2014年 全国高等学校陸上競技選抜大会(10000m) 結果雑感
先日、全国高等学校陸上競技選抜大会(10000m)が行われました。大会結果はこのようになっております。今回で2回目となる本大会、昨年度は大牟田の堀が31分09秒で優勝しています。国体も5000mで行われるようになり、高校生が1万mを走る数少ない機会ではありますが、8月末というコンディション的に厳しい時期の大会となっています。ただ、今回はこの時期に比べれば涼しかったこともあり、昨年度の記録を1分以上上回るタイムとなりました。主に入賞した選手を中心に見ていきたいと思います。
1 | 太田 智樹 | 浜松日体 | 30:07.33 |
2 | 加藤 拓海 | 成田 | 30:07.96 |
3 | 關 颯人 | 佐久長聖 | 30:22.77 |
4 | 堀尾 謙介 | 須磨学園 | 30:26.22 |
5 | 佐藤 友麻 | 盈進 | 30:27.58 |
6 | 鬼塚 翔太 | 大牟田 | 30:27.72 |
7 | 山藤 篤司 | 愛知 | 30:29.22 |
8 | 阿比留 和弘 | 松浦 | 30:32.42 |
優勝したのは浜松日体の太田、これは正直びっくりしました。中学時代は全中やジュニアオリンピックで優勝するなど、池田とともに世代トップクラスの選手として黄金世代をリードする存在でしたが、高校に入ってからは羽生や鬼塚の陰に隠れて目立った活躍は出来ていませんでした。そんな状況での優勝ですからね。タイムも30分7秒となかなかですし、これは完全復活と言っていいのでは?まだ2年生、駅伝シーズンも含めて一気に楽しみになってきました。ただ、静岡県は最激戦県の1つなだけに、今年度は記念大会で枠が増えるとはいえ、都大路へ出場するのも容易では無さそうです。
2位は成田の加藤、持ちタイムは決して目立った選手では無かったものの、インターハイの決勝で大きくベストを更新し、見事に入賞を果たすなど、今最も勢いのある選手ですが、この選抜大会でも見事に結果を残しました。ラスト勝負でこそ太田に敗れましたが、同じく30分7秒での2位ですからね。インターハイ、選抜大会と連続して結果を残しているのは力がなければ出来ませんし、秋以降は持ちタイムもまだまだ伸ばしてきそうです。
3位は佐久長聖の關、太田に続いて2年生がトップ3に入りました。昨年度は世代トップクラスの選手の一人として活躍しましたが、今年度はインターハイ出場を逃すなどやや精細を欠いていました。それが、30分22秒とトップ2とは離されたものの、3位を確保したのは良かったですねー。昨年度もインターハイでボロボロだった佐久長聖ですが、この選抜大会で春日、藤木が上位に入り、都大路への入賞と繋げただけに、關もまた駅伝シーズンで輝いて欲しいです。現状のチーム状況を考えると、關が2年生ながらエースとしての活躍が求められますしね。
4位は須磨学園の堀尾、インターハイでも11位に入っている選手が、選抜大会でも結果を残しました。安定して走れる選手というのは駅伝を見据えても頼りになる存在になりますね。冬場は福田がロードで力を発揮し、須磨のエースは福田かな?と思っていましたが、ここにきて一気に評価を上げてきました。西脇工業が奮わない現状では須磨が兵庫県を制覇する可能性が高そうですし、駅伝でも活躍して欲しいです。
5位は盈進の佐藤・・・すみません、正直知らなかった選手です。。。持ちタイムは14分39秒?と目立ったタイムではありませんが、30分27秒で5位に入ってくるのですから、力はあるのでしょう。いわゆる無名校のエースと呼ばれる選手はあまり高校時代に追い込んだ練習をしていないことも多く、大学に入ってから伸びることも多いので今後が楽しみですね。同じ広島県には都大路でも優勝候補筆頭の世羅がいるだけに、都大路はもちろん、都道府県対抗でも姿を見れなさそうなのが、残念ではありますが・・・
6位は大牟田の鬼塚、5000mまでは鬼塚がラップを取っており、ずっと先頭を引っ張っていたようですね。それでも、後半はやや落ちてしまい、30分27秒の6位はやや不本意な結果ですかねえ。それでも、黄金世代の中では最も安定して結果を残せている選手と言えそうです。昨年度の都大路は7区を走って最後まで優勝争いに加わりながらの2位と悔しい思いをしているだけに、今年度は恐らく1,3区のどちらかを任されることになるでしょうが、昨年度の羽生のような驚きを与える走りを見せて欲しいです!
7位は愛知の山藤、インターハイで10位に続いての今回の好走は、やはり高校でもトップクラスの力があることの証明でしょう。エースが安定して力を発揮しているのは、チームとしても心強いですね。駅伝シーズンに向けては、まずはきっちりと愛知県大会を突破し、都大路でも活躍して欲しいですね。豊川工業の主力が一斉に転校したことで、留学生がいるとはいえ今シーズンは勢いの無い豊川高校には総合力で遥かに上回っていると思いますし、恐らく1区を任されるであろう山藤で一気に大差をつけたいところです。
8位は松浦の阿比留・・・すみません、やっぱり知らなかった選手です。持ちタイムは14分44秒?とあまり目立っていない3年生ではありますが、入賞してきましたねー。入賞したメンバーを見ると、もちろんインターハイで結果を残した選手もいますが、復活を遂げた太田、關や持ちタイムの割に好走した佐藤、阿比留などバラエティに富んでいますね。長崎県は坂口率いる諫早が強いかとは思いますが、県予選でどんな走りを見せてくれるのかが気になります。
逆に、やや期待はずれだった選手を見てみると・・・学法石川の車田が33分台での最下位は一体どうしてしまったのか!?インターハイでは決勝に進んでいる選手なのですが。。。他にも須磨の福田も33分台、好走した堀尾とは明暗がくっきりと分かれてしまいました。他には那須拓陽の馬場や鹿児島実業の永山も32分台で順位も下位に沈んでしまいました。時期を考えてもなかなか調整が難しい大会ですので、今回好走した選手は自信を持って、悪かった選手も切り替えて駅伝シーズンを盛り上げていって欲しいです!
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