90回箱根駅伝を振り返る ~東京農業大学~
続いては東京農業大学について・・・結果はこのようになっております。箱根予選でトップ通過、その後も自己ベストを出す選手が多数現れるなど、最も勢いのある大学として期待していましたが、1区の出遅れが結局は最後まで響き、シード獲得とはなりませんでした。ここ数年では最も期待出来ると思ったんですけどねえ・・・そんな東農大の走りを振り返ってみたいと思います。
1区は佐藤達、最も東農大で安定感のある選手かと思っていましたが、この1区が最大の誤算でした。ハイペースに序盤から遅れてしまうと、その後もなかなかペースが上がらず、区間22位、トップとは実に5分23秒の大差をつけられてしまいました。この出遅れはあまりにも痛かったですね。佐藤達を起用しての結果なだけになおさら・・・2区は津野、5区で地獄を見た選手が成長し、2区に戻ってきました。区間13位はまずまずといったところかなあ?ここ最近の勢いや箱根予選での好走を考えれば、もっと走れても良かったかもしれませんが、いかんせん1区22位スタートですからね。出遅れるとその悪い流れを引きずってしまうことが非常に多い箱根駅伝において、しっかりと走ってくれたと思います。
3区は戸田、前回は4区最下位と非常に悔しい思いをしましたが、今回は3区13位、津野同様に苦しい位置でタスキをもらったことを考えるとまずまず走ってくれたと思います。前回のリベンジとまではいかなかったかもしれませんが、苦しい展開でもしっかりと走ってくれるのは心強いですよね。すでに主力かと思いますが、来年はエースとしてチームを引っ張っていって欲しい選手です。それだけの力はあると思いますしねえ。4区は佐野、1万mや3000m障害では結果を残していますが、ハーフの距離は未知数でしたが、それが悪い方向に出てしまったようで区間21位と下位に沈んでしまいました。やはり、まだ距離対応は出来ていなかったのでしょうか?来年は貴重な戦力となるでしょうし、しっかりとハーフも走れるようになって欲しいです。
東農大最大の見せ場は5区の三輪、今シーズン走るたびに自己ベストを更新し、ついには1万mのベストを28分38秒まで伸ばしてきた選手です。20位でタスキを貰ったにもかかわらず、山を颯爽と上りきり、79分56秒と80分を切る好走で区間4位、6人抜きの走りでした。やはり、どんどんベストを更新するというのは、本当に力がないと出来ないですよねー。それでも、まさか80分きりを達成してしまうとは思いませんでした。。。
6区は土井、6区経験者の三輪、佐藤達をともに平地に下ろしたために6区起用となりましたが、区間15位はちょっと残念な走りだったかなあ・・・箱根予選で28位で走っている選手ですからねえ。基本的に固定されることが多い6区が卒業せずに3年連続で変わるというのも珍しいですよねえ。適性云々はちょっと分かりませんが、スペシャリストを育てていきたいところかなあ?7区は岩渕、区間8位はまずまずといったところでしょうか?もちろん、去年の成績と比べればほとんどの選手が好走しているのですが、箱根予選の結果が良すぎましたからねえ。どうしても期待しちゃいます。8区は浅岡、本来であれば主要区間を走って欲しい選手なだけに、万全ではなかったかもしれませんが、それでも区間8位でまとめてくるのはさすがですよねー。能力は高いものの、怪我が多くてなかなかいい走りが出来ないことが多いですが、最終学年となる来年度は、是非とも1年を通して活躍してほしいです。
9区は竹内、前回2区19位とエース区間で苦しみましたが、今回は裏の区間である9区で区間6位といい走りを見せてくれました。今シーズンの走りはなかなかいい走りを見せられていませんでしたが、それでも箱根予選で19位で走ってしまうんですから、さすがですよねー。来年は最上級生として、さらなる活躍に期待したいと思います。10区は山本、持ちタイムはいい選手ですが、今シーズンはほとんど姿を見せなかった選手、4区とともに不安な区間でしたが、結果は区間20位と3つ目の区間20位オーバーとなってしまいました。実績のある選手ですも、やはり年間を通じて結果を出していない選手は箱根で結果を出すのが難しいですね。
総合14位は、あれだけ箱根予選で結果を出したチームということを考えると、やはり不満の残る結果だったと思います。23チームが出る記念大会では、やはり20位以上の区間を出すと、シードが厳しくなってしまいますねえ。。。5区であれだけ快走してくれただけに、余計に悔いの残る結果だったのではないでしょうか?来年は1,2,5,10区を走った選手が卒業します。特に5区の三輪の卒業は非常に大きいですね。何とかまた、走力も適性もある選手が5区を走れればいいのでしょうが・・・また、今の1年生はスカウトで苦労していますし、今の高3も即戦力はいなそうですねえ。。。ある程度は即戦力となる選手を獲得出来ないと、今後ますます競争が激化する中で置いて行かれる可能性もありますので、育成だけではなく、スカウトも頑張って、箱根を盛り上げて欲しいです!