91回箱根駅伝 大東文化大学の優位/不安要素
続いては前回の箱根では力を発揮出来ない区間もありましたが、8区吉川の区間4位の好走、アンカーでの逆転で10位に入り、ギリギリでシード権を獲得した大東文化大学の優位/不安な点を考察していきます。・・・過去5年の箱根成績はこのようになっております。
大東文化大学の優位な点は、何といってもダブルエースの市田兄弟がいることでしょう。特に孝はエースが揃った全日本1区で自らペースを作って後続を引き離し、一時は村山兄弟に差をつけるロングスパートを見せ、最終的には1秒差の3位と最も良い走りをした選手だったのでは?大学を代表する選手へと成長を遂げた孝が何区を走るかは分かりませんが、そこでシードを争う大学とは大きく差をつけたいところです。今年度はずっとピリっとしなかった宏も、全日本2区6位とまずまずの走りを見せ、上尾ハーフで63分10秒のベスト、その2週間後の記録会でも28分51秒で自己ベストを更新と調子を上げてきています。箱根本戦でも頼りになる二人なだけに、起用区間が難しそうですね。。。
先月行われた記録会でベストを更新する選手が多数出てきており、勢いがあるというのも優位な点だと思います。1万m持ちタイムトップ5のうち4人がベストを更新、ハーフでは10人中5人がベストを更新していますからねー。トップ10に入る選手だけではなく、今までは駅伝メンバー争いに絡めていなかった選手が1万m30分1桁までタイムを伸ばしてきたり、5000mでも前田が14分7秒を出すなど下級生の台頭も4年生への依存度が高い大東大にとっては、来年度を見据える上で良い流れできていると思います。ベスト連発で来ている好調なチーム状態のまま、箱根にも望んで欲しいところです。
不安要素としては、まずは選手層の薄さですね。タイムを伸ばしてきたと言っても、平均持ちタイムでは1万mで12位、ハーフでは19位とブービーです。数値上はシードはかなり厳しいということになりますからねー。特にハーフでの実績がある選手の少なさというのは大きな不安ですね。全日本でも6区までは何とかシードラインに喰らいつく走りをしていましたが、正直8人揃えるのもやっとというような状況に思えたので・・・それが、ここ最近の自己ベストラッシュで少しでも解消されていると、心強いのですが。。。いくらエース格が大きく稼いでも、それをチーム8~10番手の選手が吐き出してしまっては意味が無いですからね。
経験者のいない山も不安なところですね。前回5区7位で走った片川はシード獲得に大きく貢献しましたからね。市田兄弟のどちらかを5区に起用するということでしたら、一気に不安は解消されるどころか大きく稼ぐことが期待される区間へと変わりますが、そうすると序盤の1~3区をどうやって凌ぐのかという悩みが出てきます。大東大が3大駅伝のシード争いに安定して絡めているのは、市田兄弟を1、2区に配置して先行逃げ切りを図る作戦が功を奏していることが大きいですからね。往路に誰をどの区間に起用するのかは、監督の腕の見せどころとなりますね。6区も前回経験者は卒業していますが、あまり差のつかない区間なだけに、選手層が薄いチームは10番手前後の選手を起用することも多く、そこで離されるというリスクもあるので・・・最近は復路の1区として重要度も高まりレベルも上がっているだけに5区同様悩ましい区間です。
箱根エントリー16人予想
4年:孝、宏、池田、植木、平塚、上田、本間、船倉
3年:大隅、森橋、石田
2年:北村、石橋、鴇沢
1年:原、山本
4年生中心になるのは、今のチーム状況を考えれば当然ですよねー。。。全日本を走り、主力の孝、宏、池田、植木、平塚の5人はまず確定でしょう。後は、前回8区を走った上田、1万mで29分38秒を出した本間、29分48秒を出した成長著しい船倉と合計8人と予想しました。 3年生は28分台を出し、来年のエースであろう大隅、上尾ハーフで64分18秒の好タイムを出した森橋、全日本7区を任された石田の3人と無難な予想・・・2年は上尾ハーフで64分42秒をだした北村、65分台を出した石橋、66分台だった鴇澤と全日本にエントリーされた3人を予想しました。実際に走るとしても北村くらいになりそうかなあ…?なかなか、2年生がハーフの距離で結果を残せていないですね。1年は1万mで29分40秒を持ち、全日本予選で好走した原、1万mで30分6秒、ハーフで66分台を出した山本の2人としました。
やはり、鍵を握るのはチーム8~10番手となりそうかなあ?主力の1人である植木の調子も気になるところではありますが・・・経験豊富な選手ですし、最後の箱根ではまとめてくれると信じて。。。どうしても8番手以降は持ちタイムや3大駅伝の実績に乏しい選手を起用しないわけにはいかないですからねー。往路は力のある選手たちで固めてくるでしょうから、往路終了時でシードラインをどれだけ引き離すことが出来るのか、そして復路でどれだけ粘れるかが勝負ですね。市田兄弟が最終学年の今年度、来年度は厳しい戦力が予想されるだけに、最低でもシード権を確保し、前回よりも1つでも上の順位を目指して欲しいです!!