なので、決して戦力ダウンが少ないというわけではないですね。。。22位に順天堂、14分3秒を持つ松村優に的野、松村和といったトップ10の選手が抜けはしますが、有力ルーキーの塩尻を筆頭にスカウトが良いことや順天堂記録会5000mで好タイムを出した選手が多かったこともタイムの下げ幅を最小限に抑える要因だと思います。ただ、やはり松村兄弟を始めとする4年生の穴はタイム以上に大きいですね。
23位に青山学院大学、箱根優勝校が23位・・・これが来年度の青学の強さを物語っているかのようです。持ちタイムトップの藤川に4位の川崎が抜けはしますが、新入生には13分台が2人いますし、主力となる3年生も健在ですからね。さらに、1万mやハーフの持ちタイムからすれば5000mのタイムをまだまだ伸ばせそうな選手が多々います。久保田、一色が13分50秒台後半、田村和や神野が14分1桁前半ですからね。。。本気でタイムを狙えば恐ろしいことになりそうです。24位に神奈川大学、唯一持ちタイムが下がらずに0.2秒プラスとなりました。エースの柿原を筆頭に有力選手が何人も抜ける神奈川ですが、実は5000mの持ちタイムは14分17秒の柿原が最高であまり良くないんですよね。その一方でスカウトの良かった1年生が4人トップ10にいますし、来年度は14分3秒を持つ山藤も加わりますので、5000mの持ちタイムが逆に上昇することとなりました。順位も17位→11位と6ランクもアップしており、これは全大学中最高となっています。
5000mの平均持ちタイムの変動を見てみましたが、正直あまり参考にはならなそうですね。自分で分析しようとして言うのもなんですが・・・4年生に有力選手が揃う大学も、ダウン幅が少ない大学が多いです。5000mはどうしてもホクレンをはじめとする好記録が出やすい記録会に積極的な大学とそうではない大学の差やスカウトの差が大きく反映されやすいタイムですからね。1万m,ハーフもまた後日見ていきますが、距離が伸びるにつれて、大学の戦力ダウンを比較するのに役立つデータとなっていくと思います。
ディスカッション
コメント一覧
村山含め大分抜けるのに…やはり駒澤は四年間トータルで見れば、スカウトは他大より1段上のところにいますね^^;
推薦枠少ない早稲田のファンとしては、少し分けて欲しい気分です(最近は、スカウト良くなって来ましたが、毎年トップクラスとれる駒澤はやはり羨ましい^^;)
来シーズンは青学が主役だとは思いますが、少なくとも得意の全日本に関しては駒澤が優勝候補筆頭だと思います。強いて不安要素挙げるなら、村山、中村がいなくなることで初めてエース区間に配置されるであろう中谷が他校のエースと張り合えるか。現場では、一色や勇馬には勝てないのでは?という声をよく聞くので、そこさえなくせば、そしてスカウト良くなってからタイムの割りに箱根の距離に苦戦してますが、そこも治せれば、箱根でも青学に張り合えるとは思います!
早稲田ファンとしては、早稲田にもなんとか優勝争いに加わって欲しいのですがね(笑)
確かに毎年有力選手が入ってくれますね。
これも毎年優勝争い出来るチームを作り上げた大八木監督の手腕の1つだと思います。
早稲田は推薦枠が少ない中、スポーツ推薦と一般組の融合があってこそ魅力的なチームだと思っているので。
このままの枠でいいなあと思っています。
全日本は前人未到の5連覇がかかっていますからねー。
青学の3冠を阻止するためにも、期待したいところです。
早稲田も選手は揃っていますからね。上手くハマれば面白いと思うのですが。。。
駒澤は村山含め大分抜けるのに…やはり、スカウトに関しては駒澤が四年間トータルで見れば他大とは一つ次元が違いますな^^;
早稲田ファンとしては、推薦枠少ないこともあって分けて欲しい気分です^^;
来シーズンは…おそらく青学が主役ですが、少なくとも得意の全日本に関しては駒澤が優勝候補筆頭だと思うので早稲田ファンとしては、連覇記録更新されないよう、そもそも全日本出れるよう応援したいところです^^;
とてもおもしろい企画だと思いました。意外な位置だったり、タイムはかなり落ちるのに順位が上がったり。青学はトップでも50秒台と、5000がずば抜けて速い選手はいないのに23位というのがちょっと意外でした。
1万の検証も楽しみにしています。
ありがとうございます。トップが50秒台だからこそ、4年生の抜ける影響が少ないとも言えますね。
13分台も2人はいりますし、数値上はほとんど影響が無いことに・・・
実際には、箱根8区、9区区間賞がいなくなるわけですからもちろん痛いでしょうが。。。