90回箱根駅伝 日本体育大学の不安要素

続いては、前回の箱根予選を首位通過するとそのままの勢いで箱根本戦まで優勝してしまった日本体育大学の不安要素について・・・過去10年の箱根成績はこのようになっております。出雲は冨田、甲斐、加藤といった繫ぎ区間を任された選手が無難に走り、山中がトラックシーズンの勢いそのままに好走、本田を欠きながら3強と言われるとおり、3位に入りました。一方、全日本は7区まで3位につけるも、矢野の脱水症状もあって8位、まさかのシード落ちとなってしまいました。その後、矢野、本田が上尾ハーフで好走するなど、主力は一旦問題なさそうな日体大ですが、もちろん不安要素もあります。

 

まずは選手層についてです。前回箱根を走った7人はひとまず計算出来ると思いますが、復路を走った卒業生3人(いずれも区間2位)の穴が意外と大きいのではと思っています。卒業生のかわりとなる候補が、出雲・全日本共に繫ぎ区間を走った加藤、冨田、甲斐の3人かと思いますが、駒澤相手でみると、出雲・全日本で6戦6敗、東洋相手でみると、1勝5敗と惨敗しています。では代わりの選手がいるかといいますと、上尾ハーフで3分台を出した坂本、4分5秒で走った山本といったルーキーが目立ったものの、いきなり箱根デビューというのも厳しいように思えます。もちろん、5区服部、6区鈴木でトップに躍り出て、そのトップ効果で繫ぎ区間の選手が好走するということは、前回の箱根同様ありえるかもしれませんが、駒澤、東洋ともに8~10番手には自信を持っているようですし、特に東洋の選手層は全大学中No.1の呼び声高く、選手層の薄さは致命的になりかねません。主力はしっかりと計算出来るだけに、繫ぎ区間の出来が大事になってきそうです。

 

1区も不安要素となってきました。前年度は全日本、箱根ともにいい走りをしましたが、その両大会に共通しているのはスローペースだったこと。そして、ハイペースとなった今年の全日本では、早々に遅れてしまい、ライバルとなる駒澤・東洋に大きな差をつけられてしまいました。箱根でもハイペースの1区となった場合、勝亦では全日本同様、大きな差をつけられるリスクが伴います。一方、本田などを4本柱を1区に置いた場合、スローペースとなって無駄遣いとなるリスクもあります。1区の人選も悩まされそうです。1区で出遅れた場合、いくら山に自信があってもそのままズルズルと往路で離されてしまい、5区の時点で手遅れとなる可能性もありますからね。

 

前回大会になくて今回あるもの、それは箱根王者としてのプレッシャーでしょう。前回は箱根予選トップ、全日本4位とはいえ、優勝候補として名前を挙げる人は殆どいなかったように思えます。それだけ、駒澤・東洋が抜けている印象で、プレッシャーは少なかったはずです。今年は3強と言われ、優勝候補の大学も日体大を強烈に意識しています。それだけマークもされるはずですし、注目を集める中で、前回のような素晴らしい走りを出来るのか?というのも不安が残ります。また、服部、矢野、本田、鈴木と前回の2,5,6,9区を走った選手が最終学年となり、勝負の年であると同時に、来年は大幅に戦力ダウンすることは確実です。来年度以降、優勝争いをするのは難しく、今年勝たなければというプレッシャーもあるはずで、そうしたマイナス要素を払いのけられるのかも注目です。

 

3強の中で駒澤・東洋に対して最もアドバンテージを持っているのが、最も箱根で重要と言われる5,6区の山です。このアドバンテージがあるからこそ、日体大が優勝候補にあげられると言っても過言ではありません。正直、平地での走力では出雲・全日本を見ても分かる通り、駒澤・東洋には劣っているでしょうからね。山でのアドバンテージを活かし、日体大が2連覇を達成するのか、それとも駒澤・東洋を始めとする他大の巻き返しがあるのか?どんな区間配置とするかも含めて、非常に楽しみです!!

 

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