91回箱根駅伝 日本大学の優位/不安要素
続いては箱根で7位に入り、シード権を獲得した日本大学の優位/不安な点を考察していきます。過去5年の箱根成績はこのようになっております。箱根予選会では8位と下位通過だったにも関わらず、シードを獲得したのには正直驚かされました。1~10区まで大きなブレーキ無くタスキを繋げられたのは、ここ5年間でもベストの走りだったでしょう。2年連続シード権確保といきたいところですが、期待値よりも不安のほうが大きいというのが正直な印象です。
まずは山をどうするかですね。前回はエースのキトニーが走りましたが区間10位に終わっており、平地では他選手を圧倒する走力があっても、それがそのまま山に当てはまるとは限りません。さらに、前回キトニーを5区に起用出来たのは守谷に2区を任せられる目処が立っていたことが大きく、今年度はキトニーを5区まで温存した場合、2区で大きく遅れてしまうリスクもあります。過去4大会の5区の順位は20-19-17-10となっており、山を苦手としていますからねえ。走力と適性のある選手が出てきてくれればいいのですが・・・6区も2年連続で走った日向野が卒業し、また選手を見つけてくる必要があります。5,6区ともに不安を抱えているのは気になります。
山以上に心配なのが選手層です。前回の箱根経験者が8人残り、一見すると問題無さそうにも思えますが、今シーズン順当に結果を残しているのはキトニー、荻野、石川の3人くらいなんですよねー。出雲が中止になったことで、全日本予選会くらいしか戦力を見極める機会がありませんでしたが、そこでもベストメンバーを組めずに予選落ちしてしまいましたからね。。。1万mで新たに29分前半を出したり、ハーフで63分台を出した選手も主力以外はいませんでしたし、あまり底上げが進んでいるようには思えません。1,2年生で箱根を走りそうな選手が石川くらいしかおらず、4年生中心の日大なだけに来年度以降は更に心配です。。。
長い距離への対応も気にはなるところです。持ちタイムを見ると、1万mの平均こそ11位ですが、ハーフにいなると18位にまでガクンと落ちてしまいます。箱根シード校は上尾ハーフである程度長い距離の対応を見ることが多いですが、上尾ハーフでは石川が63分40秒でベストを出し、荻野も63分台でまずまずでしたが、他は64分台に高松が入ったくらいで、65分以下の選手が多かったんですよねー。前回の箱根のように本番となると合わせてくるかもしれませんが、せめて64分台にはもう少し入ってきて欲しかったかなあ・・・62分台が続出するような条件の良かった大会なだけに。。。
絶対的なエースを抱えているというのは、シードを争う他の大学に比べて大きなアドバンテージですね。来年度は2,5区のどちらを走るのかは分かりませんが、2区ならばここで上位につけることは確実ですし、5区であっても前回のような失敗はしないでしょう。ある程度は稼いでくれると思います。荻野も今シーズンは安定して結果を残していますし、石川が全日本予選以降安定感が増してきたのは心強いです。スピードだけではなく、ハーフの距離にも対応してきたようでこの3人は心配いらないでしょう。後は故障に苦しんでいた最上級生がどれだけ万全の状態で箱根に臨めるかかな?
箱根エントリー16人予想
4年:大門、竹ノ内、林、高松、村越直、渡部、内田
3年:キトニー、荻野、荒川、金子、稲住
2年:石川、畔柳
1年:金森、新関
3,4年生中心にならざるを得ないですね。前回の箱根経験者である8人はそのまま選ぶとして、全日本経験者の渡部、1万m,ハーフでベストを更新している内田あたりが4年生では入ってくるかなと・・・3年生は、全日本予選を走った金子に出雲にエントリーされた荒川、稲住も入れてみました。稲住はハーフ67分台ですし、さすがに厳しいかなあとも思いますが、他に入ってきそうな選手もいませんので。。。2年生は前回16人にエントリーされた畔柳を予想しましたが、今年度はほとんど姿を見せていないだけに果たして・・・?1年生は1万mで29分台を出した金森と全日本予選に出場し、ハーフで65分9秒を出した新関はメンバー入りしそうです。
うーん、正直厳しいですね。前回もシードは厳しいと思いましたが、今回は前回以上に厳しいように思えます。というか、レースにあまり出てこないので主力の状態がわからないんですよねー。前回並みの走りを4年生が軒並み見せることが出来るのであれば、2年連続のシード権確保もあり得るかとは思いますが・・・最低でも前回未経験者が2人走るわけですが、その二人の穴も埋まってはいなそうですからねー。個人的には1年生にも1人くらい箱根に出場しないかな?と期待しているのですが。来年度主力の4年生が大量に卒業することを考えても、何としても2年連続で箱根シードを獲得したいところですねー。エースはいるだけに、何とか繫ぎ区間を上手く凌いで日大の強さを見せて欲しいです!