91回箱根駅伝 拓殖大学の優位/不安要素
箱根駅伝も後1ヶ月半後に迫ってきました。本日から、箱根駅伝に出場する全20大学の箱根に向けての優位な点及び不安要素について考察していきます。いつものようにランダムで紹介しようかと思ったのですが、全日本を振り返ったばかりですし、全日本に出場していない6大学(日大、帝京、拓殖、國學院、中央、創価)を先に見ていきます。まずは箱根で9位に入り、シード権を獲得した拓殖大学から・・・過去10年の箱根成績はこのようになっております。
前回シードを獲得出来たのは、多くの選手が区間10位前後でまとめたというのもありますが、2区ダンカンの10人抜きの快走と5,6区の山をともに区間10位以内で走ったのが大きかったと思います。そう考えると、ダンカンの抜けた穴というのは非常に大きいですね。復帰したマイナも結局は辞めてしまいましたし、1~3区をある程度走れそうな選手は、東島、佐護、金森などがいますが、稼ぐ役割は難しいでしょう。前回も1区東島が区間17位で後、ダンカンが7位まで順位を上げていなければ、3区以降の選手がどこまで走れたかは未知数で、区間順位が総合順位に近い走りになってしまってもおかしくないですからね・・・絶対的なエース不在というのは、箱根を戦う上で不安ですね。
その一方で、前回5,6区を走った尾上、大島の二人が健在なのは大きなアドバンテージとなりそうです。山でいずれも区間10位以内で走った経験者が残っている大学は拓殖意外に駒澤と東海しかいませんからね。特に大島はさらにスピードもアップしており、前回以上の走りも期待出来そうです。山を安心して任せられる選手がいることで、他の区間の選手も走りやすくなるでしょうし、相乗効果も見込めそうです。
ただ、拓殖の優位なところは、正直この山くらいしか見当たらなそうな気が・・・あまり記録会に積極的では無いということもありますが、1万mで今年度にPBを更新した選手もいません。マイナが退部した影響もあり、1万mの平均持ちタイムは箱根出場校中ダントツで最下位です。5000mも最下位、最も得意なハーフでも17位と数値上はシード権さえかなり厳しいものがあります。また、出雲出場+全日本不出場校全てに言えることですが、出雲が中止となり、箱根予選・全日本に出場しなかったことで、3大駅伝では1年ぶりの出場、予選会を含めても6末以来の大会となるんですよねー。全日本や箱根予選を走った大学に比べて、経験不足というのも気になるところです。
選手層の薄さもなかなか解消されませんね。1万mで30分きりはわずかに7名のみ、これは箱根出場校の中でもワーストです。出雲では、3年の横内、横瀬、関原といった選手がエントリーされ、伸びてきているのか?と期待しましたが実際に区間エントリーはされませんでしたし、その走力も未知数です。少なくとも、記録会の結果を見る限りは底上げや新戦力の台頭というのはほとんど見られず、特につなぎ区間では厳しい戦いが予想されます。
1区では過去3大会はいずれも17位スタートと出遅れています。そして前回の箱根や今回の全日本を見ていると、さらに1区に有力選手が集まることが予想されます。そんな状況で果たして2区にどの位置でタスキを繋げるか?というのも気になるところです。前回は東島が17位ながら前が見える位置でタスキを渡すことが出来たため、ダンカンで一気に巻き返すことが出来ました。今回は留学生もいませんし、前回以上に1区を走る選手へのプレッシャーは大きくなることでしょう。序盤から出遅れずに済むかというのは拓殖の命運を左右するほど大事な要素です。
箱根エントリー16人予想
4年:佐護、櫻井、尾上、早川、大島、蛯沢
3年:金森、栩山、東島、日下、横内、白石、横瀬、関原
2年:宇田、新井
1年:無し
あまりにも上級生に偏った予想となってしまいましたが、下級生からの目立った突き上げも無かったですし、前回の中心だった3,4年生主体のエントリーとなりそうです。記録会には消極的ですし、3大駅伝・箱根予選会にも今年度は出場していないということで、チーム状況はいまいちわかりにくいですね。ルーキーは14分後半の持ちタイムの選手ばかりで、今回はエントリー無しかなと予想しました。というか、前回の箱根でエントリー+全日本予選にエントリー+出雲にエントリーの選手となりました。他の選手で持ちタイムが良い選手や今期大きく伸びてきたような選手もいないですし、前回の箱根以降にエントリーされた選手がそのまま箱根もエントリーされる可能性が高いかなあと・・・正直、箱根ではシード落ち候補の一番手だとは思うのですが、前回も箱根予選で下位通過でシードからは最も遠い大学の1つだと思っていたのに、予想外にシードを獲得しましたからね。2年連続でサプライズでのシード獲得を見せてほしいものです!